ドキュメンタリー映画『認知症と生きる 希望の処方箋』は、今後さらなる超高齢社会に突入すると言われる日本では、認知症の患者が増加する中で、特効薬のない認知症とどのように付きあって生きていくのかが問われている。本作では、まだあまり知られていない音楽療法にスポットを当て、名古屋の病院で働く2人の音楽療法士を取材。彼らは音楽によって認知症の人々の心を和ませ、患者本人のみならず周囲の人々も幸せにしていく。そんな高齢者たちの「今」を追ったドキュメンタリー映画『認知症と生きる 希望の処方箋』は、8月19日(土)より第七藝術劇場にて公開中。同日は、上映中の第七藝術劇場にて、関係者による舞台挨拶が行われた。登壇者には、監督の野澤和之さんとプロデューサーの田寺順史郎さんが、登壇された。
上映後、監督の野澤和之監督とプロデューサーの田寺順史郎さんが登壇され、舞台挨拶が行われた。日本での認知症における音楽療法を見つけて、作品を制作した経緯を聞かれた野澤監督は「制作経緯は、認知症が社会的な問題として、自分事として捉えました。自身が歳を重ねてから、どんな問題に直面するのかと考えた時、様々な問題に触れることができました。少子高齢化の問題、男女問題、戦争の問題、LGBTQの問題、数多くある社会的な問題から取り上げたのは、今回はガンに続いて認知症という病について、これについて作品を制作しました。その時が来ても、怖がらなくていいと、自分自身にも言い聞かせて、本作を制作しました。」と、作品の成り立ちについてお話された。映画の出来について話が触れ、単なる認知症映画ではなく、病気を患っても安心できる映画としても観れる作品であると。作品全体の作りについて質問を受けた監督は「僕らは予算の問題上、一年半しか追えていませんが、もっと予算があったら、もっと奇跡の瞬間を映像として表現できたと思います。」と、制作における可能性について話された。
最後に、監督の野澤和之さんは「処方箋シリーズは、過去にガンについて、そして今回は認知症について、そして次回作では、歩く処方箋について制作を始めています。この作品は、82歳でがんを患ったおじいさんが、青森から1000キロ歩く姿を追いました。この作品を処方箋シリーズの3作目の「歩く処方箋」という作品を作っています。テーマには、なぜ人は歩くのかという深い意味が込められてています。歩くことは、希望です。歩く希望の処方箋にしようと、考えています。」と、次回作の作品について話をされた。
ドキュメンタリー映画『認知症と生きる 希望の処方箋』は現在、関西では8月19日(土)より大阪府の第七藝術劇場にて、公開中。京都シネマは8月24日(木)まで。元町映画館は9月16日(土)より予定。