取材・文・撮影 スズキ トモヤ
11月23日(火)、京都府の京都みなみ会館にて、ドキュメンタリー映画『華のスミカ』の京都舞台挨拶が行われた。
この日は、林隆太監督と全州国際映画祭・富川国際ファンタスティック映画祭アドバイザーでもある洪相鉉さんが、ご登壇された。
洪相鉉さんは、オンラインにて海外からのご参加。
ドキュメンタリー映画『華のスミカ』は、林監督自身が華僑4世でもあり、監督が自身のルーツを辿りながら、過去に横浜中華街で起きた知られざる「学校事件」の真実に迫るドキュメンタリー。
横浜中華街は、国内では日本最大級の中国人コミュニティ。
彼らの歴史は、160年前にまで遡ることができ、彼らは手を取り合うことで、中華街を発展させ、彼らの歴史を守り抜いてきた。
多くのトラブルも乗り越え、日本社会の中で独自の立場を確立してきた。
しかし、1952年、横浜中華街の中華学校で毛沢東を支持する教育をしていると、教師たちが学校から追放された。
その「学校事件」をきっかけに、大陸系と台湾系とに教育現場と華僑総会が分裂してしまう。
長い間、対立が続いていた。中華学校の生徒だった時に紅衛兵の格好をしてパレードをしていた父親の写真と出会い、監督は自身の家族の過去とルーツに向き合う決意をする。
ご登壇された林監督とオンライン上の洪相鉉さんは、本作『華のスミカ』についてのお話をされました。
洪さんは「私は実は日本で生まれで、父親の都合でアメリカやイギリスで過ごしました。
大学の時にソウルに戻りました。多くの国を転々としました。」
林監督は洪さんに「様々な国を転々としておりますが、改めて映画『華のスミカ』の観方を教えて頂けないでしょうか?」と質問。
洪さんは 「まず、今日の服装のスタイルについてお話させてください。
私を掲載しているウェブサイトをご覧になられましたか?
スーツを着ているおじさんが出てくると思います(笑)
でも、映画は楽しいものですよね。例えば、今日のゲストトークは、中国と台湾の関係についての話は、その道の専門家に話してもらいたいと思います。
テレビで少し硬いドキュメンタリーがありますよね。 この作品はそうではなくて、ある平凡な主人公が、長い時間をかけて、自身のアイデンティティを理解する物語です。
広い世界を知って、人間として成長する青年の大切な物語です。」と話されました。