自分と向き合い、抗っていく映画『あなたの微笑み』リム・カーワイ監督インタビュー
—–本作『あなたの微笑み』の製作経緯を教えて頂きますか?
リム監督:映画『Come & Go カム・アンド・ゴー』の編集段階が、非常に時間がかかりました。
完成したのは2020年ですが、映画祭で上映してもらい、劇場公開まで進めることができました。
実際、『Come & Go カム・アンド・ゴー』を撮り終わってから、次回作を撮ろうとしました。
それは、バルカン半島で撮る作品として予定しておりましたが、ここには2016年から毎年、訪れていた場所です。
夏休みを利用して、海外を旅しながら、映画を撮ろうと計画を立てていました。
映画『Come & Go カム・アンド・ゴー』の撮影が終わったばかりの2019年には、その計画を実行に移すことは叶いませんでした。
2020年へと、スケジュールを変更しました。
すると、その年にコロナウィルスの感染が始まり、翌年の2021年には事態が悪化しましたね。
このコロナ禍のおかげで、海外渡航ができない世の中になりました。
自分も日本国内に閉じ込められ、八方塞がりの状態でした。
もちろん、海外にも行けず、またコロナ後の社会では、資金を募るのも非常に苦労しました。
やはり、いつでもとごでも制作費の調達は、苦労の連続でした。
いつコロナも収まるの予想もつかないですし、経済的な側面で影響も受けていますよね。
みんな、今の日本社会の経済には不安だらけなので、それが資金調達に大きく響きました。
映像製作をしようと乗り出しても、この大変な環境が続く状態です。
そんな中。映画製作を補助してくれるAFFがあったからこそ、本作の製作がスタートしました。
この助成金の利点は、脚本を提出せず、企画書だけで判断してくれる点です。
あと、予算表や資金調達が非常に大変ですが、この点も必要以上に問われることはありません。
ただ、映画のタイトル、大まかな内容さえ提出すれば問題ありません。
あと、作品の選考として、監督自身の実績や経歴があれば、申し込むことが可能な文化庁の助成金です。
提出前に、タイトル『あなたの微笑み』を考案し、ざっくりとしたプロットを考えました。
やはり、時間がない中、少人数のスタッフと共に、海外での脚本なしの映像制作の現場をマスターして来ましたので、同じスタイルで日本で映画製作を考えたんです。
急遽、準備して、本作の製作へと事が進みました。
—–大変でしたね。
リム監督:非常に大変でした。
その上、9月頃の撮影でしたので、緊急事態宣言が発令している中、他県への移動が制限されている時期でした。沖縄で撮影をしましたが、どこにも人が居ない状態でした。
でも、こちらとしてはとても好条件でして、ホテルが非常に安く利用ができました。
先月から急に、国内のホテルはどこでも高くなっている今、ビジネスホテルでも宿泊費用が1万円超える金額でも、あの時の宿泊費は2000円~4000円ほどでした。
予算的には、とても助かったんです。
もし今、今年、同じ条件で撮影しようもしても、絶対にAFFの助成金の範囲内では撮影できない昨今です。
ただ、少人数の中、最低限のルールやマナーは守り、ソーシャルディスタンスやアルコール消毒には、精神的に気を付けました。
—–それにしても、短期間で作品が公開されるのは、凄い事かと思います。前作『Come & Go カム・アンド・ゴー』の公開からほぼ一年後に、新作がスクリーンに帰ってくる事は素晴らしいです。
リム監督:実際、映画『Come & Go カム・アンド・ゴー』は、2019年に製作しました。
完成は、コロナの関係もあり、2020年で、2021年に公開されました。この作品は、昨年の9月末頃に撮影を行い、今年2022年に完成しました。
—–早いスピードで、上映が決まりましたね。
リム監督:一つ大きな理由としては、AFFという(※1)ARTS for the Future(第1弾は募集を終了しているが、現在2022年3月から第2弾の募集を行っている)助成金で撮影した作品です。
様々な条件がありますが、一つは2021年のうちに完成すること。
試写を行い、1年以内に公開しないといけない制限がありました。
完成後すぐに、劇場に相談し、すぐに上映する手筈となりました。
—–なかなかな条件付きらしいですね。劇場側は、大変らしいですね。この作品では、とうとう大阪を飛び出して、日本全国を行脚した作品ですが、なぜ大阪を離れることにしましたか?
