映画『ベルファスト』祖国を排斥されるのは、いつの時代にも起こりうること

映画『ベルファスト』祖国を排斥されるのは、いつの時代にも起こりうること

2022年5月4日

映画『ベルファスト』

© 2021 Focus Features, LLC.

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1969年8月に北アイルランドで起きた「血の金曜日」「ボグサイドの虐殺」を知っているだろうか?

これらの事件は、本作『ベルファスト』が作中で描いている暴動事件の名称だ。

ベルファスト含め他の地域で起きた事件を総称して「北アイルランド問題」と呼ばれる。

これは、1960年~1990年までの約30年間続いた紛争を指しており、本作はその一部の史実を映像化した作品だ。

監督は、近年ではアガサ・クリスティの原作小説を映像化し、成功を収めているケネス・ブラナー。

出演には、父親役のジェイミー・ドーナン、母親役のカトリーナ・バルフ、祖父役のキアラン・ハインズ、祖母役のジュディ・デンチ、そしてバディ役の子役ジュード・ヒルだ。

アイルランドを代表する精鋭揃いの顔ぶれを押さえた布陣、配置を考えると、百花繚乱の佇まいに魅了されるだろう。

本作の主役が一体、誰なのかと問われれば、この物語の中心人物は紛れもなくこの家族の子ども、バディだろう。

本作は、この少年の視点から描かれた「北アイルランド問題」を取り扱っている。

また、映画的観点から言えば、数年前にヒットしたタイカ・ワイティティ監督製作による映画『ジョジョ・ラビット』とまったく同じ設定で、物語が展開されている。

規模は違えど同じ戦争下、一人の少年の目線から語られる悲劇。悲壮感の欠片は一切持ち合わせておらず、ポップな音楽に乗せて瑞々しく描く手法は、まるで戦争映画ではなく、キッズ要素やドラマ要素の様相を纏っているようだ。

ただ、「ベルファスト」が抱える問題はとても根深く、アイルランドの歴史やIRA、またその土地の宗教が複雑に絡み合っている。

IRAとは、イギリスと独立闘争を行ってきたアイルランド人達が結成した武装組織で、アイルランド共和軍と呼ぶ。彼らの歴史は古く、組織を設立したのは19世紀の中頃だ。

20世紀初頭のIRAを題材にしたケン・ローチの代表作『麦の穂を揺らす風』は、記憶に新しい。

時代の波に翻弄された兄弟たちが、共に敵仇となって殺し合くう行く末に途轍もない無力感を植え付けられる。

歴史が辿った悲惨な戦争は、人々に大いなる影を落としただけでなく、一生癒えるはずのない悲しみや憎しみを心に落としていく。

IRAを題材にした作品は他にも、『デビル(1997)』『パトリオット・ゲーム(1992)』『HUNGER ハンガー(2008)』『死にゆく者への祈り(1987)』『クライング・ゲーム(1992)』『父の祈りを(1993)』『アンダーフィールド(1997)』『ジャッカル(1997)』『密告(1929)』『男の敵(1935)』『市街戦 (1936年)』『シャドー・ダンサー(2012)』『邪魔者は殺せ(1947)』『ブラディ・サンデー(2002)』『ブローン・アウェイ/復讐の序曲(1994)』『マイケル・コリンズ(1996)』『レクイエム(2009)』など、挙げれば枚挙に遑がない。

ここで紹介したこれらIRAを材に取った作品は、ほんのごく一部に過ぎず、日本国内に紹介されてない作品も含めれば、それはそれは膨大な数になるだろう。

© 2021 Focus Features, LLC.

