「今の共産党の姿を通して」シネ・ヌーヴォにてドキュメンタリー映画『百年と希望』の舞台挨拶レポート

「今の共産党の姿を通して」シネ・ヌーヴォにてドキュメンタリー映画『百年と希望』の舞台挨拶レポート

2022年7月8日

©Tiroir du Kinéma

7月2日(土)、大阪府にあるシネ・ヌーヴォにて、ドキュメンタリー映画『百年と希望』の手話通訳付き舞台挨拶が、行われました。

この日は、西原孝至監督が、ご登壇されました。

ドキュメンタリー映画『百年と希望』のあらすじ

今年、2022年の7月15日に、結党100周年を迎える日本共産党。

新自由主義を推進する自由民主党が長く政権を担う日本。

左派政党として独自の立ち位置を貫いてきた共産党。

コロナ禍の2021年、99年目の日本共産党にカメラが潜入し、夏の東京都議会議員選挙と秋の衆議院総選挙をめぐる議員たちのそれぞれの活動、入党60年を超える古参党員、共産党が発刊する新聞「しんぶん赤旗」の編集部、若者世代の支援者などを丁寧に取材した。

議員や支援者の姿を通し、現代の日本社会を露とさせ、これからの日本の新しい社会の可能性とその希望について強く問いかける。

この日、登壇された西原孝至監督は、本作の製作経緯からお話されました。

©Tiroir du Kinéma

「ご存知かどうか存じ上げませんが、自分は北陸の富山県に産まれまして、物凄く保守的な風土の街なんですね。長い物には巻かれろ的な考えのある土地に過ごしてきて、高校卒業して、大学で東京に行きました。当時は、自分が生きるのに精一杯で、友達と社会について話す機会が、まったくありませんでした。学生の時にイラク戦争が勃発し、自衛隊派遣もありました。渋谷でデモをしている方もいて、何か遠い世界の事だと思って、目に入らないように生きてきた人間でした。20代後半に、東日本大震災が起き、あの時やはり、自分が生きている社会は、とても脆いものだと実感しました。日々のニュースであったり、社会の問題に目が行くようになりました。そこでもやはり、自分の想いを表現するのはなかなか勇気がいることでした。その当時は、なかなか言葉にすることが難しく、自分自身の考え方が変わったのは、2015年に国会議事堂前で安保法制に抗議するSEALsという学生団体の方々に出会った事が、きっかけでした。自分自身も憲法九条は、すごくいい理念だと感じている一人ですが、あれを時の権力で解釈を180度変えてしまって、集団的自衛権など、国会の議論を経ずに時の内閣が勝手に何にでも決められるんだったら、民主主義って必要あるのでしょうか?果たして、この国は民主主義国家でしょうか?と、危機感を覚えました。SNS上で、若い学生の皆さんが、首相官邸前でデモを行うとお聞きしました。そしたら、自分より人周りも若い学生達が声を上げて、自分の顔も晒して、その姿にすごく衝撃を受けまして、これまで自分が何もして来なかった恥ずかしさも含め、意識が変わった瞬間でした。そんな時に、様々な場所に足を運ぶようになりまして、特に野党の議員の方がいらっしゃるようになりました。学生中心にスピーチをする場で、多くの議員さんがご出席されます。その方々が、その場を盛り上げて下さる姿を見て、訴えてる事も妥当だと感じ、自分の考えにも近い人達だと実感した想いもありました。なかなか、日本社会では指示が広がらず、それは共産党だけでなく、他の左派政党全体に言えることだと思います。更に、周りにいる方々にもお話を聞いていく中、共産党には共産党アレルギーがあるらしいとお聞きして、それは一体何だろうかと疑問を抱き、3年ほど前に、今年2022年に結党100周年になる事をお聞きして、日本共産党についてのドキュメンタリーが作れたら、面白いのではないかと思いつきました。2020年の6月、コロナ禍になり、シネ・ヌーヴォさん含む、全国の映画館が休館する事態に陥りました。その時、「Save the Cinema」や色んなプロジェクトが立ち上がり、映画館を救おうとしました。自分自身、「Save the Cinema」という国や政治家に緊急支援を求める署名活動を行いました。署名は最終的に9万筆ほど集まりました。その途中、緊急支援をお願いするため、文化庁に赴きました。その時に、協力して下さったのが、共産党の吉良よし子さんでした。自分たちは今まで、陳情のような事をしたことなかったのですが、吉良さんが文化庁の担当の方に対して、「文化を担っているあなた達が今、先頭を立たなくて、どうするんですか?」と、啖呵を切るように仰って頂きました。その時に、物凄く共産党の存在や困っている国民の声を代議士さんが発言してくれる姿を見て、感動しました。誤解を受けている共産党を見て、そのイメージを払拭するには今の共産党の姿を通して、どういう社会なのかと描きたいと思いまして、製作したのが本作『百年と希望』でした。」

©Tiroir du Kinéma

と、作品の製作背景や監督の日本共産党に対する熱い想いをお話されました。

また、劇場には、東京から作品の製作に関わった音声マンやプロデューサーの方々が駆けつけ、政治や作品、日本共産党に対する想いもお話されておりました。

ドキュメンタリー映画『百年と希望』は、大阪府のシネ・ヌーヴォ、兵庫県の元町映画館にて、7月2日(土)から上映開始。京都府では京都みなみ会館にて、7月8日(金)より公開予定。また、大阪府の第七藝術劇場は、7月16日(土)より公開予定。全国順次上映。