ドキュメンタリー映画『人生ドライブ』「この後も私たちの道のりはずっと続いて行くんだなぁ」城戸涼子監督、岸信子さんインタビュー

ドキュメンタリー映画『人生ドライブ』「この後も私たちの道のりはずっと続いて行くんだなぁ」城戸涼子監督、岸信子さんインタビュー

2022年7月3日

ある家族の21年間の人生を追った奇跡のドキュメンタリー映画『人生ドライブ』城戸涼子監督、岸信子さんインタビュー

©2022 KKT熊本県民テレビ

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—–本作『人生ドライブ』が、ドキュメンタリー映画として生まれた経緯を教えて頂きますか?

城戸監督:元々、岸さんは、私たち熊本県民テレビのテレビ放送のために取材をしていたご家族です。

熊本のローカル番組、全国ネットだと日本テレビ系の朝の情報番組「ズームイン!!SUPER」や深夜の「NNNドキュメント」、古い番組だと「スーパーテレビ情報最前線」などで、放送していました。20年以上に渡って、取材を続けさせてもらっている中で2年前、私たちの会社が開局40周年を迎えることになりまして、社内での企画の募集がありました。

その時に、私ともう一人、岸さんを長く取材していたディレクターが、ドキュメンタリー映画化を提案しました。

結果的には、その企画が採用され、本作が生まれました。

—–映画化にして、正解だったと思います。

城戸監督:そうですね。CMを挟むなど、時間の制限があることが前提でした。

長くインタビューをしても、切り取って繋ぐ編集をさぜるを得なかったんです。

その状態ですと、私たちの意図も当然、入ってしまいますし、その時の空気感そのままをお伝えすることができなくなってしまいます。

ですが今回、映画化した時に、インタビューにしても、撮影した映像にしても、できるだけ切り刻まずに、その時起きたことをなるべく、映像の中に落としこんでいけるようにという意識をして、編集をしました。

当然、20年以上取材をしておりますので、入らないシーンもたくさんあります。

短く刻んで、何もかも映像で観せるよりも、ある程度絞ってでも、切り刻まずに、そこのブロックのパートを感じて貰えたらと思いました。

その部分は慎重にもなり、気を付けたところでもあります。

車の中のご夫婦の会話でも、ほとんど切ってないんです。短い編集はしていなくて、できるだけそのままの、自然体を心掛けました。

あのシーンは、限られた時間のテレビ放送では、纏まって使うことは出来ませんので、その部分は映画化して、実現できたので、良かったと実感しております。

©2022 KKT熊本県民テレビ

—–結婚前から「大家族」という生活を想定されていましたか?また、ご家庭の中にカメラが入ることに対する戸惑いなど、ございましたか?

信子さん:最初から「大家族」は、まったく想像していませんでした。

ただ、もしも、恵まれることがあれば、「大切に育てようね」って、二人で話していました。

そしたら、たまたま、たくさんの子どもたちに恵まれただけなんです。

だから、最初から十人目指そうなんて、特にありませんでした。

—–確かに、そうですよね。

信子さん:上の三人は、年子で生まれて、大変な一面も少しありましたが、その後はどの子を授かっても、嬉しさしかありませんでした。

家庭にカメラが入ってくることは、楽しかったです。

一番最初は、熊本県民テレビでは、なかったんです。他局のテレビクルーの方が、来られていました。

その時は、生まれて初めてだったので、本当に家族中で大盛り上がりしました。

家中掃除して、外の草刈りもして、シーツも全部、新しいのに新調したんです。

テレビカメラがやって来ることに、めちゃくちゃ緊張しましたし、大騒ぎで、実際に放送された時、テレビの前で家族全員が正座して、ワクワクしていたんです。

今か今かと待っていたら、私達が買い換えたパジャマもシーツも一切出なかったし、苦労して刈った庭も出なかった上、片付けが終わってないところしか放送されなかったんです。

