映画『彼岸のふたり』「社会全体で助け合う事で、状況は変わってくる」桜あかりプロデューサーインタビュー

映画『彼岸のふたり』「社会全体で助け合う事で、状況は変わってくる」桜あかりプロデューサーインタビュー

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運命から逃げずに強く生きる人々を描いた映画『彼岸のふたり』桜あかりプロデューサーインタビュー

©️2022『彼岸のふたり』製作委員会

©️2022『彼岸のふたり』製作委員会

©️2022『彼岸のふたり』製作委員会

映画『彼岸のふたり』をプロデュースした桜あかりプロデューサーの元を訪ねた。彼女が代表として設立した株式会社SAKURA entertainmentが、会社全体で総力を上げて真剣に取り組む児童虐待撲滅やオレンジリボン運動への参加、募金活動など、社会に対して問いかける姿の桜さんに改めて、日本社会の是非をお聞きした。

—–まず、はじめにプロデューサー業とは、どのようなお仕事でしょうか?また、関西でご活動されている目的は、なんですか?

桜プロデューサー:私にとってのプロデューサー業とは、夢を叶える場所を作り笑顔人口を増やす事。

この考え、想いが根本にあり、私の原動力になっています。

関西で生まれ育ちましたので、まずは関西の笑顔人口を増やしたいという想いがあります。

ただ、関西では経験値を上げる場所が少なく、経験を積めないまま自信を無くしていく人もいて、それは違う!

どうにかしなければ…という事で、関西から世界に発信できる場所を作りたいと活動しております。

©️2022『彼岸のふたり』製作委員会

—–そのお考えには、とても共感させて頂きました。また、本作をプロデュースする事になった経緯を教えて頂きますか?

桜プロデューサー:弊社には夢と真摯に向き合い活動しているご当地アイドルなどが在籍しており、地域に根付いた活動をする中、児童養護施設で開催される行事へ参加させて頂く機会が何度かありました。

養護施設で暮らす子供たちを元気づけるためのイベントと伺い訪問させて頂きましたが、数少ない行事のエンターテイメントを何ヶ月も待って楽しんでくれて、持てないくらいの短い鉛筆を大切に使い、かわいいお手紙や感謝の気持ちを伝えてくれる。

逆に元気をもらいました!私たちに出来る事は何なのか?と…それ以来、考えておりました。

そんな中、頻繁に児童虐待のニュースなどが流れていて世間の声や報道のされ方に違和感を持ちました。

私自身も、もっと知る必要があるし、もっと出来ることがあるはず。

きっと社会を根本的に変えないと大きくは変わらないかもしれないけど、まずは知るきっかけ…映画を通して知る機会を得て欲しいとこの題材を取り上げました。

©️2022『彼岸のふたり』製作委員会

—–この度、映画『彼岸のふたり』を、北口監督に委ねようと思った決め手は、なんでしょうか?

桜プロデューサー:北口監督は、知り合いの関係者の方から、ご紹介頂きました。

監督の作品を何本か鑑賞する機会を得、繊細な作品を作る方だと感じ、実際にお会いして、お話を伺うと役者もされている監督なので役者さんの心を理解しようとしている事を知り、また繊細な感情をリアルに描こうとしていると感じました。

役者さんの気持ちを知っている事は、作品を製作する上で手助けになります。

私には、社会で虐待が無くなり子育てに優しい世の中になって欲しい想いと、関西の役者が世界で羽ばたける場所を作りたい、という二つの願いを持っています。

これを叶えるには、北口監督の力添えが必要だと思いました。

©️2022『彼岸のふたり』製作委員会

—–プロデューサーとして、本作の製作に携わり良かった事は、ございますか?

