「映画は画面に映っていないものを見せる」3月19日(水)、ABCホールにて行われた第20回大阪アジアン映画祭のスペシャル・オープニング・セレモニーのレポート

「映画は画面に映っていないものを見せる」3月19日(水)、ABCホールにて行われた第20回大阪アジアン映画祭のスペシャル・オープニング・セレモニーのレポート

上映作品本数は67作品、19の国と地域が集結し、アジア映画に特化した映画の祭典が、大阪アジアン映画祭。テーマは「大阪発。日本全国、そしてアジアへ!」。世界初上映19作、海外初上映6作、アジア初上映4作、日本初上映31作。今年も国際色豊かな作品が、出揃った。3月14日(金)から3月23日(日)までの10日間、大阪府のシネリーブル梅田、T・ジョイ梅田、ABCホール、大阪中之島美術館にて開催された第20回大阪アジアン映画祭のスペシャル・オープニング・セレモニーが、3月19日(水)にABCホールにて行われた。

まず初めに、万雷の拍手の中、スペシャル・オープニング・セレモニーが始まった。主催者である大阪映像文化振興事業実行委員会委員長上倉庸敬さんが、映画祭の開催における挨拶され「随分、昔に観た黒澤明監督の映画『七人の侍』。農民達の苦境、お礼にと差し出された一晩の飯。それを見つめた侍は、「この飯、決して疎かには食わんぞ」と答える。画面に映るのは、侍が掴んだ飯の入った茶碗とその向こうで泣き崩れる農民達。けれど、私達観客が目にしたものは、スクリーンには映っていません。一杯の飯がなくても、農民達の為に命を賭ける侍の心意気。実は、映画は画面に映っていないものを見せる。そこに響いていない言葉に耳を傾ける。映画を作る制作陣と映画に目を向ける観客の皆様と過ごして来たこの映画祭の20年の歩み。私達、映画祭スタッフにとって、至福の時間です。感謝とお礼なしでは、思い出せません。」と、今の社会情勢や国際情勢を交えながら、話された。