そして、もうひとつ、北アイルランド問題で欠かせないのが、宗教間での問題だ。

複雑に絡み合った宗教上の縺れは、信仰とは縁遠くなった日本人には、到底想像もできないことだろう。

本作が題材とする問題は、北アイルランドの人口の3分の2にもなるプロテスタント系住民と少数派のカトリック系住民との間で起きた宗教的内紛。

宗教的対立や差別問題から生じたものだ。

(※1)欧州に位置するほとんどの国において、宗教抗争は17世紀頃に9割方、終熄したと言われている。英国に際しては、イングランドを始め、スコットランドやウェールズにおいて、キリスト教にも様々な宗派があるが、これらの違いが世人の問題にダイレクトに横槍を入れるようなことは減少しつつある。それでも、北アイルランドでは今日でも、カトリックとプロテスタントという基督教の二大宗派が居住者の生業、定住地、婚姻関係の領域、子ども達が通学する学び舎など、大衆的な暮らしの細部にまで明瞭に現れている。最も1968年以降、カトリック系住民の自由民権運動における苛斂が起首となり、両者の愚行と破壊工作はセクタリアニズム (宗派的排他主義)の実情を交えながら、 「トラブル」(Troubles) と呼ばれる猛然たる血の惨劇へと大きく躍進した。 90年代中頃、応急的に矛を収めることに成功している。「聖金曜日の合意」など、泰平に向けて勤しんでいるものの、当時の内紛は際限なく、泥沼状態が続ていた。また北アイルランド紛争とは、アイルランドの東北側に起立するアルスター地方の6州 (北アイルランド)の統治権と所属関係に関連した闘諍だ。 領土を有する正教性を提唱する英国とアイルランド共和国という二国間の画時代的相対をバックグラウンドにし、連合国家への宿存 (結合の存続) を求める数多のプロテスタントという新教派の市民と、アイルランドの一本化を要求する小数党のカトリック系市民が激しく敵対してきた背景がある。ただ、この戦争の後景には、植民者(プロテスタント)と被植民者 (カトリック)という歴史的事実に、両国の国民の貧富の差や社会階級における反目はもちろんのこと、リリジョン、 エスニシティ、アイデンティティ、カルチャー、トラディション、シンボルの違いというファクタも繁雑に仲裁している。たとえ、駁論をアイルランド共和国が南北に寸断された1921年以降に制約を掛けても、「アイルランド紛争」の意味を単なる領土問題と考えることは、到底できないはずだ。


一筋縄ではいかない「北アイルランド問題」の戦火で育ったケネス・ブラナー監督にとって、この内紛は彼の人生に大きな黒い影を落としたのだろう。

監督が幼少期に体験した国内紛争は、彼のどこに影響を与えたのだろうか?

監督は、あるインタビューにて、自身の生い立ちとアイルランドの関係性について、語っている。

(※2)「ベルファストはいつも、私を呼んでいる場所です。ただ、私のキャリアの最初の数年、私がアイルランドの移民という感覚が、私がいる業界では、さほど左右していたとは思えませんでした。2011年に帰郷した時、私自身の中で解決していないアイルランド人としての、アイデンティティへの危機がありました。アイルランドとアイルランド人は、故郷との関係において、私たちが持つ多くの愛郷心を意義付けています。それは何らかの方法で解決する必要があります。私にとって、この映画を作ること自体が、郷里に対してより率直なやり方で帰還するチャンスだと思いました。」

“It’s been a place that calls to me all the time, even though really after the first few years of my career I don’t think the larger world had any sense that I was even from there. When I went back in 2011 I still felt as though there was a sort of identity crisis that was unresolved. Ireland and the Irish define so much of themselves in relation to home – it needs to be settled in some way. And I think making this film is a chance for me to go home in a sort of more honest way.”

長年、シェイクスピアの戯曲を映像化したり、英国俳優として活躍し、近年ではアガサ・クリスティの原作を再映像化するなど、大きく活躍の場を広げている。

一方で、幼い頃にベルファストを追われ、見知らぬ土地、イギリスに移り住んだ苦い経験を長い間、監督は引きずっていたのだろう。

本作の製作を通して、今まで味わってきた苦心を断ち切ろうとしたのだろう。

居住地を追い出され、安住地を探し求める心境は、恐らく当事者にしか理解できない苦悩や葛藤が、幾年にも重なり、累積したものだろう。

住み慣れた土地を離れる悲しみは、想像できないからこそ、この作品を通して、少しでも理解が広がればと、願う。

© 2021 Focus Features, LLC.

