映画『ボーダレスアイランド』あらゆる壁を越えて

映画『ボーダレスアイランド』あらゆる壁を越えて

2022年12月22日

物語は一枚の古い写真から始まった映画『ボーダレスアイランド』

© 2021「ボーダレス アイランド」製作委員会

© 2021「ボーダレス アイランド」製作委員会

いつか、いつか、境界線がなくなり、誰もが平等に、人を尊敬し、愛し合える、そんな世界が、社会が訪れる事を祈りたくなる。

映画『ボーダレスアイランド』は、台湾と沖縄を舞台に紡がれるある親子、ある家族の絆の深さを描いた沖縄発ファンタジー・ヒューマンドラマだ。

日本ではお盆、台湾では(※1)鬼月と呼ばれる風習は、誰にとっても死者を迎え入れるひと夏の中で最も大事な行事だ。

それぞれの国が共通点として持つ死者に対する深い愛は、どこの国にでも当たり前にある人間的普遍的感情だ。

日本のお盆、台湾の鬼月、(※2)メキシコの死者の日、(※3)イタリアの死者の日、(※4)シンガポールのハングリー・ゴースト、(※5)マレーシアのハングリー・ゴースト・フェスティバルなど、世界各国には死者を弔い、尊敬し、大事にする習慣が今でも根付いている。

そんな日本で言うお盆を題材に、ある女性台湾人が自身の産まれたルーツを探そうと、単身沖縄に赴き、祖父と祖母の生きた痕跡や足跡を辿ろうとする姿を描く。

本作の監督でもある岸本司さんご本人もまた、沖縄出身の映像クリエイターだ。

また、主演でアーロン役を演じた俳優の朝井大智さんは、インタビューでこう話す。

(※6)朝井さん:「国や言葉、生と死など様々な世界観に対しての境界は、想いがあれば通じるという意味だと捉えています。」と、「ボーダレス」と付けられたタイトルついての深い意味を、考察を混じえながら、話している。

© 2021「ボーダレス アイランド」製作委員会

最後に、本作のタイトルにあるように「ボーダレス」な世界が、未来に向けて構築される事を願わんばかりだ。

従って、国境も、黄泉の世界も、人も、性別も、人種も、言葉も、何もかもすべてが、あらゆる壁を越えて、境界線のないボーダレスな関係性を築き、互いをリスペクトし合える社会が成立せん事を心から求めんばかりだ。

© 2021「ボーダレス アイランド」製作委員会

映画『ボーダレスアイランド』は現在、関西では大阪府のシネ・ヌーヴォにて、公開中。また、全国順次公開。

(※1)「鬼月」と呼ばれる旧暦7月の意味https://jp.taiwantoday.tw/news.php?post=103467&unit=190(2022年12月22日)

(※2)世界で最も愉快なお盆「死者の日」https://www.webtravel.jp/mexico/10770.html(2022年12月22日)

(※3)11月2日はイタリアのお盆「Giorno dei morti (死者の日)」。彼らはどう過ごす?https://italianity.jp/culture/giorno-dei-morti(2022年12月22日)

(※4)シンガポールのお盆 ハングリーゴースト・フェスティバルhttps://www.jtb.co.jp/kaigai_guide/report/SG/2022/08/sp_237_332351_1658647093.html(2022年12月22日)

(※5)【 BEYOND MALAYSIA Letter Vol.3】マレーシアのお盆?ハングリーゴーストフェスティバルhttps://wonderlf.com/archives/934(2022年12月22日)

(※6)「様々な世界観に対しての境界は、想いがあれば通じる」沖縄×台湾共同制作『ボーダレス アイランド』出演、朝井大智さんインタビューhttps://amp.amebaownd.com/posts/39686590(2022年12月22日)