延長上映が決まった映画『静謐と夕暮』の舞台挨拶のレポート

延長上映が決まった映画『静謐と夕暮』の舞台挨拶のレポート

2022年3月23日
Tiroir du Kinéma2022.3.15

3月15日(火)、大阪のシアターセブンにて、映画『静謐と夕暮』の舞台挨拶が、行われた。

この日は、若手監督の梅村和史さん、プロデューサーの唯野浩平さん、主演の山本真莉さん、ゲストとして映画『オーファンズ・ブルース(2019)』『BOLT(2020)』『CHAIN チェイン(2021)』など、また最新作『裸足で鳴らしてみせろ』で主演を務める佐々木詩音さんが、ご登壇された。

映画『静謐と夕暮』のあらすじは、川辺にやってききた女と見知らぬ黄色の自転車と川辺に座る男。数日後、女が住むアパートにそ男が越して来る。

毎夜、男の居室から聞こえる、ピアノの旋律に誘われ、その男の正体が気になり始める女。朝、あの黄色い自転車に乗って出掛けていく彼の姿態を追いかけようとする。

ある時、川岸で衰弱している老人に、ある原稿の束を渡す女がいた。そんなある日、隣室にいた少し胡乱な男が失踪する。

本作『静謐と夕暮』は、人の生死を閑静な語り口で綴った他では観られない類稀な作品だ。

この日、登壇された梅村監督は本作について

「この作品が生まれた経緯は、入学した当時にある先輩の製作した作品に影響を受けて、僕と唯野はこんな作品を作り続けようと話していました。

その先輩は僕らが在学中に突然亡くなってしまいました。卒業するまでに、その先輩にできる僕らなりの誠実な作品を残したいと思い、この作品の企画を立ち上げました。

ただ「死」という点において、僕らの「死生観」は青いものでもありました。

多くの関係者の方(先輩の関係者や自殺相談窓口の担当者)にインタビューを繰り返し、「死」と言う点ではなく、その方が生きていた証や事実、僕らのこれからを記憶して生きていくという多くの人の時間を映像の中に留めておきたいと思い、本作『静謐と夕暮』が生まれました。」と話された。

またゲストでご登壇された佐々木詩音さんは、本作について「作品が生まれた経緯をお聞きして、納得いった点が多々ありました。

観ていく中で「死」と「幸せ」はイコールな部分も持ち合わせ、表裏一体で存在しているものが、映像に映っていると思いました。

でも、映像と音がとてもクリアに感じ、その上、映像の奥行きが気になる場面もありました。

実は、僕はこの作品を鑑賞したのは、2回目でした。

初めて観たのは、2年前でした。1回目の時の印象は、「眠り」や「記憶」が強い作品でした。

今日観たら、「生きること」と「死ぬこと」、「幸せ」と「不幸」が、強く印象に残りました。」と、作品の感想を述べられた。

映画『静謐と夕暮』の唯一の物販である「静謐と夕暮 脚本集」が現在、販売中。

撮影前の脚本と完成後の脚本を掲載したシナリオ集。

初日で完売してしまったが、現在予約を受付中。

また、詳細は未定だが、映画『静謐と夕暮』は、同劇場シアターセブンにて、延長上映が決定している。