映画『stay』古民家を通して描かれる人と人の関わりの大切さを問う短編作品

映画『stay』古民家を通して描かれる人と人の関わりの大切さを問う短編作品

2021年9月6日
(c)Tiroir du Kinema

文・撮影 スズキ トモヤ

9月4日(土)大阪府のシネ・ヌーヴォにて、映画『stay』の藤田直哉監督と脚本家の金子鈴幸さんが初日舞台あいさつに登壇された。

山村の山奥にある一軒の古民家。

そこに集う数名の男女の生活がある日、一変する。

突然、退去のために市役所から尋ねてきた一人の男性職員。

たった39分という短さで語られるのは、SNSという存在だ。

古民家をSNSに、居住者をユーザーとして描かれる現代の短編不条理劇だ。

また、藤田監督は、今年の文化庁委託事業のndjc2021の若手監督として選出された今、最も注目すべき若手のホープだ。

本作の藤田直哉監督は「緊急事態宣言の中、ご来館して頂き誠に、ありがとうございます。

本作は、ジャンルものの作品ではないので、どう観ていいのか分からないという意見もありますが、そのような視点で観てもらえたのは、良かったと思っております。

金子さんは、完成を観て、どう思われましたか?」

脚本家の金子鈴幸さんは「脚本家としては、本作に登場する家全体が、主人公だと僕は思っております。

とても興味深い古民家でした。

この場所を発見したところからが、作品の始まりでもありました。」

藤田直哉監督「作品を作りたいというよりも、この家を撮りたいという感じたことを映像にするところからでした。」

金子鈴幸さん 「誰も住んでない空き家を0円で引き継いで、民宿を開こうとしている方がおられました。

古い日本家屋が改修されながら、新しく生まれ変わろうとしているのをドラマにすると、どうなるのかと考えた時、「入って行く人、出て行く人」という人の流れを最初に思い付きました。

忘れ去られいていく原風景が、新しく生まれ変わる様子を捉えようとしました。」

藤田直哉監督「脚本家の金子さんが、普段書くシナリオとは真逆でした。

エンタメやドラマが好きな金子さんと、その反対の僕です。

完成した作品を観てみると、比較的ドラマとして仕上がっているのが、驚きでした。」

と、それぞれコメントした。

映画『stay』は、本日9月4日(土) から大阪府のシネ・ヌーヴォにて現在公開中。また、京都府のアップリンク京都にて、9月17日(金)、9月19日(日)、9月21日(火)、9月23日(木)の4日間限定上映の予定。