「いつか児童相談所の方々を」10月8日(土)、第七藝術劇場にて行われた映画『ほどけそうな、息』『まだ見ぬあなたに』の舞台挨拶レポート

「いつか児童相談所の方々を」10月8日(土)、第七藝術劇場にて行われた映画『ほどけそうな、息』『まだ見ぬあなたに』の舞台挨拶レポート

2022年10月10日

©Tiroir du Kinéma

©️2022『ほどけそうな、息』製作委員会

10月8日(土)、大阪府にある第七藝術劇場にて、映画『ほどけそうな、息』併映作品『まだ見ぬあなたへ』の舞台挨拶が、行われた。

この日、監督の小澤雅人さんが、ご登壇された。

映画『ほどけそうな、息』のあらすじ

新卒で児童相談所の児童福祉司として2年目を迎えたカスミ。

職場のシステムに対して疑問を抱きつつも、自身に与えられた役目を遂行すべく闘志を見せていた。

ある時、カスミは、育児放棄の嫌疑で一旦保護された小学生の女の子ヒナの担当を引き請けることに。

猛省する親の菅田に、少女はまもなく帰宅を許されると見て取れたが……。

©Tiroir du Kinéma

この日、登壇された小澤雅人監督は、本作が製作された経緯を聞かれ

小澤監督「過去に児童虐待に関する作品を製作した時に、その問題を取り扱う関係者と知り合いました。今回は、その方も作品に企画製作として携わって頂いております。その方が、が、過去作『風切羽 かざきりば』を観て、作品の感想を話して頂きました。現場の職員の視点で言えば、まだまだ現実味がなく、現場で働く人間からすれば、リアリティに欠けている。と、言われてしまいました。でもその方は、これから僕が子ども福祉の現場を紹介するから、自分の目で見て作品を撮って頂きたいと、提案されました。その時のご縁がきっかけで、児童相談所や児童養護施設に訪問させて頂きました。紹介して頂いた方が、子ども虐待防止に関わる方々が集まる勉強会が、開かれるんです。職種は違いますが、虐待に関心を寄せる多くの方が参加していました。僕もその会合に参加させて頂き、その時に児童相談所で働く方と交流しましたが、その方々は、子どもの事に対して、一所懸命働いておられるんです。こんなにも頑張っているのに、報道が出ると、すぐバッシングされてしまう。児童相談所の方々は、自分から声を発信することはできません。映像化された作品もないに等しいので、どのようなお仕事をされているのか、分からない事が多すぎると思うんです。僕自身も、作品を製作するまで、分かりませんでした。だからこそ、いつか児童相談所の人々を扱った作品を作りたいと思っていました。その願いが叶ったのが、本作です。」

と、作品の製作背景や児童相談所の裏側の話をされた。

映画『ほどけそうな、息』『まだ見ぬあなたに』『一瞬の楽園』は、10月8日より大阪府の第七藝術劇場にて、10月7日(金)より出町座にて公開中。