桜プロデューサー:今回、ハプニングが沢山ありました。

コロナの影響が一番大きいですが、緊急事態宣言が出て決断するしかない時、これは再開できるタイミングが来ないかもしれない、また費用面も含めて押し潰されてしまいそうな不安がありました。

既に撮影した素材も使えるのか?特に子役さんの成長は早い。

いつ再開できるのか、ホントに完成させる事ができるかも分からず不安や悔しさが込み上げて言葉にできない状態でした。

でも、緊急事態宣言で中断することを、監督、役者の皆さん、撮影スタッフ、関係者の皆さんに伝えると、「絶対に完成させましょう!」と励まして下さった事です。

改めて、一人じゃないと感じる事ができました。

作品に携わってくださる皆さまが、同じ方向に向かっている、と再認識できた事です。

—–一人じゃないというお気持ちは、とても頷けます。

桜プロデューサー:今回、たくさんの方に支えて頂き、成り立っています。

ひとつひとつの出来事に感謝していかなければと、実感しています。

本当に、日々感謝です。

©️2022『彼岸のふたり』製作委員会

—–堺市には、様々な伝説がありますが、この度、なぜ「遊女:地獄太夫」という伝承に焦点を当てたのでしょうか?

桜プロデューサー:これは堺・泉州ご当地アイドル「Culumi」」というグループのために作っていた楽曲が「地獄太夫」で、私は作詞をしているのですが、そのタイミングに「地獄太夫」の歴史や伝説など調べておりました。

また地獄太夫が、どんな思いを持っていたのか、どんな思いで詠をよんでいたのか…想いを巡らせました。

地獄太夫は、苦界に落ちながらも、凜とした佇まいで生き抜いた女性、自分の人生から逃げずに運命(さだめ)と受け入れ生きたダークヒロインのような人物。

苦しい経験をした子ども達も運命から逃げずに強く生きて欲しいという想いもあり、この伝説を作品に選びました。

©️2022『彼岸のふたり』製作委員会

—–男女関係なく、力強く生きるというメッセージですね。また、貴社株式会社SAKURA Entertainmentさんは、児童虐待防止、オレンジリボン運動への参画、併せて募金活動もしていますが、本作とこれらの活動には何か関係はございますか?

桜プロデューサー:本作を見て心が動いた方が何かできる事の一つという所では関係があります。

またオレンジリボン運動のポスターを見た事があっても、そこまで深く考える事なくどうすればいいものかも知らない方が多いと思います。

私も内情を知るまではそうでした。

だから、まずは知るきっかけが必要です。私は本作を通して、まずは知るきっかけになればと思っています。

©️2022『彼岸のふたり』製作委員会

—–「子育て(子育てに限らず)に優しい世の中に」と桜さん自身、仰っていますが、「優しい世の中」にするためには、私たちはどう行動すれば、いいでしょうか?

桜プロデューサー:まずは知って欲しい。

そして、ちょっとした声掛けです。声を掛けるだけで、当事者の方々の負担は、全然違います。

私は実際に、電車の中で大泣きする子どもに苦慮した事があります。

隣の女性から「子どもは、泣くのが仕事」と、この言葉で、励まされました。

あの声掛けがなければ、私自身がパニックになっていたと思います。

ちょっとした声掛けができない方も、近所で気になる子がいたら189へダイヤルするだけで、現状を変えることはできます。

「些細な事の積み重ねがエスカレートし、感情もコントロールできなくなる」と、訪問時に児童養護施設の方も仰っていました。

まず、社会全体で助け合う事で、状況は変わってくると思います。

映画がそのきっかけになれば…そしてその少しの行動でミライある子供の命が助かれば。

—–最後に、本作『彼岸のふたり』の魅力を教えて下さい。

桜プロデューサー:この作品には感情を揺さぶる力があります。

それは、きっと登場人物がリアルに生きているから。

本作が初主演の朝比奈めいりも北口監督の指導と素晴らしい役者の皆さんの本気のおかげで、どんどんオトセになっていきました。

彼女の演技も、作品の魅力のひとつです。

また、考えるきっかけを作ってくれる作品。

捉え方、感じ方は人によってさまざまですが、登場人物一人一人に想いを馳せて自身と重ね、観て頂けたらと願います。

—-貴重なお話、ありがとうございました。

©️2022『彼岸のふたり』製作委員会

映画『彼岸のふたり』は、9月17日(土)よりシアターセブンにて1週間限定上映。連日、監督ほかゲストの舞台挨拶が行われる。好評につき10月1日(土)より1週間追加上映が決定。