「化粧をする行為を通して、「女とは」「女の形とは」というテーマに繋がっている」4月18日(火)、大阪府のシアターセブンで行われたオムニバス映画『人形たち Dear Dolls』の舞台挨拶レポート

「化粧をする行為を通して、「女とは」「女の形とは」というテーマに繋がっている」4月18日(火)、大阪府のシアターセブンで行われたオムニバス映画『人形たち Dear Dolls』の舞台挨拶レポート

2023年4月19日

©Tiroir du Kinéma

4月18日(火)、大阪府のシアターセブンにて、映画『人形たち Dear Dolls』の舞台挨拶が、行われた。

この日は、映画『オンナのカタチ ヒトの形をして生まれながらも存在消されしモノの情景』を監督した吉村元希監督、プロデューサー兼主演の福島拓哉さん、出演の三木万侑加さんが、登壇された。

映画『人形たち Dear Dolls』のあらすじ

映画『怒れる人形』は、上司から受けているハラスメントに苦しむ姉を見て、姉に代わり復讐しようとする妹の姿を描いた物語。

映画『Doll Woman』は、人形と暮らす女が人形と暮らす男と出会うボーイミーツガールの物語。

映画『JOMON わたしのヴィーナス』は、将来に悩む11歳の女の子が、田んぼで拾った手のひらサイズの女性像をきっかけに生きる道しるべを見出す姿を描く。

映画『オンナのカタチ ヒトの形をして生まれながらも存在消されしモノの情景』は、女らしさとは何か、女性であることとはどういうことか、現実と虚構の間を行き来しながら女性の表象について考察する。

©Tiroir du Kinéma

この日、登壇された吉村監督は、企画の成り立ちについて話された。

吉村監督:「オムニバスの一本を撮りませんかと、お話を頂きました。長い旅でもありました。どこを切り取って良いのか分からないぐらい、たくさん映像がありました。大胆に切り取った作品かと思います。でも、最初は女性4人で作品を作る事に対し、前向きに受け取りました。ただ、去年は慌ただしく、自分に対して、難しいのでは?と言い聞かせつつ、女性4人で作るのであれば、死んでも参加させて頂きたく強く思いました。」と話した。

また、プロデューサー兼主演の福島さんは、作品が立ち上がってから、東京上映、そして関西上映に際しての話をされました。

福島さん:「本作は、2本目の短編『Doll Woman』の大原監督が、発起人です。人形をテーマにし、4本がバッケージングされた作品として製作されました。女性が生きづらさを抱える姿が、人形のようだと言う視点から、それぞれの物語が誕生しました。ただ、作品の長い旅程について、東京から大阪まで、私たちの映画を持って来れた事をふと思い返すと、色々感慨深いものがあります。大阪の皆さん、ありがとうございます。」と話した。

最後に、映画『オンナのカタチ ヒトの形をして生まれながらも存在消されしモノの情景』に出演された三木さんは、作中で自身が行う化粧を通して、本作のテーマである「女性とは何か」について、話された。

三木さん:「撮影中の話ですが、化粧をするシーンでは、いつも通りに化粧をして、と監督から指導が入ったんです。その場面の撮影では、普段通りの手順でメイクをして、それを丸々シーンとして使用されました。自分が化粧をしている姿は普段見ないので、とても新鮮でした。客観視できるものではないので、非常に面白い印象を受けました。ただ、この化粧をする場面も含めて、本作が取り扱っている「女とは」「女の形とは」というテーマに繋がっているような気が、今もずっとしています。」と話した。

©Tiroir du Kinéma

最後に、御三方から特別に「関西上映を迎えて、今のご心境」について、お聞きした。

吉村監督:「大阪のシアターセブンで、作品を上映できて、非常に光栄です。多くのお客様と出会えるように、皆様どうぞ、よろしくお願いします。」

福島さん:「大阪に来たのも、すごく久しぶりな事です。ここシアターセブンに戻って来れて、とても良かったです。僕自身は、大阪生まれなので、改めて戻って来たという感覚が、ずっとありますね。ありがとうございました。」

三木さん:「地元関西での上映が実現して、とても嬉しく思います。一人でも多くの方に観て頂けるのが、楽しみです。劇場でお待ちしています。」

オムニバス映画『人形たち Dear Dolls』(映画『Bird Woman』併映)は、4月15日(土)より大阪府のシアターセブンにて、1週間限定上映。