「関西上映は、楽しみのひとつでした」1月8日(日)、シネ・リーブル梅田で行われた映画『とべない風船』の舞台挨拶レポート

「関西上映は、楽しみのひとつでした」1月8日(日)、シネ・リーブル梅田で行われた映画『とべない風船』の舞台挨拶レポート

2023年1月12日

©Tiroir du Kinéma
©buzzCrow Inc.

1月8日(日)、大阪府にあるシネ・リーブル梅田にて、映画『とべない風船』の舞台挨拶が、行われた。

この日、監督の宮川博至さんと主演俳優の東出昌大さんが登壇され、観客との質疑応答が交わされた。

映画『とべない風船』のあらすじ

太陽の光溢れる瀬戸内の海の小島。

数年前、豪雨災害で妻子を亡くした孤独な漁師・憲二。

彼は疎遠だった父親に会うため、孤島へ赴いて来た凛子という女性に会う。

彼女は教師としての仕事の挫折が原因で、自身が歩むべき道を見失ってしまっていた。

この日、ご登壇された宮川博至監督は、東出さんに役を引き受けてもらい、良かったと思った瞬間があるかどうか、と聞かれ

宮川監督:「広島で撮った作品ですが、撮影前から、現地に来て頂きました。また、映画には様々なテーマがある中、東出さんの役は豪雨災害で家族を失う男ですが、カメラも何も無く、取材もせず、二人で被害の大きかった地域に向かいました。当時、災害で人を助ける地元の消防団から被害の全貌や当時の写真、体験談をお聞きして、東出さんが徐々に、役を作り上げていく姿を見て、非常に感銘を受けました。彼じゃきゃ出来なかった役ではないかと、思っています。」と、主人公を演じた東出さんの出演経緯を話された。

また、俳優の東出昌大さんは、役作りでの苦労した点、大変だった件を聞かれ

東出さん:「役者の役作りが、どこからどこまでを指すのか分かりませんが、例えば、本作の主人公の場合は、日焼けしているであろう人物のため、日焼けサロンに行って、肌を焼くことも役作りです。あと、足を引き摺る設定では、日常の中で様々な負荷が掛かるので、その都度、自身がなぜ、こんな状態になったのか、妻子を失った事を日常的に思い出したりするんだろうと。漁師役だから、地元の漁師の方と一緒に、漁船に乗らせて頂いて、海上を船で走らせたりもありました。役を通して、色々な経験や出来事を体験しますが、まず僕が大事にしたいと思ったのは、なぜ、このような物語ができたのか。作品の関係者の方々が、どういう思いを持って、この映画を製作しようとしているのかと、関係者のお話や想いを聞けるのが、役作りをする上で一番のエネルギーになると思っていました。そういう意味では、クランクイン前に現場入りし、監督とプロデューサーさんと一緒に食事をして、お酒を酌み交わしながら、作品や今後について、熱く語り合いました。本作の役作りでは、監督たちと物語について話し合ったことが、その後の主人公の役柄に影響しています。」と、自身の役作りについて、また関係者への感謝を口にした。

最後に、「関西初公開を迎えての今のご心境」という質問に対して宮川監督と東出昌大さんお二人からコメントを頂けた。

宮川監督:「僕自身、関西では、中之島映画祭からお世話になっています。関西の観客は皆さん、温かい人ばかりです。感情表現が非常に豊かで、勝手ながら、関西とは作風と相性がいいと、感じています。思っている事が、伝わっていて、いつも嬉しく思うばかりです。関西上映は、前から楽しみのひとつでした。」

東出さん:「関西のお客さんにはいつも、温かく迎え入れられている気がします。本当に、今日は温かい拍手で包んで下さったので、こちらとしても非常に暖かい気持ちにならせて頂きました。本日は、そんな上映でもありました。一人でも多くの人にこの映画を楽しんでいただけたら幸いです。」

映画『とべない風船』は、大阪府のシネ・リーブル梅田他にて、絶賛上映中。