「モニターで判断するように心掛けました」8月5日(土)、大阪府の大阪ステーションシティシネマにて行われた映画『バラシファイト』の舞台挨拶レポート

「モニターで判断するように心掛けました」8月5日(土)、大阪府の大阪ステーションシティシネマにて行われた映画『バラシファイト』の舞台挨拶レポート

©Tiroir du Kinéma

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映画『バラシファイト』は、放送作家兼演出家の開沼豊さんの長編映画初監督作品。若手舞台監督の巴川健一は、終演後の打ち上げに参加する意味を見いだせず悩んでいた。そんな中、巴川の師匠でもある伝説の舞台監督・奈須宗二が始めたと言われる、裏方スタッフたちによる打ち上げ参加権を賭けたも「バラシファイト」が舞台裏で幕を開ける。舞台公演後に劇場内を原状回復する撤収作業「バラシ」を題材に、裏方の人々が打ち上げ参加権をめぐって繰り広げるバトルを描いたアクションコメディ映画『バラシファイト』が7月28日(金)より公開中。8月5日(土)は、上映中の大阪ステーションシティシネマにて、関係者による舞台挨拶が行われた。登壇者は、主演の小澤雄太さん、寺坂頼我さん、浅野寛介さん、監督の開沼豊さんが登壇された。

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上映後、浅野寛介さんによる司会の下、小澤雄太さん、寺坂頼我さん、開沼豊監督が登壇し、舞台挨拶が行われた。公開が始まって一週間が経ち、初日を迎えた時の気持ちを8文字で伝えるように言われ、小澤さんは「記念すべき日だ」寺坂さんは「ドキドキ始ま(っ)た」開沼監督は「カツカレーライス」と、それぞれスッキリ8文字で表現。この言葉の裏には、作品や上映に向けての関係者一人一人の強い想いや願いが込められている。東京の上映時には、5文字でのお題で盛り上がったという。

また、それぞれのキャラクターを演じる前、もしくは演じてみて意識した事を聞かれ、寺坂さんは「僕が演じた手賀沼は、振り切らないといけないキャラクターでした。熱い性格で、上司の胸ぐらを掴んで凄む人物です。彼の性格に合わせて、思い切る演技を撮影前からイメージトレーニングをしました。」小澤さんは「この作品は、皆さんにもある事、例えば挫折してしまったり、気持ちが辛くて出社したくない時もあると思います。人によって、やりたくない理由があると思います。朝起きて体調悪いと、病院行こうかなと、何もしたく無くなる時もたくさんあると思うんです。僕は、演技をしながら、そんな感情を大切にしていました。僕自身は、昔から根性論で育って来たタイプなので、そんな気持ちは持っていなかったので、無理矢理どんな事があっても行くという人生を過ごして来ました。でも、よくよく考えれば、そんな気持ちを持った人もいると思えば、そんな方の気持ちを大袈裟に受け取って、自分が演出部として何もしないという選択肢を選ぶ人物を投影しました。ヤル気も起きなくて、できることなら言われた事だけをして、生活をしている舞台監督を表現しようと心掛けました。」開沼監督は「脚本に関しては、一人本に向かって書いて行きますが、舞台の仕事が多く、僕は映画では初監督でした。目の前で起こる芝居に対して、作って来た経験がありますが、映像制作の現場で意識した事は舞台監督の経験が邪魔にならないように、目の前で起きているお芝居などに関して、すぐにOKを出さないように気をつけました。なるべく、モニターで判断するように心掛けました。」と、それぞれ作品制作に携わる中、現場で気を付けていた事を話された。

最後に、映画『バラシファイト』にちなんで、渾身の現場での「バラシ」や関係者に伝えていなかった事を聞かれて開沼監督は「本当の話ですが、脚本段階での最初の構想では、寺坂さんが演じる手賀沼が主人公でした。」と、関係者一同、驚きの声を上げた。続いて、監督は「初期段階では、ヤル気に満ち溢れた若者の話が、最も見やすいと感じて、手賀沼という人物を主人公に据え置いて、俯瞰で見る立場の小澤さん演じる巴川がいる設定を考えていました。続編では、ぜひ寺坂さんが主演でお願いします。」と、最後まで盛り上がった。

映画『バラシファイト』は現在、関西では7月28日(金)より大阪府の大阪ステーションシティシネマにて、絶賛公開中。また、全国の劇場にて順次、上映予定。