「いつの時代にも変わらないもの」10月14日(土)、大阪府のシアターセブンにて行われた映画『たまつきの夢』の舞台挨拶レポート

「いつの時代にも変わらないもの」10月14日(土)、大阪府のシアターセブンにて行われた映画『たまつきの夢』の舞台挨拶レポート

©Tiroir du Kinéma

©️2023 映日果人

現在、大阪のシアターセブンで1週間限定上映されている映画『たまつきの夢』の舞台挨拶の様子。映画『たまつきの夢』は、「ナグラチームが解散する日」「誰もいない部屋」などのインディーズ映画を手がけてきた田口敬太監督が、自身の祖父の記憶から着想を得て、昭和レトロのムードを漂わせながら、自由を求める女と男の姿を、はかなくも繊細に描いたラブストーリー。あらすじは、第2次世界大戦時の日本。軍需工場経営者で地主の熊野の妾として、彼の屋敷で暮らすきし乃は、弟の戦死の報を受けて恋人と心中を図る。しかし自殺しようとしたところで、弟と面影の重なる浅次郎という男と出会う。結核を患っている浅次郎は兵役免除となり、人目につかないように暮らしていた。浅次郎は、同じく結核で亡くなった妻と始めた撞球場(ビリヤード場)を経営し、風紀を乱すという理由から警察の取締の対象となっているが、それでも彼にはビリヤードの世界チャンピオンになるという夢があった。昭和初期を刹那的に生きた男女の恋愛模様を寓話的に描いた映画『たまつきの夢』は10月14日(土)より大阪のシアターセブンで上映中。

映画『たまつきの夢』の上映後、本作の監督を務めた田口敬太監督と主演の辻千恵さんが登壇され、関西上映初日となる10月14日(土)にはシアターセブンにて、関係者たちによる舞台挨拶が行われた。田口監督は、映画『たまつきの夢』の制作経緯について話された。「簡単に、この映画の制作経緯を説明しますと、撮影したのが2019年11月でした。2019年の1月か2月頃に、自身の祖父の生きた記憶や証を自分自身が知りたいと思ったことが、きっかけでした。祖父の話を聞いていく中、ビリヤードっが戦前、流行していたという話を聞いて、自分でも調べて行くと、ビリヤードは戦前の娯楽の一つとして、明治から昭和初期にかけて、日本の中で流行していた背景があります。劇中で描かれているのは、ポケットとはまた違いますが、玉が四つだけある四つ玉というルールを持った文化があった事を自分自身が知って、それを題材にして、映画を作りたいなと思ったのが最初のきっかけでした。そこから、30分の短編版として、2019年末に完成させました。その時、第七藝術劇場で上映して頂きましたが、コロナ禍に突入してしまい、その間、制作がストップしてしまいました。落ち着いてきた頃の2021年末に、この60分の長編版として無事に完成させ、今回劇場公開できる運びなった作品です。」と田口監督。また、主演の辻千恵さんは、オーディションや撮影について話された。「短編として上映したのが、撮影が終わって、すぐだったんですが、4年越しにもう一度同じ作品を上映できるのは、なかなかない経験かなと思っています。私が思う映画の上映は、一年後に上映するというイメージを持っていますが、四年後に上映して頂き、短編は観たけど、また長編を観に来て下さる方がもいらっしゃるのは、作品と共に、とても長い旅ができてるなと思うと、非常にありがたく思います。」と、短編制作から4年後の長編上映についての感謝の気持ちを話された。

また、辻千恵さんは主演が決まった経緯を、当時を思い出しながら話された。「オーディションの最初は、全体の台本はなく、抜粋された場面を演じてくださいという指示がありました。一次のオーディションの後、公民館で監督と2人で話す時間が設けられていたんです。その時、監督から辻さんにお願いしようという感じで、その時の話し合いは終わってしまったんです。お芝居すると思ってお会いしたばっかりに、ただ話が終わって、帰りながら、私は決まったのかなと、ぼんやり考えていたんです。後日、事務所から辻さんに決まりましたよと言われて、非常に不思議な決まり方だったのを覚えています。」と、話された。続いて、田口監督は、「実は、一次オーディションでは、たくさんの方が参加してくれたんですが、すべて終わった時点で、主要キャストはすべて決まっていました。元々、この5人の募集だったので、一次のオーディションの時点で、自分の中で固まっていたんです。本当は、二次オーディションを考えていましたが、もし迷っている部分があったら、開こうと思ってたんです。でも、その5人でしかないと自分の中で固まったので、二次オーディションという名目で、皆さん、お一人ずつ、あの和室にお呼びして、二次二次オーディションを行いました。その時は、それぞれの意思確認を行ったんです。一次オーディションでは、どちらかと言うと、その方個人のことは何も聞かなかったと思うんです。最初、一言自己紹介してもらってすぐ、お芝居して頂くスタイルにしたんです。今回、役者の方が持っているパーソナルな部分を何も聞かず、お芝居だけで判断して、一次オーディションを決めていたんです。二次オーディションでは、役者さんたちの個人面をして、相手の事を知っておきたいと思って、あの和室でオーディションを行いました。」と、監督がオーディションの時を振り返った。

最後に、主演の辻千恵さんが、映画や上映に纏わる事について感想を話した。「本作『たまつきの夢』は、時代ものだと、最初は私自身も最初、身構えていたんですが、演じてみたら、いつの時代にも変わらないものがきっとあるんだと感じました。皆さんも、この映画を通して、同じような事、また違う事を思っていただけたら嬉しいと思います。」と、話された。

映画『たまつきの夢』は現在、関西では本日10月14日(土)より大阪府のシアターセブン、兵庫県の元町映画館にて、上映開始。