リム監督:正直に言いますと、映画『Come & Go カム・アンド・ゴー』を撮り終わってから、大阪を舞台にした作品の製作を、ある程度区切りにしようとしました。
大阪三部作も作りましたし、この10年間の大阪の変化も記録してきました。
しかも、大阪どころか、日本から離れて、別の場所での映像制作も考えました。
コロナがあったから、逆に日本に戻ってきたんです。
日本に戻った後、どこにも行けなくなってしまい、国内に閉じ込められ、同時にAFFの助成金の申請も下りた結果、国内での活動に重きを置くことにしました。
—–日本で撮らざるを得ない状況になってしまったんですね。
リム監督:そうですね。日本で撮るしか、道がなかったんです。
その反動から、外で撮影したいと考えた結果、今回は大阪を敢えて舞台にはせず、今まで自分が撮った事がない場所で撮影することに決めました。
—–沖縄なら北海道と、日本を縦断されておられますね。
リム監督:日本中を周りました。
と言っても、一定の場所は飛ばしてのロケ地となっています。
広島、愛知、関東では撮影を行っていません。
急に、北関東に移動もしています。
—–飛んでいるかもしれないですが、沖縄なら北海道までと、表現しても問題ないかと思います。ただ、製作費は大変ではなかったですか?
リム監督:そうですね。最も大変だったのは、今お話したロケ地からロケ地へ移動する交通費が、一番必要となりました。
飛行機と新幹線で移動する訳ですから、まったくその先が予想できませんでした。
それでも、一番助かったのは宿泊費でした。
観光客が減っている中、どこにも人が居ないからこその待遇でもありました。
—–宿泊代を抑えれた事によって、他の交通費などがシェアできたんですね。本作は、リム・カーワイ監督のTwitterのアカウントを一年ほど、覗かせて頂いていましたが、国内国外含め、撮影関係なしに、旅をしていらっしゃいますね。この物語は、監督自身の実体験に近い構成かと、自分は見受けられます。監督の一年間の足跡が作品そのものかと感じますが、日本全国を映画の舞台にすることで、リム監督の作品製作に対する方向性に、何か示唆するものはございますか?
リム監督:まず、旅好きが大きい要因ですが、あとは自分はどこにいても、その土地に属さない人と思っているんです。
例えば、日本に居ても、別に日本人ではありません。
中国に居ても、中国人ではありません。
マレーシアに帰国しても、親戚や友達がそこに居ても、実は皆との距離も感じています。
どこにいても、自分の居場所がないと、感じていますが、その反面、どこにいても自分の場所になるんです。
そういう生活の価値観やスタイルは、バックパッカーとして中国にいた頃からの習慣です。
それが、自分の生活スタイルの一つのでした。
その行動パターンが、非常に楽しかったと記憶しています。
時にバックパッカーは大変でしたが、自分には相性が良かったんです。
だから、映画のアイディアも、発想もすべて、今までの生活から自然に産まれて来たと思っています。
けど、やはり自分自身も歳を重ねてきて、体力も減りつつ、そろそろ落ち着きたいと思ってもいます。
—–でも、本作はシリーズ化して、二部作、三部作を製作する予定では?だとすれば、一作目同様に、全国を動き回る事になると思いますが。
リム監督:本当に、大変な事ではありますが、体力のことを考えると、つらい時もあります。
—–本作の物語とタイトルが、ニュアンス的な意味合いか、作品のディレクションが、自分の中で差異を感じました。しがない無名の映画監督が全国行脚する姿と『あなたの微笑み』というタイトルが持つ雰囲気が、良い意味でも合致しないと感じましたが、この題名に何か想いや意図など、ございますか?
リム監督:先程もお話しましたが、タイトルありきの作品なんです。
もしかしたら、松田聖子の楽曲『I Love You!!〜あなたの微笑みに〜』が頭の中で流れているかもしれませんが、この映画を作る時もタイトルから考えました。
すると、自然と頭の中に「あなたの微笑み」が、浮かんできたんです。
これを使うしかないと、その時実感しました。その後、意味付けするプロセスがありますが、自分も映画を撮りながら、撮って行くうちに、自身の中でも「あなたの微笑み」という意味が、見えてきました。
と言っても、この意味そのものは、その人その人の受け取り方でも違うと思います。
それはもう、本作をご覧になられた方々に、すべてお任せします。
自分でも、その意味が常に変容して行きました。
その時のあなたの感じ方一つで、本作のタイトルが意味する方向性は、変わってきます。
—–この作品は、ロードムービーの形式を取った映画ですが、なぜ全国の劇場を巡る物語を構築されたのでしょうか?
