「主権者教育の導入を」12月8日(金)、大阪府のなんばパークスシネマにて行われたドキュメンタリー映画『NO 選挙,NO LIFE』の大阪先行プレミアイベントレポート

「主権者教育の導入を」12月8日(金)、大阪府のなんばパークスシネマにて行われたドキュメンタリー映画『NO 選挙,NO LIFE』の大阪先行プレミアイベントレポート

©Tiroir du Kinéma

©ネツゲン

12月16日(土)より大阪府の第七藝術劇場他にて公開予定のドキュメンタリー映画『NO 選挙,NO LIFE』の大阪先行プレミアイベントが、12月8日(金)に大阪府のなんばパークスシネマにて行われた。映画『NO 選挙,NO LIFE』のあらすじ。候補者全員を取材することを信条に、国政から地方選、海外までさまざまな選挙の面白さを伝えてきた畠山が、2022年7月の参院選・東京選挙区で候補者34人への取材に挑む姿に密着。1人で選挙現場を駆け巡り、睡眠時間は平均2時間、本業である原稿執筆もままならず経済的に回らないという本末転倒な生き方を続けてきた畠山は、同年9月の沖縄県知事選の取材を最後に引退を決意する。そんな彼が沖縄で出会ったのは、他の地域では見られない有権者の選挙への高い参加意識と、民主主義をあきらめない県民たちの思いだった。「なぜ君は総理大臣になれないのか」「香川1区」のプロデューサー・前田亜紀がメガホンをとり、「劇場版 センキョナンデス」の監督を務めたラッパーのダースレイダー率いるバンド「The Bassons」が音楽を担当。選挙取材歴25年のフリーランスライター・畠山理仁の情熱と苦悩に迫ったドキュメンタリー。

12月8日(金)の大阪先行上映後、『NO 選挙,NO LIFE』のプレミアイベントの舞台挨拶が行われた。この日は、本作を制作した前田亜紀監督とジャーナリスト兼フリーランスライターの畠山理仁さん、そしてスペシャルゲストとして、中学生でありながら、たった一人で日本の民主主義性を訴える日本中学生新聞を立ち上げた川中だいじさんの3人が、大阪先行プレミアイベントに登壇された。

日本中学生新聞の編集長で記者の川中だいじさんは、最近報道で取り上げられている政治家達の裏金資金問題というセンシティブな話題を振られて「僕としては、皆が民主主義を作って行くという認識が低いから、今起きている問題が浮上すると思っています。皆が、民主主義を作って行く過程で選挙が存在していると思っています。常日頃、国民がトップの政治家達を監視して、今政治がどんな状況に置かれているのか、日常的に認識していれば、今回のような事態は起きなかったと思うんです。今の日本人は、メディアをエンタメとして捉えて、政治のニュースに触れられない日々を送っているからこそ、この問題が起きてしまった背景があるんです。その点に関して、僕は教育にも問題があると考えています。今の学校教育は、個人の意見が言えない教育になっています。他者の意見と違えば、相手を否定していると言われる中、僕自身はその考えに対しては懐疑的です。今の学校教育には、主権者教育(※1)という教育方針がありますが、これは対話をして物事を解決し、新しい意見を作って行く教育方法ですが、教育現場はより積極的に主権者教育を導入すべきだと思っています。若い世代の段階から、導入する事によって、国民が政治家を監視する機会が増えれば、今回の問題は起きないと考えています。」と、今回の裏金問題に対して、学校教育における主権者教育を積極的に導入し、若い年齢から政治への参画を促す社会を作る必要があると話した。

また、ジャーナリスト兼フリーランスライターの畠山理仁さんは、選挙漫遊十箇条の話に及ぶと「選挙漫遊十箇条の中には、「応援する候補者ほど、厳しい目で見るべし」という教えがあります。それが、なぜかと突き詰めれば、僕自身が様々な選挙や候補者を取材して行く中、今の選挙に出ている方々は特殊な人が多いんです。選挙とは勝ち負けを争う競走の世界ですが、実は競争原理が働いてないと、僕は思っています。それが、なぜかと言いますと、投票率50%、もしくはもっと低い地域もありますが、多くの有権者が参加していない現状です。つまり、選手が少ない固定化されたメンバーの中での勝ち負けでしか争っていません。選挙には、競争原理が働いない中、当選している方達もまた、政界では自身が持つ考えに対して、何一つ汲み取れていない、と常々感じているんです。だから、日本の場合、応援する人達が政治家の方を神格化してしまい「先生、先生」と持ち上げてしまいます。そもそも、私達の代わりに、政治の事を専門にしてくれる代理の方という認識を、私達市民は忘れがちだと思います。結果的に、誰もが厳しい批判をしなくなり、競争のない社会で、尚且つ、批判も起きない環境があれば、待っているその先には堕落しかありません。だから、応援する候補ほど、厳しい目で見て、「もっと、ちゃんとしろ!もっと自分たちの言う事を聞け!」と応援する側が、厳しい条件の中でも勝ち抜けるような候補者を育てる必要があるから、候補者達を厳しく見て欲しいと、選挙漫遊十箇条の中に入れています。」と、候補者へは厳しい目を持って応援し、私達の力で応援していくよう話された。

最後に、本作の前田亜紀監督が「畠山さんが書かれた書籍「黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い」という本を拝読する中、私のまったく知らなかった選挙の世界が、豊かに溢れているのかと、驚きました。ぜひ、肩越しにカメラを置かさせて下さいとお願いして、本作が誕生しました。また、本作が初めて関西に上陸し、大阪で先行上映イベントが開催できました。この作品は、映画にしようか迷いました。映画を作った後に、作品を観て頂けるのか不安でした。難しい題材を選んでしまったのかも知れないと悩むと、常に大島プロデューサーが背中を押して頂き、映画化に漕ぎ着け、東京では皆さんから応援して頂きました。そして今、全国に向けての最初の一歩を迎えようとしています。」と作品の制作過程と今後の上映への意気込みについて話された。

ドキュメンタリー映画『NO 選挙,NO LIFE』は、12月15日(金)より京都府の京都シネマ。12月16日(土)より大阪府の第七藝術劇場、兵庫県の神戸元町映画館。また、来年2024年1月12日(金)より兵庫県の豊岡劇場にて上映予定。

(※1)主権者教育とは?意味や目的とこれからの受験への関わりについて簡単に解説https://www.meikogijuku.jp/meiko-plus/other/20220215.html(2023年12月11日)