「えー!!」って、感じだったんです。幾ら頑張って取り繕っても、無理なんだと、その時すごく実感した経験でもありました。

その後、何度か他局に出演する機会も頂きまして、ご縁があり、熊本県民テレビさんにお世話になりました。

正直、私たちの家には、ビデオカメラなんてありません。ホームビデオを撮ってもらっているような感覚だったんです。

スタッフさんが温かい感じで来て頂き、子どもたちとも仲良くしてもらいました。

最初は女性のディレクターさんで全然、気を使うこともなく、ホームビデオで家の中を撮影してもらってるような感覚でした。

それで、テレビで放映されるんですけど、すごく嬉しかった事を覚えています。

長いシリーズになるとは、その時は一切思ってもなかったのですが、たまたま続けて頂けるだけで、感謝です。

また、子どもたちの節目節目にも触れて、入学式や卒業式、運動会やお正月やクリスマスなど、イベント毎に来て下さり、その時の様子をテレビに出して頂けるのが、本当に感謝でいっぱいで…。

編集はしてあるし、音楽は入っているし、ナレーションは付いているしで、我が家のホームビデオをこんなに素敵なモノにして頂けたのは、家宝でしかありません。

当時、頂いていたテープも、家宝にしておりました。こんなにも続くとは思っていませんでしたが、家族にとってのすごく大切な記録や思い出を、プロの方が時間を掛けて、頑張って作ってもらえたことが、感謝でしかありません。

—–正直、観ていて羨ましく感じました。お子様の小さい頃の記録がちゃんと、残っている事に不思議と嫉妬心を抱かざるを得ませんでした。こうして形として、自身の幼少期を20年後に振り返れる今の環境が、すごく羨ましい半面、貴重で大切な作品かなと思います。

信子さん:出来上がってみてから、改めて思いました。火事の場面もあったかと思いますが、火事前の家も映画に出てきます。

当時のモノや家の間取りが映像として残っているから、本当にありがたい気持ちでいっぱいです。

子どもたちも間取りを覚えていて、会話のネタになったのも、すごく良かったです。

そういうことって、なかなか無くて、あんなにも多くの家族の記録が残して頂けている家族は、とても有難い限りです。

テレビが来たお陰で、普段出来ないような事がたくさん出来たことにも、感謝ですし、とてもいい思い出です。

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—–女性として、人として、岸さんに対して、尊敬できるところは、ございますか?

城戸監督:本人を目の前にして恥ずかしい話ですが(笑)、男か女かは関係はありません。

女性としてと言うよりも、まず人として尊敬するところがたくさんあり、信子さんと接していると例えば目の前で起きたことをどんな風に受け止めるのかによって、目の前に広がっている世界の見え方が、変わってくるんじゃないのかなと感じることが多く、最近よく映画の関係者に話します。

まさに火事が起きた時ですよ。どん底に打ちひしがれて、何もかも無くなってしまったと受け取るのか、命が助かって良かったね、と受け取るのかで、考え方も変わってくると思うんです。

目の前で起きた事実を、どんな風に捉えるかによって、物事の受け取り方も変われば、自分の気持ちも変わるし、どんな気持ちで明日を迎えるかによって、その先の人生は変わっていくんです。

そういう意味では、20年間の映像を改めて観てみると、目の前に起こったことを、前向きに捉えられれば、大変なことは大変なこととして、だけで終わらないと思います。

信子さんに一昨年、インタビューした時「大変なことも、苦しいことも、その先の幸せの入り口って分かってるから、少々腑に落ちないことがあっても、ただ頑張る」って、映画の中でも使っている言葉のお話ですが、あれがすべてなのかなと、思わざるを得ないんです。

私も、いつも明るく生きている訳ではありませんので、落ち込む時もありますが、そういう時に、あの言葉、あの考え方が自分を奮い立たせてくれます。

前向きな気持ちに切り替えるだけで、今この瞬間から次の生き方が、いい方向に向かっていくんだと思います。

それを体現してくれていて、近くで見せてもらっているのは、人生訓のようでもあります。

周囲の関係者も、きっと同じような考えを持っていると思いますよ(笑)

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—–日常の中で、月に一回、お子様と向き合う時間を設けていらっしゃった岸さんご夫婦ですが、その「向き合う」ことで、お子様の何を分かり、感じることができますか?また、その関係性の中で何が生まれますか?