リム監督:元々、バルカン半島でロードムービーを撮ろうとしていましたが、それができなかったので、逆に日本を舞台に大きく変えることができるのではないかと、思っていました。
バルカン半島で撮ろうとした映画のシナリオもありませんでしたが、その主人公も映画監督で、映画祭に招待されて、ある事件に巻き込まれてしまう物語です。
実際、バルカン半島では麻薬絡みの事件が多発していて、運び屋も売人も街のそこら中にいます。
その物語の主人公である映画監督が、ある時麻薬の運び屋となってしまい、トルコに行く話です。
でも、このストーリーを日本で映画化するのは、非常にハードルが高いと感じました。
ただ、ロードムービーのコンセプトは、日本に当て嵌めると、沖縄なら北海道を縦断する距離かと考えていました。
バルカン半島で、映画監督を主人公にして、ドラッグの運び屋にする物語は、外国の雰囲気と作風が合致すると思いますが、その設定を日本に置き換えると、果たして映画化できるのか、甚だ疑問でした。
ちょうど、その時、ミニシアターが話題に上がっていました。
折しも、自分自身、地方のミニシアターに興味を持ち始めた時期でした。
自分の作品の舞台も、東京、大阪と、都会がメインでした。
ですので、渡辺さんというキャラクターを活かして、彼に各地の単館系の劇場を訪れてもらい、自分の映画を売りに行く物語にすれば、映画監督が全国を周る姿を通して、ロードムービーに昇華できないかなと、この企画を思い付きました。
—–日本を舞台にした本作も、非常に興味深い作品でした。観た事がないジャンルの作品かと。まず、全国のミニシアター系の劇場を巡る物語は、今まで観た事がないと思います。その着眼点は、非常に面白い点かと感じます。特に、個人的には、大分県にある別府ブルーバードの存在ですね。館主さんは、日本全国で最高齢のオーナーさんでしたね。
リム監督:はい、その方は91歳になるご高齢の劇場主の方です。
恐らく、彼女の元気の源は、別府にある温泉パワーです。
あそこに行けば分かりますが、別府温泉は皆を元気にさせますね。
多分、日本で一番、元気な街かと思っています。
—–この作品には、日本という視野の広い物語ですが、渡辺という主人公の男性が行動するのは、映画業界という狭い範囲での姿を描いておられますが、この広さと狭さの違いが示す狙いは、なんでしょうか?
リム監督:特に、ありません。
ただ私たちは、ミニシアターや単館系という言葉を知っているかも知れませんが、映画に興味のない方や他の方は、馴染みがないですよね。
日本の方のほとんどは、ミニシアターに足を運んだ事がな方が、多くいられると考えています。
まさか、自主映画も、観た事ないのではないかと、自分は思います。
多分、世の中の9割の方は、自主映画の作品や監督に対して、あまり興味を持っていないと思うんです。
そういう観点で言えば、多少狭い話かと思います。
ただ、物語としては、映画業界の話だけでなく、コロナの影響で店を畳まざるを得なくなったレストランや、他の業種の方も、皆さん影響を受けていらっしゃると、感じています。
だんだん生きていく時代の中で、如何にサバイブするのかが、問われていると思います。
自分達が知らない業界もまた、同じような苦しみや葛藤を抱いておられます。
自主映画の監督が、自分の作品を売りに行くのが、如何に大変なのか、その点も体験して頂きたく思います。
その反面、映画監督、もしくは映画館の話として、限定して観て欲しくありません。
ミニシアターや自主映画を知らない方々に、是非観て頂きたい映画です。
逆に、本作を通して、映画監督の大変さ、ミニシアターがこんなにおもしろのか、と新しい世界を知って頂き、自分の身に立ち返って、色々考えてもらいたいです。
そして、そういう事を考えるうちに、共通の何かが見えて来ると思います。
なぜ映画を撮るのか、なぜレストランを経営するのか、なぜ料理を作るのか。
根本的な問いに辿り着くと、自分は思います。何のために、そうするのか。
壮大な人生の問いにもなると、思います。狭い話ですが、色々考えて、視野を広げてもらえれば、広い話になります。
—–確かに、自身の映画を売りに行く渡辺という監督は、違う視点で言えば、営業マンそのものですね。
リム監督:町工場、あるいは工場で作った品物がコロナで売れなくなって、その品を各地方へ売りに行くような話と、まったく同じです。
でも、品物はどこに行っても、必要とされていません。
どこも買ってくれない可能性もある訳です。
—–映画も一緒で、どこも上映してくれない可能性もありますよね。と、考えれば、広い視野としての作品と観ることもできますね。
リム監督:ただ、今お話したような事、作品を売り込まないと、この映画だって、売れないと思います。
ですので、もっと売り込んで行けたらと思っています。
—–あるインタビューで、監督は「故郷のマレーシアには、ミニシアターはない。日本では、小さな地方都市に、まだミニシアターは残っている。」と仰っていますが、日本国内における、都会と地方のミニシアターの違い、またその魅力はなんでしょうか?
リム監督:自分は、ミニシアターで映画を観て、育った人間です。
やはり、単館系の劇場は、シネコンで上映している映画とは違い、日米の映画だけでなく、アート系の映画や知らない世界、例えばアラビアやフランス、オーストリアやアフリカなど、ほとんど知られていない国の映画も上映しますよね。
ジャンルもまた、エンタメだけでなく、社会派な映画や政治的な映画もある。
幅広く、多くの国の作品を、ミニシアターを通して知ることになりました。
そして、本当に、世の中の多様性や、面白さ、豊かさを知ることもできました。
ういう意味では、ミニシアターの重要性は、今言った事にあると思います。
多分、基本的に、日本のサラリーマンにしても、一般の方でも、二種類に別けられるんじゃないかなと思います。
シネコン派か、ミニシアター派かですね。
—–都会と地方のミニシアターの違いは、ありますか?