また本作において、注目したい人物は、2022年のアカデミー賞にて助演男優賞にノミネートかれたベテラン俳優のキアラン・ハインズ。

彼は元々、舞台俳優で、著名な演出家の演劇で演じてきた人物でもある。

古くは、70年代後半から舞台に立ち続けているアイルランドを代表する俳優だ。

ベルファストにあるクイーンズ大学の法学部で法律を学んでいたが、俳優になりたいと決心した彼は、クイーンズ大学を中退後、ロンドンにある王立演劇学校に再入学している。

映画俳優としては、1981年の冒険ファンタジー映画『エクスカリバー』への出演を契機に、およそ40年以上という息の長い役者人生を送っている。

他の代表作では、映画『コックと泥棒、その妻と愛人』や映画『ロード・トゥ・パーディション』映画『ミュンヘン』など、アイルランドやイギリスに関わらず、米国でも活躍している国際的俳優だ。

彼は、2020年に刊行されたアイルランドの日刊大判新聞(もしくは、オンラインデジタル出版物)『The Irish Times list of Ireland’s Greatest Film Actors』内において、アイルランドの最も偉大な俳優として31位に選ばれた経歴を持つ。

また、彼の出身地は、監督ケネス・ブラナー同様、ベルファストの出だ。

本作の出演に際し、「故郷ベルファスト」について、こう言葉を残している。

(※3)「世界は本当に、アイルランド紛争が再び勃発することを望んでいません。 もし戦争が始まれば、私は絶望するでしょう。 しかし、私たちが知っているように、燧石を打つには、一度の試合だけで十分です。 数年以内に、英国の国民が意味を理解し、ヨーロッパに戻る(EU離脱の解除を切望)ための投票を期待しています。 それは、降伏ではありません。 事態は思っている以上に、時間がかかるかもしれないことを理解した上で、忍耐を持ち、これからの世代のために、EUへの結合が何を意味するのかを先読みする必要があります。」

“World really don’t want things to break out again. I would despair if they did. But as we know, it only takes a single match to strike a tinderbox. I’m hoping that in a few years’ time, the British public will see sense and vote to go back into Europe. It’s not about surrendering. It’s got to do with understanding that things might take longer than you think, and having patience and thinking further ahead to what it means to generations to come.”

2020年12月に発表されたイギリスのEU離脱の政治的話題を絡ませながら、故郷ベルファストへの想いを話したキアラン・ハインズ。

監督のケネス・ブラナーも同様、彼らはベルファスト出身で、生まれ育った幼少期もちょうど同時期だと言う。

でも、当時の彼らは出逢うことはなかったと言うが、街の通り、ショッピングモール、アーケード、劇場のどこかですり違っていたのかもしれない。

あの「アイルランド紛争」という激動の時代を子供世代に生き抜いた彼らだからこそ、この作品からその当時の悲劇を体現する表現力があり、説得力があるのだ。

観る側に「何か」を考えるきっかけを作ってくれているのは、確固たるものだ。

© 2021 Focus Features, LLC.

本作には父親役のジェイミー・ドーナン、母親役のカトリーナ・バルフ、祖母役のジュディ・デンチなど、アイルランド、英国を代表する演技派俳優が出演しているが、その中でも最も注目すべきは、子役として映画デビューを果たしたジュード・ヒルだ。

彼は、ケネス・ブラナー監督の幼少期の経験に基づいた本作の監督自身の分身とも呼べる主人公の少年役バディを瑞々しく演じた。

ヒルは、ダウン州アーマの村、ギルフォードで生まれ、4歳の頃からボータダウンのシェリーローリースクールの演劇クラスにて、演技の勉強を始めた。

本作では、オーディションを通して300人の子役から選ばれた子役の中では注目株だ。

出演が決まった時は、9歳。撮影中に10歳を迎え、映画が公開された201年頃は11歳になっていた。

この作品で注目を浴びる次世代の役者だが、彼はこの他に北アイルランドのベルファストとアイルランド共和国のダブリンで開催される国際的な子供向け映画祭CineMagicで上映された第二次世界大戦を題材にした短編映画『Rian』にて、タイトルロールのRian McMurphyを演じた。

また、英国の作家Anthony Horowitzが執筆した小説『Magpie Murders』をドラマとして映像化した6部構成のテレビ・シリーズの主要俳優として、Sam Blakiston役で4エピソード出演している。

