映画『ミュジコフィリア』山崎育三郎さん インタビュー
インタビュー・文・構成 スズキ トモヤ
この度、テレビやドラマ、ミュージカルなど、幅広い分野でご活躍されている俳優、山崎育三郎さんに映画『ミュジコフィリア』のについて、お話をお伺い致しました。
作品や役柄について、現場でのお話や音楽に対する「想い」など。
音楽を通しての自身の成長について、お話頂きました。
——本作の役柄への意気込みがございましたら、お聞かせ願いますでしょうか?
山崎さん:ちょうど本作の撮影に入る前に、朝ドラの『エール』という作品の撮影をしておりました。
華やかな役柄を演じる中、大成はどちらかと言うと、ほとんど笑わない役柄でした。
自分を解放できないタイプです。僕のお芝居では、ある意味新しい、今まで見たことない役柄だと思います。そんな表情やお芝居を観て頂ければと思います。
——オケのリハーサル時や終盤の衝突する場面が、すごく好きでした。
山崎さん:彼は音楽を自分のモノにしている一面があります。違う感性を持つ方と演奏できないというプライドが、彼にはあります。
僕自身、音楽をしているので、そうあるべきじゃないと思いますね。やはり、一緒に作っていくのが芸術だと思います。自分の価値観を押し付けるものではないと思います。
最終的に、朔とピアノの前で連弾して、感情をぶつけ合うシーンまではずっと抑えていたものがありますよね。
あの場面で初めて解放されています。脚本では、ニュアンスがわかりにくかったのです。
だからこそ、台本に書かれている以上のものを僕たちの中で作り、引き出せたと思います。
井之脇海さんと一緒に向き合ったモノを大切にしながら、演じたことが結果的にシナリオ以上の結果を産み出せたのだと思います。何か熱いモノを感じました。
——音楽やダンスを通して、何か特別な「想い」はございますか?
山崎さん:ミュージカルでしたら、作品や役柄の流れで決まります。
役柄として、どういう想いを伝えたいか。
例えば今年リリースさせて頂いた『誰が為』は、昨年選抜高校野球大会に出場できなかった高校球児達と対談させて頂いた中で、彼らができなかったことを後輩たちに託す想いや甲子園に行くために子供の頃から支えてくれた両親への感謝をお聞きした上で、作らせて頂いた楽曲です。彼らの想いをちゃんと届けたいですし、今年甲子園に立った学生たちに「頑張れ」というエールも送りたいですよね。
いつもそのようなメッセージを込めながら、届けるようにはしております。
——本作の主なストーリーは、音楽を通して主人公の成長ですが、山崎さん自身、音楽を通して成長したと思える、ご経験はございますか?
山崎さん:ずっと成長させてもらっていますね。歌がなかったから、ずっとシャイのままだったと思います。
音楽があることで苦しむことも沢山ありましたが、その苦しみと同じぐらい喜びも沢山ありました。
いつも、自分の成長に音楽がいて、変声期で歌えなくなって、オーディションが受からないこともありました。
自分が主演した作品のアンサンブルでも落ちることもありました。歌えなくて、ダメなのだと思った時期もありました。続けたことでチャンスをもらえたこともありました。
歌があったことで、素晴らしい役を頂けたこともあります。
歌があったことで、一つ一つが歌と共に夢のような場所に行けたので、歌は自分にとってなくてはならない存在です。
映画『ミュジコフィリア』は、本日より全国の劇場で上映開始。また、関西では先行上映された京都府のTOHOシネマズ二条をはじめ、大阪府では大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズセブンパーク天美、兵庫県ではTOHOシネマズ西宮OS、和歌山県ではイオンシネマ和歌山にて、公開が開始された。全国の劇場にて、絶賛公開中。