映画『チケット・トゥ・パラダイス』「パラダイス」が示唆するもの

映画『チケット・トゥ・パラダイス』「パラダイス」が示唆するもの

最高にハッピーでトロピカルな旅行映画『チケット・トゥ・パラダイス』

© 2022 Universal Studios. All Rights Reserved.

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愛する娘の門出を妨害する親が、本当にいるのだろうか?

そんな前代未聞の大捕物が展開されるコメディ映画『チケット・トゥ・パラダイス』が、11月3日(木)から全国公開が始まる。

タイトル『チケット・トゥ・パラダイス』には、どのような意図が、込められているのだろうか?

それは、作品のラストで種明かしされる物語構造になっている。

過去の苦い経験を愛娘だけにはして欲しくないと、20年前に若年離婚を経験した中年夫婦が、異国の地でひと騒動起こす姿を描く。

若年離婚とは、言葉の通り、若い時分に夫婦が離婚してしまう現象を指す単語だ。

この物語に登場する夫婦は若いうちに結婚し、子どもが産まれてすぐ、双方の同意の元、離婚に至っている。

(※1)若年離婚には、大きく分けて6つの要因があると言われている。「①お互いに収入が少ない。②結婚した理由が「できちゃった」③勢いで結婚してしまった④お互いに精神的に子供⑤性欲が強く浮気しやすい⑥「なら早めに」と」離婚を決める代表的な理由が、この6項目。

一方で、若年結婚もまた、様々なメリット、デメリットがある事を覚えておきたい。

20代前半、20代後半での結婚でさえも、その違いは劇的に違いがある。

(※2)「20代の結婚は早い? 20代で結婚した人の割合とそのメリット・デメリット」では、その違いについて、より詳しく説明している。

参考程度に、一度目を通して欲しい。

とても興味深い結果として、記載されている。

若年結婚は、その時の雰囲気に押されたり、子どもが「デキてしまった」という様々な背景が大いに影響されている。

ただ、日本国内での若年結婚の割合は比較的低く、20代前半での結婚は平均より少ない。

平均は、男性は30代前半、女性は20代後半での婚姻が、とても一般的と言われている。

ここに、高い関心を持ちたくなる若者世代の結婚に対する意識調査を行ったデータを、(※3)「若年層の“結婚・離婚に関する意識調査”発表 「結婚することが前提にある社会の空気に疑問」」としてニュースにした記事がある。

この調査では、「将来、結婚したいか?」「同性婚は認められるべきか?」「離婚をしてもいいと思うか?」の3項目に対して、若年層の20代を中心に、アンケートを行っている。

この結果こそが、将来の結婚観に対する指針にしても良いのかもしれない。

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ただ、結婚するにしても、離婚するにしても、書類上の手続きから感情的側面など、様々な事を考慮すると、本当に複雑でもある。

そんな込み入った題材を、軽快なコメディへと昇華させたのが、本作『チケット・トゥ・パラダイス』だ。

腹を抱えて笑う喜劇ではなく、少しウィットに飛んだ笑いが目立つ本作は、複雑怪奇な結婚・離婚という要素を、比較的ライトに取り込んでいる。

本作の主人公には、ハリウッドを代表する大物俳優のジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツが出演しているが、彼らはこの作品ではプロデューサーとしても携わっている。

彼ら二人の最初の出会いを聞かれて、ジョージ・クルーニーは、

(※4)“We met, sat down with Steven Soderbergh. When we started working, we sat on the floor of a hotel and made jokes for about 5 hours. We did said, okay, let’s start. Yeah, it was I mean, for us it’s always been fairly easy, you know. And so when you get sent a script and you just go, I mean, I remember after you said it to both Julia and I at the same time and I called Julia. Of those. Have you read this yet? Because I’m reading right now and I said it only works if you do it. And she said, save that year. And then, you know, luckily it worked out. So it was, I think we were very lucky in that sense. But, you know, it’s fun to work with friends…”

「私たちはスティーブン・ソダーバーグに出会った所からの知り合いなんです。彼の作品『オーシャンズ11』からです。私たちはホテルで約5時間談笑しました。私はジュリアに電話したことも、覚えています。「あなたは、シナリオを読みましたか?私は今読んでいます。」と。そういう意味で、とても幸運でした。友達と一緒に仕事するのは、本当に楽しいです。」と。彼らの出会いは、ソダーバーグ作品『オーシャンズ11』から遡る事ができる。

また、共演を果たしたジュリア・ロバーツはインタビューにて、人々に人生からの休暇を与えるために本作を製作したと。撮影自体は、その目的に沿えていたか聞かれ、

(※5)“It did. I mean, it’s always to make people laugh. I mean, I think George and I are both really motivated by making people laugh. And it was our great joy whenever we would do something where we could hear all laughing across the set at the monitor and we thought, Okay, yeah, that’s great. We’re going to move on now. And so you had to work in an environment like this was really joyful. And to be on an island with no place to run, we got to spend really sweet time all together getting to know one another and just sharing that space in a really unique way, which was, you know, something that isn’t always afforded when you’re kind of going home to your regular life every day after work.”

