映画『ミュジコフィリア』京都初日舞台挨拶 出演者と監督がご登壇

映画『ミュジコフィリア』京都初日舞台挨拶 出演者と監督がご登壇

2021年11月13日
左から谷口正晃監督、井之脇海さん、松本穂香さん、脚本家大野裕之さん           (c)Tiroir du Kinéma2021.11.12

文・撮影 スズキ トモヤ

11月12日(金)、京都府の映画館TOHOシネマズ二条にて、映画『ミュジコフィリア』の京都初日舞台挨拶が行われた。

この度、ご登壇されたのは、主演の井之脇海さん、松本穂香さん、そして、谷口正晃監督。残念ながら、共演の山崎育三郎さんは、ご登壇ならず。

本作『ミュジコフィリア』は、漫画家のさそうあきらさんの伝説的コミックの映像化作品。

作品のロケ地は、全編オール京都ロケにて、撮影されている。

物語は、京都の芸術大学を舞台に、天性の才能を持った大学生の朔の成長を描く。

音楽一家で育った朔にとって、父と兄に対して強いコンプレックスを抱いていた。

「音楽」を通して、彩られる登場人物たちの心の成長と兄弟の絆や親子の確執を優しいタッチで描く近年稀にみる傑作。

舞台挨拶の会場では、音楽映画というこもあり、前回同様に京都市立芸大学生有志の方々の弦楽四重奏による生演奏の演出。

今回もまた、曲目はヨハン・パッヘルベルの「カノン」とヴィヴァルディの「協奏曲第1番ホ長調 RV 269「春」が、会場に色を添えた。

登壇者の方々は、「出来上がった作品に対してどのように感じたか」の質問にそれぞれコメントを残された。

主演の井之脇さんは「初号試写で最初に観させて頂きましたが、多くの思い出がありすぎて、冷静に観れなかった箇所もありました。

でも、京都の街やユニークな登場人物たちが、一番好きなモノでもある音楽を通して、ぶつかり合ったり成長する姿が、瑞々しく描かれており、観た後の多幸感やほっころする気持ちを抱かせてくれる映画だな」と思いました。

また、共演の松本穂香さんは「京都の景色がすごくキレイな中で、音楽が鳴り響く楽しさが、劇場で感じられつつも、一人一人の葛藤や心情が、しっかり描かれています。

「そんな苦しみもあったんだね」と、作中の登場人物に感情移入しながら、最後には温かい感情が残る作品でした。」

また、本作を監督した谷口正晃さんは「京都市はじめ、京都の皆さん、たくさんの方々に支えられて作られた大切な作品です。感無量で、感謝の言葉に堪えません」と、舞台挨拶の冒頭でコメントを残された。

舞台挨拶の途中で、仕事で会場に来られなかった山崎育三郎さんからは、ビデオ・メッセージというサプライズ演出もありました。

少しこぼれ話として。本編が始まる前に、映画会社のロゴが初めに流れるが、その時にノイズがまぎれいるという。

それは、本作のテーマである「現代音楽」をイメージして、挿入された演出。作り手たちの作品に対する愛や丁寧さが伝わってくるエピソード。

この話は、本作の脚本家兼プロデューサーの大野裕之さんから直接お聞きしました。

作品が始まる前にも、耳を澄ませて、映画に没頭してみてください。

映画『ミュジコフィリア』は、11月19日(金)より全国の劇場で公開予定。また、関西では先行上映される京都府のTOHOシネマズ二条をはじめ、大阪府では大阪ステーションシティシネマ、兵庫県ではTOHOシネマズ西宮OS、和歌山県ではイオンシネマ和歌山にて、公開が控えている。