「映画は社会を動かす事ができる大事なメディア」2月10日(土)、大阪府のなんばパークスシネマにて行われた映画『Firebird ファイアバード』の舞台挨拶レポート

「映画は社会を動かす事ができる大事なメディア」2月10日(土)、大阪府のなんばパークスシネマにて行われた映画『Firebird ファイアバード』の舞台挨拶レポート

©Tiroir du Kinéma

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現在、大阪府のなんばパークスシネマにて上映されている映画『Firebird ファイアバード』の舞台挨拶が、2月10日(土)に行われた。映画『Firebird ファイアバード』のあらすじは、1970年代後半、ソ連占領下のエストニア。役者を夢見る若き二等兵セルゲイは、間も無く兵役を終えようとしていた。ある日、セルゲイと同じ基地にパイロット将校のロマンが配属される。写真という共通の趣味を持つ2人はすぐにひかれ合い恋に落ちるが、当時のソ連では同性愛は法的に固く禁じられており、発覚すれば厳しく処罰されていた。一方、同僚の女性将校ルイーザもロマンに恋心を抱いていた。そんな中、セルゲイとロマンの関係を疑うKGB付きの少佐は、2人の身辺調査に乗り出す。ロシアの無名の俳優セルゲイ・フェティソフによる回顧録「ロマンについての物語」をもとに、ペット・ショップ・ボーイズ「Together」などのMV監督として知られるエストニア出身のペーテル・レバネ監督が映画化。セルゲイ本人とレバネ監督、劇中でセルゲイを演じるイギリスの俳優トム・プライアーが共同で脚本を手がけた。冷戦時代のソ連占領下のエストニアを舞台に、2人の青年の秘められた愛を実話に基づいて描いたラブストーリー。

映画『Firebird ファイアバード』は、2月9日(金)より大阪府のなんばパークスシネマ他にて上映中。2月10日(土)の上映後、映画『Firebird ファイアバード』の舞台挨拶が行われた。この日は、本作を制作したペーテル・レバネ監督と出演のトム・プライアーさんとオレグ・ザゴロドニーさんの3人が来日され、登壇された。

本作『Firebird ファイアバード』の制作経緯を聞かれたペーテル・レバネ監督は、「本作の制作経緯についてですが、ベルリン国際映画祭に出席した頃、ある一人の男性の方とお会いしました。彼は、本作の原作者である無名の役者セルゲイ・フェティソフさんですが、彼の自叙伝を渡され、帰宅後読んでみました。その時、本に目を通すうちに、涙が止まりませんでした。シンプルな物語ではありますが、非常に力強いラブストーリーでした。また、とてもユニークな物語には、ソ連や空軍のバックグラウンドの環境があり、非常に強い思い入れを感じました。」と話をされた。

トム・プライアーさんは、監督から映画化の相談を受けた時、どう思われたか聞かれて「まず、作品のスクリプトを監督から渡されました。そして、最初の感動や驚きは、「Wow」の一言でした。物語の中には、様々な要素がミックスされ、まずは軍隊。アクション要素がありつつ、美しいラブストーリーが展開されていました。その愛の物語は非常にユニークで、私自身、感銘を受けました。」と話をされた。

オレグ・ザゴロドニーさんは、自身の役柄ロマン役のオファーについて聞かれた。「どのようにオファーを受けたかというご質問でしたが、普通の普段と変わらない申し入れだったんです。多くの俳優、多くのプロデューサー、キャスティング・ディレクター達がいる中、どの役者を選ぶかという段階で、私が監督たちから呼ばれました。当日は、モスクワのホテルに呼ばれて、ディレクターやキャスティングメンバーの方々とお会いしました。まず最初に、脚本を読みましたが、その時点では英語が得意ではなく、練習をしてても、本番ではセリフが飛んでしまう時もありました。今でも戦争が起きている、ウクライナ、ロシアで作品の話し合いを重ねました。」と話された。

最後に、ペーテル・レバネ監督は、エストニアにおける本作の影響力について話された。「映画とは、非常に強いメディアだと思っています。影響力を持っているメディアが、人々の生活に影響を与える事は間違いありません。人々の経験や人生に影響与える存在だと信じています。多少でも、皆さんに影響があったと願いますが、実際にこの作品が始まったのは、2010年でした。議会のメンバー、弁護士、そして私達はロビー活動を通して、テレビ等にも出演して、ディベートを行ってきました。私達は、同性婚についてしっかり話し合いをし、人々に説明を繰り返しして来ました。少しずつ、皆さんからの理解を得られました。私は、男性女性が同じ悩みを抱えていると考えています。エストニアの社会の中で、同性婚について説明して行きました。時間をかけて、人々の理解を得られ、差別を少なくする事にも繋がって来たと思っています。エストニアでは、実際に同性婚が法律上で認められた事は、本当に驚きでありました。ロシアでも、同じような法律が認められています。また、今回の映画に関して、出来るだけ多くの方に観て頂きたいと思っています。この物語は非常に美しく、長いお話でした。その長い愛の歴史の中には、様々な障壁が存在しました。この作品では描けなかった事実もありましたが、皆さんには、この映画を観て、いつも思いやりを持って欲しいです。」と、本作がエストニア社会に与えた影響力、この作品が私達に与える生きて行く上で重要な事を教えてくれた。

映画『Firebird ファイアバード』は現在、関西では2月9日(金)より大阪府のなんばパークスシネマMOVIX堺。京都府のMOVIX京都。兵庫県のkino cinema 神戸国際MOVIXあまがさきにて公開中。また、全国の劇場にて上映永中。