「私は、常に人々を笑わせるために、役者をしています。つまり、ジョージも私も、人々を笑わせることが、演技へのモチベーションになっています。そして、セット全体で笑い声が聞こえる時は、私たちの大きな喜びです。だから、このような環境で仕事をして、非常に嬉しかったです。ただ今は、コロナ禍など辛い状況だからこそ、笑いを提供できればと、本作に出演しました。」と、本作の製作目的と自身の目的が、合致しているかについて、答えている。

更に、監督のオル・パーカーは、本作のシナリオがジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツのために当て書きされた作品か質問を受けて

(※6)“You’re entirely right.  I wouldn’t be sitting here. We wouldn’t have made the film if it wasn’t for them.  I’d still be writing letters saying “You don’t understand this needs to be you!” It was conceived for them and written for them.  I begged them to do it.”

「その通りです。彼らがいなかったら、私たちは映画を作っていませんでした。私はまだ「この作品には、あなた方が必要だ!」と手紙を書きました。本作は彼らのために考案され、彼らのために書きました。」と話す。

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本作『チケット・トゥ・パラダイス』が、産み出された背景には、偶然とは言い難い、様々な奇遇な出会いがあったからだと示唆される。

また、ジュリア・ロバーツの役者としての作品や観客に対する意気込みも、垣間見ることができる。

作品が製作されたバックグラウンドには、コロナ禍で疲弊した人々が、本作を通してもう一度笑って欲しいと願うJ・ロバーツの姿が、そこにある。

最後に、タイトル「チケット・トゥ・パラダイス」には、どんな願いが込められているのか。

本作が言わんとすることは、リゾート地の物理的な「楽園(パラダイス)」を指しているだけでなく、精神論の世界から「楽園(パラダイス)」を推し量ることもできる。

本作『チケット・トゥ・パラダイス』は、意固地にならず、ケンカばかりしないで、他人を尊敬し、互いを認め合い、罵り合わず、自らの力で意識し、努力することで、真の「楽園(パラダイス)」を産み出す事ができると、本作が教えてくれている。

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映画『チケット・トゥ・パラダイス』は11月3日(木)より関西では、大阪府の大阪ステーションシティシネマTOHOシネマズ梅田TOHOシネマズなんばTOHOシネマズ鳳TOHOシネマズ泉北TOHOシネマズくずはモールTOHOシネマズ セブンパーク天美イオンシネマ茨木イオンシネマ大日MOVIX八尾109シネマズ大阪エキスポシティイオンシネマ四條畷あべのアポロシネマ。京都府のイオンシネマ京都桂川T・ジョイ京都TOHOシネマズ二条MOVIX京都。兵庫県の109シネマズHAT神戸OSシネマズミント神戸MOVIXあまがさきアースシネマズ姫路TOHOシネマズ西宮OSシネ・ピピアTOHOシネマズ伊丹。奈良県のシネマサンシャイン大和郡山TOHOシネマズ橿原。滋賀県のイオンシネマ近江八幡。和歌山県のジストシネマ和歌山にて、絶賛公開中。また、全国の劇場でも上映中。

(※1)若年離婚する6つの原因|若年離婚を回避する方法と意外なメリット4っhttps://ricon-pro.com/magazine/67/(2022年11月1日)

(※2)20代の結婚は早い? 20代で結婚した人の割合とそのメリット・デメリットhttps://onet.co.jp/marriage_column/2629.html(2022年11月2日)

(※3)若年層の“結婚・離婚に関する意識調査”発表「結婚することが前提にある社会の空気に疑問」https://www.crank-in.net/trend/life/116592/1(2022年11月2日)

(※4.5)George Clooney, Julia Roberts + More Attend The Press Conference For TICKET TO PARADISEhttps://www.thefancarpet.com/interview/george-clooney-julia-roberts-kaitlyn-dever-billie-lourd-more-attend-the-worldwide-press-conference-for-ticket-to-paradise/(2022年11月3日)

(※6)Interview – George Clooney, Julia Roberts and the cast and crew of ‘Ticket To Paradise’https://novastreamnetwork.com/movies/interview-george-clooney-julia-roberts-and-the-cast-and-crew-of-ticket-to-paradise/(2022年11月3日)