他に、TBAではあるものの、映画『Mandrake』という過去に有名となった悪名高い連続殺人犯の老婆の介護をする一人の女性を描くホラー作品に出演していることが、判明している。

また本作『ベルファスト』のインタビューで、ヒルは役柄について、こう話している。

(※4)「監督は、戦時下の状況にいるバディを演じる上で何をすべきかについてたくさん話をしてくれました。この映画は実際、彼の人生についての自伝ではありませんが、自身の生い立ちをより感動的にするために、子供の頃の物語からいくつかの要素を挿入しています。 オーディションのプロセスはかなりハードでしたが、僕はオーディションが大好きでした。5つの異なる課題があり、最初の3つはZoomでした。僕がケネス・ブラナー監督と初めて話したのは、オーディションの時でした。彼は、本当に素晴らしい人だと感じました。監督とは、撮影の1週間前に会い、テーブルに座って素敵なお喋りをしました。誰もが自分が誰で、どのような役割を果たしているかを共有しました。作品の出演者たちでもあるカトリーナ・バルフ、ジェイミー・ドーナン、デイム・ジュディ・デンチ、ケネス・ブラナー、キアラン・ハインズらと、作品について議論をしました。彼らは皆本当に素晴らしい人々で、今では本当に良い友達です。 僕たちは多くのことを学んだことを覚えています。映画で発するセリフについてチャットし、リハーサルをしました。達成するのが少し難しいかもしれないいくつかのシーンのために、ネット上でリハーサルを繰り返しました。 また、僕とバディは、かなり近い関係だと思います。なぜなら、僕たちは両方とも同じ性格です。異なるのは僕らが応援するサッカーチームが、違うことだけです。僕は個人的にサッカーチームのリバプールをサポートしていますが、バディはトッテナムをサポートしています。」

“I remember, Kenneth told me a lot of stories about when he was younger and what Buddy would do in those situations. The film isn’t really an autobiography about his life, but he does insert some things from his childhood into the film just to make it more climactic. The audition process was quite intense but I loved it. There were like five different callbacks and  I think the first three were on Zoom. Then the last three were in real life. The first time I spoke with Kenneth Branagh was on one of the callbacks. I  just felt like he was a really great guy. You could sit down and have a chat with him about anything.We met one week before filming and sat down at a table and had a nice chat. Everyone shared who they were and what part they were playing. It was Caitriona Balfe, Jamie Dornan and Dame Judy Dench , Kenneth Branagh, Ciarán Hinds. They’re all really great people and really good friends of mine now. I remember we did a few sing-alongs and a bunch of other different things; I liked singing together just for fun. And we’d chat and rehearse over some of the lines that we would be doing in the film. Like for some of the harder scenes that might be a bit more difficult to fulfill.I think I sort of relate to being Buddy a lot, because we both have the same personality and the only thing that’s different is the soccer teams that we support. I personally support Liverpool (the football/soccer team) and in the film, Buddy supports Tottenham at first.”

ジュード・ヒルは、この地域に住む少年らしくサッカーが好きと言う子どもらしい一面も持ち合わせつつ、幼い頃から培った役作りを、監督や出演者との話し合い、動画や過去の資料から読み解く力を既に備わっている稀有な存在だ。

別の作品にも出演している経緯を考えても、今後ますます活動の場が広がっていくことだろう。

これから、彼の活躍に一挙手一投足、目が離せない子役として足場を固めて行って欲しいところだ。

© 2021 Focus Features, LLC.