信子さん:「子どもの日」は、我が家の中では長く続けた行事なんです。

結果として、形として残っているのは、幾つかあります。二人兄弟(姉妹)でも焼きもち妬いてしまいますよね。

「お姉ちゃんだけズルい~」とか、「弟だけ可愛がって」みたいな。何人であっても、みんな子どもたちはやきもち妬いてしまうものなんです。

始めた時の動機は、子どもたちが「自分が愛されている」という感情をいっぱい感じて欲しいと思って、始めてみたんです。

時々、家ではワチャワチャとっ散らかってしまいますが、時にはお母さんと二人っきりか、お父さんと二人っきりかで、自分が愛されているという事を感じてもらえる時間になればいいなって思って始めた事なんです。

何度か取り組んでいるうちに、意外な効果があったんです。

子どもたちがやきもちを妬いたり、不満を感じたり、ストレスを感じたりした時、子どもと二人っきりの楽しい時間を共有することで、私自身もソロバンを弾いた時のように、ご破算する時のようにパチッと1ヶ月の出来事すべてが、清算されるような気持ちになるんです。

本当に、実感したんです。その時溜まっていたストレスやイライラ、不安や寂しさが、シャッと無くなってしまうんです。

家に帰ると、また新しい1ヶ月を子どもたちは過ごすことになり、また色んな感情が溜まっていきますが、それを精算する力が「こどもの日」にあると、信じています。一人一人に時間をあげることで、ケンカが減るんですよね。

これは、私の実感なんですけど。よく子育て講演会に呼んで頂けることがありますが、色んな場所でお話をします。

その時に質問されるのが、子どもたちのケンカなんです。

教育のプロでは無いので分かりませんが、自分のことを考えると、夫とケンカして、子どもに優しくできない時もありますが、本来ならば違う言い方ができるのに、イライラしてしまって、ついキツい言い方をしてしまいますよね。

自分が満たされていないと、自分も人に優しくするのは難しいでしょう。

私も夫から優しくされたり、美味しいもの買ってきてもらったり、少し優しくされるだけで、子どもにも優しくなれるんですよね。

大人の私でさえ、そうなんですから、小さい子どもたちがイライラしている時に、お兄ちゃんや弟に優しくできない事も、当たり前のことかと思います。

だから、遠回りかもしれないですが、その子その子一人ずつに、少しずつでも心を満たしてあげると、その子も兄弟(姉妹)たちに優しくできてしまうです。

10人全員に「こどもの日」の時間を設けることで、子どもたち全員がお互いを尊重し、庇い、優しくできる子ども達になるんです。

やり始めた最初の頃には、まったく予想していなかった結果なんです。「こどもの日」を続けていた事で、すごく感じるものがあります。

みんなが優しくなり、一人一人満たされればいいなと、思います。家の中で聞けない話題を聞けるのも、とても必要かと感じました。

「誰々先輩が好きとか」「誰々くんとケンカして、仲直りしたい」とか。子どもの声にゆっくり耳を傾けられる時間だったのだと思います。

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—–離れている時期もおありだったと思いますが、およそ20年程、岸さん家族に寄り添い続けた監督ですが、撮影していく中、監督自身、気持ちの変化など、ございましたか?

城戸監督:まず、20年間、私だけで取材した訳ではないんです。

—–ちょっとブランクありましたよね。

城戸監督:ちょっとどころじゃないですよ。

もう十何年という話なんです。最初の二年間を担当させて頂き、それから十年以上空いて、今に至ります。

そうですねぇ。私自身の変化ですよね?

