「あの震災があの時終わったのではなく」8月19日(土)、大阪府のシアターセブンにて行われた映画『釜石ラーメン物語』の舞台挨拶レポート

「あの震災があの時終わったのではなく」8月19日(土)、大阪府のシアターセブンにて行われた映画『釜石ラーメン物語』の舞台挨拶レポート

2023年8月23日

©Tiroir du Kinéma

映画『釜石ラーメン物語』は、山と海に囲まれた岩手県釜石市のラーメン店「小川食堂」。東日本大震災で店を切り盛りしていた正恵が行方不明になってから、残された夫の剛志と次女の仲良が店を守ってきたが、客足はいまいちだった。そんなある日、3年前に家を飛び出したきり音信不通だった長女の正美が突然帰ってくる。厨房に立つ仲良に「お前にお母ちゃんの味は出せない」とダメ出しし、店を畳もうとまで言い出す正美。姉妹はぶつかりながらも、かつての母の味に迫ろうと、街の人々を巻き込み奮闘する姿を描いた映画『釜石ラーメン物語』は、8月19日(土)よりシアターセブンにて公開中。同日、上映中のシアターセブンにて、関係者による舞台挨拶が行われた。登壇者には、監督の今関あきよしさん、出演者の大島葉子さん、イラスト担当のヤマサキタツヤさんが、登壇された。

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上映後、監督の今関あきよしさん、出演者の大島葉子さん、イラスト担当のヤマサキタツヤさんが登壇され、舞台挨拶が行われた。撮影時の思い出に触れて大島さん は、「景色が、非常に美しかったです。楽しい現場でした。撮影時は、現地のパーマ屋さんをお借りして、実際の方々は優しくフレンドリーな方ばかりでした。」と話された。また、イラスト担当のヤマサキさんは、作品の制作段階からキャストすら決まっていない状態からイラストレーターとして参加された話に触れ「最初のイラストでは、タイトルの頭には、「喜劇」と付けていまして、最初の構想は喜劇を全面的に押し出す計画でした。また、よく見て頂いたら分かりますが、主人公の正実が手に持つ湯切りの網は、イラストによって、種類や形が違います。」と、絵によって雰囲気の違う作品を表現されたという。最後に、監督の今関あきよしさんは、大阪初日を迎えて「大阪の初日を迎える事ができ、本日来て頂いた方は、特別な想いを持っている方だと思います。ここから大阪をスタートして、名古屋も今日から始まりです。もっと、本作が広がって行って欲しいと、願っています。東北、九州でも上映があります。最初に、岩手で上映が始まり、東京、大阪、名古屋と、どんどん広がっています。もう既に、震災の事を忘れている方もおられると思いますが、もう少し立ち止まり、あの震災があの時終わったものではなく、今も続いていること。そして、人の気持ちにまだまだ残っているものがあります。」と、東日本大震災の背景について話された。

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                            ※本作のイラストは段階を踏んで4種類ある。

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映画『釜石ラーメン物語』は現在、関西では8月19日(土)より大阪府のシアターセブンにて、公開中。