本作において、忘れてはいけないのは、劇中で流れるスコアにも耳を傾けたい。

英国を代表するシンガー、ヴァン・モリソンの楽曲を中心に構成された音楽群は、この作品の裏の主役と言っても過言ではない。

ヴァン・モリソンは、1945年生まれで、彼が19歳の頃の1969年に「ゼム」というバンドを組み、フロントマンを務めた。

当時イギリスで隆盛を図った音楽ジャンル、ブルー・アイド・ソウルのアーティストとして高い評価を受けていた。

その後は、ソロに転身し、現在に至る訳だが、彼の出生地もまた「ベルファスト」だ。

ヴァン・モリソンもまた、この作品が題材としている「北アイルランド問題」の犠牲者の一人なのだろう。

本作が、使用する楽曲は多岐に渡り、ヴァン・モリソンの代表曲を中心に、Ruby Murray、Cyril Mockridge、Love affairなど、英国(もしくはアイルランド)を代表するシンガーの楽曲を使用しているのは、作品に対する拘りを窺い知ることができる。

また、ケネス・ブラナー監督が、幼少期に出会ったであろう映画音楽が、劇中を彩っているのも本作の見どころだろう。

Alexander Courageの『Star Trek Theme』や西部劇『ハイ・ヌーン』のテーマソング、ミュージカル映画『チキ・チキ・バン・バン』のシャーマン兄弟による主題歌、『Cosmic Sequence, The Pteranodon from one million years B. C. 1967』などが、フィーチャーされている点に、監督自身がどんな映画に影響されたのか、よく分かる。

まさに、映画音楽から知ることができるケネス・ブラナー自身の「半自伝的」作品という位置づけができる。

ヴァン・モリソンの楽曲中心に、以下で紹介しておく。

Van Morrison Down To Joy

Van Morrison Caledonia Swing

Van Morrison のBright Side of The Road

Van Morrison Warm Love

Van Morrison Jakie Wilson Said

Van Morrison Stranded

Van Morrison Days Like This

Van Morrison Carrickfergus

Van Morrison And The Healing Has Begun
Ruby Murray Real Love
Dimitri Tiomkin and Ned Washington The Quarrel
Dimitri Tiomkin and Ned Washington Do Not Forsake Me
Richard M. Sherman & Robert B. Sherman Chitty Chitty Bang Bang
Love affair Everlasting Love
Cyril Mockridge Polly Wolly Doodle

最後に、本作『ベルファスト』は、一人の少年の視点から描かれる「北アイルランド問題」の内側に迫った半自伝的作品だが、映画的には山場があったり、派手な場面がある訳ではない。

アイルランドの宗教紛争を作品の要素にしている反面、物語の主軸そのものは、一人の少年の成長物語という様相を纏っている。

ただ少し、ネタバレになるかも知れないが、アイルランド問題の史実を目にすれば分かることでもあるが、作中に登場する主人公の家族たちは皆、祖国の戦火に追われ、故郷を捨て、英国に移り住むところで話は終わる。

生まれ故郷を逐電せざるを得ない環境は、このアイルランド問題だけに留まらず、どの時代にも、どの地域でも、起こり得ることを胸に留めておきたい。

昨今、ロシアによる軍事侵攻が始まったウクライナの市民たちもまた、ウン10万人単位で、住む場所を失くし、祖国を追われ、移住を余儀なくされている現状は、本作『ベルファスト』に登場する家族たちと全く同じ構図だ。

「北アイルランド問題」は、1960年代に起きた史実で、遠い昔の事件かも知れないが、全く同じ事が、時代を越えて、どこの国でも起きることを忘れてはならないだろう。

© 2021 Focus Features, LLC.

映画『ベルファスト』は、全国の劇場にて、絶賛公開中。

(※1)「北アイルランド紛争における「宗教」 の位置」16行目から31行目まで。https://drive.google.com/file/d/1EkVCCSJDBZNY34qNX7QXv5PCxLy02WGG/view?usp=drivesdk(22年4月30日)

(※2)Kenneth Branagh: “Making ‘Belfast’ was a chance for me to go home”https://www.nme.com/features/film-interviews/kenneth-branagh-making-belfast-was-a-chance-for-me-to-go-home-3136189(22年4月30日)

(※3)Kenneth Branagh and Ciarán Hinds: Belfast boys on growing up across the dividehttps://www.theguardian.com/culture/2022/feb/06/kenneth-branagh-and-ciaran-hinds-belfast-boys-on-growing-up-across-the-divide(22年5月2日)

(※4)An Exclusive Interview with a Lead Actor Jude Hill on “Belfast”https://cinemadailyus.com/interviews/an-exclusive-interview-with-a-lead-actor-jude-hill-on-belfast/(22年5月2日)