—–気持ちの変化など、ですね。家族に対してなどです。

城戸監督:どちらかと言えば、ここ三年間の取材でのお話ですが、近しい人にもっと優しくしようと思いました。

それは別に、家族だけでなく、ごく当たり前ですが、小さいところで言えば、「ありがとう」や「ごめんなさい」がちゃんと言えることですね。

やはり日本は、「言わなくても分かるでしょ?」みたいな空気感が、特に近しい人だとありますよね。近い人こそ、ちゃんと言葉を尽くした方がいいですし、恥ずかしいことでもありません。

ちゃんと向き合っていた方が、自分も多分、幸せになると思うんです。

それを常々、思っていたことではありますが、改めて再認識したのかなと、思います。正直、20代の新人の頃は、先輩から脈々と引き継がれた業務をこなすことに必死でした。

その上、お子様たちがまだまだ幼く、(今では私の身長を追い越してしまいましたが、下の男の子たちと遊んでなんぼの世界でした。

私自身もまだ、20代の頃でしたので、家族や結婚に対して、具体的に考えていなかったところもあります。ただただ必死に取材していたのかなと、今振り返ると思うところです。

それがやはり、40代になり、再度岸さんご一家の取材を担当するようになり、その辺りのことを落ち着いて見れるようになったのかなと思います。

近しい人にこそ、優しく親切に、意外と当たり前の事なので、実践できているようで、まだまだできてないところありますよね。

—–おそらく日本人は、恥ずかしいと思ってしまうんですよね。何気ない言葉を言う事に対して。

城戸監督:言われて嬉しくないことは、ないですよね。

その話でいくなら、今は会社を退職しましたが、ずっとお世話になっていた尊敬できる仲良しの先輩で、いつも手紙の最後や年賀状に、「大好きだよ」と書いてくれる方がおられるんです。

例えば、そういう事なのではないかと思うんです。ちょっとした一言が嬉しかったり、私も短い時間ですけれど、ヨーロッパに留学していた時、ほんの少し買い物をしただけで、「サンキュー」って言ってくれるんですよね。

コンビニだろうが、切符を買おうが、ありとあらゆる所で「サンキュー」と言う言葉が聞こえます。

その瞬間、自分の中での気持ちの変化がありまして、「ありがとう」と言えば、気持ちよくなるんです。

日本に帰国後、実行してみると、やった方が自身も気持ちよくなるんですよね。

だから、信子さんと英治さんの関係って、それに重なる部分もあるのかなと、今喋りながら、思い出しました。

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—–何気ない気遣いが、お互いの関係性を綺麗に育んで行くんですね。信子さんは、作品の中で末っ子の不動さんをご出産される時に、女の子を一緒にご出産に立ち会わせておられましたが、その真意や理由を信子さんなりのお考えで構いませんので、教えて頂きますか?

信子さん:男の子たちからは、「なんで俺たちはダメだったの?」と、後からブーイングがありましたが(笑)。

男の子は、お母さんの出産なんか見なくていいから、奥さんの出産に立ち会って欲しいんです。

私の出産なんて、恥ずかしいだけだから(笑)。

男の子は、奥さんの出産に立ち会い、女の子には一度見てもらうのがいいかなって、思ったんです。

ちょうど末っ子で、10番目だったから、その後があるのか分からなかったので、いい機会かと思って、長女と次女と三女には、こうやって赤ちゃんが産まれてくるんだよって、知って欲しかったんです。

長女と次女は、ただただ「グロかった」と、後から聞きました。

三女は、まだ幼くて、訳が分からなかったと思います。

後から聞いたら、長女は「自分がお産する時に、黙って耐えてたお母さん思い出したよ。」と、言ってたので、覚えててくれたことが嬉しかったです。

娘たちにとって、良かったのかどうか分かりませんが、自分は命がこうして産まれて来るんだよって知って欲しかったんです。

男の子には、ぜひ自分の愛する奥さんに立ち会ってもらいたいんです。

—–作品のプレスで、監督は二度目の継続取材中、強く感じたのは岸さん夫婦の「パートナーシップの心」でした、とありますが、監督がその時感じた「パートナーシップの心」または、「夫婦」とは一体なんでしょうか?

