「個々の問題として感じる事ができる」1月14日(日)、大阪府の第七藝術劇場にて行われた映画『二人静か』の舞台挨拶レポート

「個々の問題として感じる事ができる」1月14日(日)、大阪府の第七藝術劇場にて行われた映画『二人静か』の舞台挨拶レポート

2024年1月16日

©Tiroir du Kinéma

©坂本礼

現在、大阪府の第七藝術劇場で上映されている映画『二人静か』の舞台挨拶が、1月14日(日)に行われた。映画『二人静か』のあらすじは、出版社に勤める雅之と妻の涼子は、どこにでもいる平凡な夫婦だった。しかし5年前、当時5歳の娘の明菜が突然姿を消し、行方知れずになったことから、2人の生活は一変した。涼子は娘がいなくなった日、娘を預けていた父の丈志に恨みをいだくが、その父もいまは認知症が進み、母の初恵に介護されている。そして娘の行方不明を機に、雅之と涼子の夫婦仲もすっかり冷えきっていた。わずかな手がかりを求めて情報提供を呼びかける夫婦は、チラシ配布を手伝ってくれる女性・莉奈と出会う。涼子は子どものいなくなった心の穴を埋めるかのように、出産を控えた莉奈との交流にのめり込むが……。メガホンをとったのは、ピンク映画の現場で映画制作を学び、「乃梨子の場合」「夢の女 ユメノヒト」などの監督作で知られる坂本礼。涼子役に「夏の娘たち ひめごと」「カウンセラー」の西山真来、雅之役に「ぼっちゃん」「愛しのノラ 幸せのめぐり逢い」の水澤紳吾、夫婦の前に現れる身重の女性・莉菜役にNHK連続テレビ小説「まんぷく」、映画「わたしのお母さん」などで活躍するぎぃ子。行方不明になった娘を捜し続ける夫婦と、彼らの前に現れた若い女性の関係を中心に、不安な時代の不条理な運命に翻弄されながら生きる人々の姿を描いたドラマ。

映画『二人静か』は、1月13日(土)より大阪府の第七藝術劇場にて上映中。1月14日(日)の上映後、映画『二人静か』の舞台挨拶が行われた。この日は、本作を制作した坂本礼監督と出演の水澤紳吾さんとリモートで西山真来さんの3人が、登壇された。

©Tiroir du Kinéma

坂本監督は、「今回の映画『二人静か』は、7年8年振りの作品となります。前回、映画『夢の女 ユメノヒト』の時も大阪で上映して頂きましたが、今回も関西で上映して頂けたのは嬉しく思っています。夫婦の話を形にしたいと考えたのが、本作制作の始まりでしたが、結果的に時間はかかってしまいました。前作の撮影終了時から、直ぐに脚本を執筆していました。企画の立ち上げから多くの時間を要しましたが、今回、作品が形となって、皆さんに観て頂けて、感謝です。」と話をされた。

水澤さんは、「私自身、子どもができてから、この映画の見方が変わりました。今まで考えもしなかった事が、この作品を通して、頻繁に考えるようにもなりました。そういう意味では、子どもができた親の気持ちを理解できるに至ったのは、本作のお陰でもあると、今は実感しています。」と話をされた。

西山さんは、「妊活や夫婦について、また実際の事件について、様々な社会問題に触れてはいますが、大きな問題だけでなく、個々の問題としても色々感じる事ができます。今はまだ客観的に見れない側面もありますが、より個人に焦点を当てた大切な作品となりました。」と話された。

©Tiroir du Kinéma

映画『二人静か』は現在、1月13日(土)より大阪府の第七藝術劇場にて、上映中。また、2月9日(金)より京都府の出町座にて上映予定。兵庫県の元町映画館もまた、公開予定。