「点在する点と点に、線が繋がっていく」シアターセブンにて映画『ある惑星の散文』の舞台挨拶レポート

「点在する点と点に、線が繋がっていく」シアターセブンにて映画『ある惑星の散文』の舞台挨拶レポート

2022年7月8日

©Tiroir du Kinéma

7月2日(土)、大阪府にあるシアターセブンにて、映画『ある惑星の散文』の舞台挨拶が、行われました。

この日は、深田隆之監督と主演の富岡英里子さんが、ご登壇されました。

映画『ある惑星の散文』のあらすじ

脚本家を目指す主人公ルイは、海外の映画祭に出席している映画監督の恋人アツシの帰途を待ちながら、スカイプでの会話を通して2人の今後の新しい生活への計画に対して、期待に胸を膨らませていた。

一方で、舞台俳優を目指して活動していた芽衣子は、精神疾患を患い役者業を離れ、カフェで働く。

神奈川県横浜市にある本牧(ほんもく)という町を舞台に、人生のターニングポイントに立つ2人の女性が編み込む、ささやかながら温かい物語を描いた作品。

この日、ご登壇された深田隆之監督は、

©Tiroir du Kinéma

「本作は2015年に企画が始まりまして、2016年に撮影をしておりました。完成が、1年後の2017年頃に完成しました。最初の上映は、実は日本ではありませんでした。フランスのスイスに近いベルフォールという都市がありますが、ベルフォール映画祭で上映されました。そこから、アメリカのオレゴン州のポートランドの美術館での上映もされ、徐々に広がりを見せました。様々な機会が重なり、今回日本での上映に至ったという経緯があります。作品の内容についてですが、観て頂いたとおり、富岡さん演じるルイの物語で、中川ゆかりさんが演じる芽衣子の物語。この二人の物語が軸になっております。ドラマの部分として、物語の要素としてあります。そしてもう一つ大きな要素として、本牧という神奈川県の横浜市にあるエリアで撮影しております。本牧で撮影した目的は、本牧の風景を撮影するという事が、本作の製作の軸としてありました。もう一つは、「惑星」や「星」というモチーフをひとつの柱として、持ち出しております。本来、一般的な映画で言えば、いわゆるドラマを語っていく一本の線上の物語が一般的ですが、その場所で撮ることや「惑星」というイメージなど、様々な要素が絡み合い、点在する点と点に、線が繋がっていく形で映像表現できないかと、試みをしようと、本作を製作しました。」

と、製作背景や、作品の成り立ちを話されました。また、主演の富岡英里子さんは、

「ポートハイツという本牧で働いている人達が、暮らしている場所で撮影が行われました。住んでいる方々は、少なくなってしまいました。また、作中に登場する映画館は、元々私が働いていた劇場でした。閉館したその日も、その映画館で働いておりました。自分の出演している作品で、閉館した後の劇場に入れたのは、すごく嬉しかったです。更に、映画館という存在が、映画の中で遺された事が、すごく嬉しいことでもありました。」

と、撮影中の思いを話されておりました。

©Tiroir du Kinéma
©Tiroir du Kinéma

映画『ある惑星の散文』は、7月9日より兵庫県の元町映画館にて、7月15日より京都府の京都みなみ会館にて、上映が始まる。また、全国の劇場でも、順次公開予定。