城戸監督:もう、さっき言ったことに尽きます。

近しい人にきちんと、言葉を伝えるの一言ですね。シンプルに言うと、そこなんです。

—–それが、夫婦の関係で一番、上手いこと行くんですね。

城戸監督:先程、信子さんが夫に優しくできないと、子どもにも優しくできないと言う話をされましたが、私から見た岸さんの家族の根幹は、英治さんと信子さんで、互いが互いの事をしっかり分かっていれば、子どもたちも親の姿を見て、育っていくんだと思います。

四六時中、子どもの世話をできない時があるからこそ、夫婦が穏やかな関係を築いていれば、子どもたちは「ここに安心して帰ってくる事ができるんだ」と、きっと思ってくれるんだなと、見ていて感じることができました。

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—–『人生ドライブ』と言うタイトルに挿入されている「人生」。率直にお聞き致しますが、信子さんにとっての「人生」とは、なんでしょうか?

信子さん:人生とは…難しいですね。

でも、タイトルに関して言えば、監督さんが付けて頂いた題名は、意外なタイトルでした。

もうちょっと別の題が来るのかと、勝手に想像しておりました。

「家庭的な」文字が入るのかなと、「人生はジグソーパズル」と言うインタビューを一度録って頂きましたので、その部分が来るのかなって、ずっと想像しておりました。

夫と話していたら、「人生ドライブ」と言うタイトルに、「なんでだろ?」って、話していたんです。

一番最初は、そう感じたんですが、何回も見ているうちに、自分の中でしっくり来て、夫と二人で、運転し始めた道のりで、いい場所があれば回り道しながら、定員オーバーになるぐらい子どもが一人ずつ増えて行き、ずっと運転してても間違える時もあるし、エンストする時もあるし、故障する時もあるし、休憩する時もあるし、道に迷う時もある時もありますよね。

そうやって、色々しながらも、ずっとこれまで歩んで来たなぁって、21年間振り返ることができますよね。

改めて、作品を観て、私たちこうやって運転してきたんだなって思うんです。

一番最後に、大好きな朝靄の道を私の車が走っている場面で映画が終わるんですが、何度観てもあの場面には泣けてくるんです。

これまでもずっと、色々してきましたが、この後も私たちの道のりはずっと続いて行くんだなぁって、そんな気持ちで終わることができます。

観終わった後、人生を頑張ろうっていつも思わせてくれます。

本当に、いいタイトル付けてもらったなって、すごく思っております。

人生とは、なんて言われても分かりませんが、私たちには大きなことはできませんから、目の前の事をひとつひとつ大切にこなして行けば、次にすることが出てきて、それをまた一生懸命こなしていたら、また次にすることが出てきてという事を積み重ねて行くうちに、日々を過ごして行ったような気がします。

人生とは…って、難しいかな。

—–少し難しかったかもしれませんが、今のお話の中に「人生」とは何かが、詰まっておりました。とても素敵なお言葉でした。最後に、監督にご質問です。本作『人生ドライブ』の魅力を教えて頂けますか?

城戸監督:そうですね。他人の家の人生を、21年観ると言う映画にも関わらず、自分のこと、自分の周りの事を思い出せる作品です。

出来上がってみて、私も観てそう感じました。自分で言うのもおかしな話ですが、すごい映画だなって思うんです。

多分、映画を観た方の大半が、岸さんとお会いしたこともない、話したこともない方だと思うんですよね。

そうやって、知らない、会ったこともない岸さん一家の21年を、映像の帯にして観ることで、多分映画を観た方のご家族のことであったり、大切な人のことだったり、何かしら思い出すことができる時間になるんじゃないのかなって、私は信じています。

映画の観方は、十人十色で人それぞれ自由ですから、家族じゃなくてもいいので、この90数分が大事な人のことを思い出す時間になってもらえると、とても嬉しいです。

映画館を出た後、ちょっとだけ優しい気持ちになって下さればと思います。

—–お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

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ドキュメンタリー映画『人生ドライブ』は、7月2日(土)より大阪府の第七藝術劇場にて、絶賛公開中。京都府の京都みなみ会館、兵庫県の元町映画館は、近日上映予定。また、全国の劇場にて、順次公開予定。