「「飛行」とは「希望」のこと」9月23日(土)、大阪府のシネ・ヌーヴォにて行われた映画『難病飛行』の舞台挨拶レポート

「「飛行」とは「希望」のこと」9月23日(土)、大阪府のシネ・ヌーヴォにて行われた映画『難病飛行』の舞台挨拶レポート

2023年9月25日

©Tiroir du Kinéma 1日目の様子

©Tiroir du Kinéma 2日目の様子

©️垂水映画劇団

映画『難病飛行』は小学生時代に難病のデュシェンヌ型筋ジストロフィーという病気を発症した蔭山武史さんの実話に基づくドラマ。あらすじは、病気が進行し、次第に筋肉の機能が衰えていく症状に見舞われた小学校時代、病気の進行による歩行困難といじめに苦しむが、徐々に理解を得ていくが、養護学校へ転校する。新たな友人たちとの出会い、充実した日々を送る。 しかし、同じ病気を抱える仲間たちの中で、彼の周りで同級生が一人、また一人と亡くなっていく。本作は逆境を受け入れつつも、友情や勇気、希望を見つける蔭山武史さんの生活を描きながら、彼の人生を通じて生きるとは何かを描いた映画『難病飛行』は現在、9月23日(土)より大阪府にあるシネ・ヌーヴォにて現在、公開中。公開初日となった9月23日(土)は、上映中のシネ・ヌーヴォにて、関係者たちによる舞台挨拶が行われた。

©Tiroir du Kinéma

©Tiroir du Kinéma

上映後、本作『難病飛行』の監督を務めた八十川勝さんを始め、多くのキャスト、スタッフが登壇され、舞台挨拶が行われた。一通り、関係者による挨拶と作品への想い、出演時のこと、筋ジストロフィーに触れて感じたこと、撮影現場での思い出を語られた後、全体の総括、締めくくりとして、監督の八十川勝さんが代表として、本作や著書『難病飛行』を執筆した故蔭山武史さんへの強く熱い想いを語られた。八十川監督は「お亡くなりになってしまった以上、本人にハッキリと確認はできていない上、僕なりの勝手な解釈になりますが、「飛行」という言葉が持つ意味として、蔭山さん自身が、大空に羽ばたきたいという強い想いを持っていたのではと、僕は今、改めて気付かされました。彼は、この空を人物として、見上げている、そんなイメージを出会った頃から今日まで持ち続けています。大空に羽ばたきたいという「飛行」に対して、蔭山さんは「希望」を抱くような思いも持っていたんだと思います。」と話した。天国に旅だった故人である蔭山さんへの監督の情の深さが、希望という名の生きた証を本作の映像に落とし込んでいる。筋ジストロフィー当事者である蔭山さんのベッドからの熱い思いは今、確実に、若手の役者へと脈々と亡くなった今も必ず、引き継ぎ、受け継がれている。それが、命というもの、生きるというものだ。

最後に、監督の八十川勝さんは「この映画『難病飛行』は、皆様のご支援の元、完成し、今ようやく、上映という形で皆様に届ける事が叶いました。まず、作品に対する皆さんの感想を、知りたいと思っています。多くの方に知って頂き、SNSを通じて映画『難病飛行』を広めて、映画への感想を書いていただけると、大変嬉し限りいです。」と八十川監督は、難病を患いながらも、元気に力強く生きた蔭山さんのお姿を誇りにしつつ、筋ジストロフィーが日本社会によりもっと、今まで以上に認知されるよう、心から願っている。

映画『難病飛行』は現在、関西では9月23日(土)より大阪府のシネ・ヌーヴォにて、公開中。また、9月29日(金)より兵庫県のシネ・ピピアにて上映予定。