リム監督:東京、大阪、神戸、京都と、大きな都市の劇場でしか、自分の作品を上映した事はありません。
地方のミニシアターには、実は行ったことがありません。
実際、地方のミニシアターに映画を売りに行った経験は、過去にありませんでした。
もちろん売りに行かなかったから、上映もしてくれない訳ですよね。
今回、この作品を製作するために、初めて地方の劇場に足を運び、その土地その土地の、自分が知らなかった真実を知ることになり、非常に勉強にもなりました。
とても感動しました。その両者の違いとはやはり、まずビジネスとして、全然成り立ってない状態ですね。東京、大阪は、人口が多い分、ある程度、映画を観る方も多くおられると思います。
ただ地方は、若者がどんどん都会に行き、中年の年代から上のご高齢の方しか、町には町には残っていない状態です。
まず、ビジネスや産業も少なく、町全体としての活性も少ない中、映画を観るファン層も圧倒的に、減ってきています。
都会と比べれば。だから、地方はコロナがあっても、なくても、ずっと劇場は閑古鳥が鳴いています。
地方の映画館は、都内と比べ、非常に広い造りとなっているんですが、それにも関わらず、座席を埋める事が非常に難しくなってきています。
それでも、ずっと、そこには映画館があるんです。
なぜ、閉館を余儀なくされずに、そこにずっと佇んでいるのか、とても気になる事です。
もちろん、場所や田舎によって、状況や条件は違ってきますが、自分たちが感じてる以上に、地方の方々は決して、暗くはありません。
生活としては大変かもしれませんが、映画館を運営している関係者は皆さん、明るい方ばかりです。
皆さん、元気で明るくて、前向きに映画や劇場と向き合っています。
そういうバイタリティやパワーは、自分たち自身が見習う所です。
東京や大阪のミニシアターの関係者のお話をお聞きしていると、まったく違った感覚を持っているのも、事実です。
そういう違いも含め、非常に感動しています。
—–映画愛が溢れる本作は、全国のミニシアターが舞台となった物語ですが、リム監督自身が想い描くミニシアターの未来とは、何でしょうか?
リム監督:正直に言ってしまえば、暗い話ですよね。
暗いですが、その現実を受け入れて、如何に行動して行くか。
それもまた、それぞれの方法があると思いますし、それぞれの行動があります。
ケース・バイ・ケースかと思います。
それでも、本作のラストを観て頂ければ、分かると思いますが、やはり映画館の存在を信じることができるんですよね。
そして、映画を上映する場所は、この先、どんな時代が訪れても、映画館の灯は消えないと思います。
そして、どんな時代になっても、映画を作りたい人も、絶対いると信じたいです。
映画を観たい人も、絶対産まれてくるんです。
要するに、劇場で映画を観たいと思ってくれる人は、必ずいると強く想い続けます。
僕は、この事について確信を持って、言えます。
多分、それがビジネスとして、できるかどうかは別の問題ですが、現状を受け入れつつ、これからどうすれば良いのか、答えは出ませんが、皆さんと一緒に考えて行きたいですね。
—–必ずいますよね。映画を作りたい人、観たい人、また書きたい人は、必ず産まれてくると信じたいです。
リム監督:そんな方がいる限り、映画館も映画も、終わらないと思っています。
—–最後に、本作『あなたの微笑み』の魅力を教えて頂きますか?
リム監督:最初は、自分自身も、脚本がない中、物語がどう着地するのか、分からない状態でした。
ひとまず、企画を立ち上げ、撮影してみるという所から、スタートしました。
撮影していくうちに、自分も心の中で、傑作になるんじゃないかと、確信を持つまでに至りました。
さっきも話したように、売れない映画監督やミニシアターだけの話に限定しないで、もっと知らないことを、作品を通じて、知って頂き。
この時代を如何に生き抜くか、まだ訪れていない未来をどう迎えに行くのか、色々考えて頂ければと、願っています。
—–貴重なお話、ありがとうござ来ました。
映画『あなたの微笑み』は現在、関西では12月3日(土)より大阪府にあるシネ・ヌーヴォにて、絶賛上映中。また、2023年1月14日(土)より兵庫県にある元町映画館にて、公開予定。
(※1)ARTS for the future!
(コロナ禍を乗り越えるための文化芸術活動の充実支援事業)https://www.bunka.go.jp/shinsei_boshu/kobo/20210326_01.html(2022年12月3日)