その答えが、あなたの人生を左右する映画『入国審査』


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新天地への移住という人生の門出を明るいニュースでスタートを切りたいと考えている人も多くいると思うが、移転先では様々なトラブルや些細なイザコザに巻き込まれるケースが多々ある。あなたは過去に、どんなトラブルと遭遇した事があるだろうか?引越し前では、見積書と請求書の大幅な差異、荷物の紛失や破損に盗難、困難な搬出入、業者との相違から来るトラブル。引越し後の住居環境では、水周りのトラブル、近所同士の騒音問題、設備の故障に共用部分のトラブル。引越し先のご近所付き合いでは、近隣トラブル、人間関係の確執、ママ友地獄、挨拶やコミュニケーション不足、生活習慣の地域性の違い、集団の中の排他的雰囲気。地方に行けば行くほど、生活習慣におけるギャップは拭えない。交通の便や買い物の不便さ、医療機関の少なさ、都会との違いとして情報格差も挙げられる。仕事や役所関係の書類の手続きでは、田舎では仕事を探すのが困難であり、地方や都会に関係なく役所での書類の手続きの煩雑さをショートカットする事はできない。移住先や転居後のトラブルは、挙げればキリが無いほど、問題や障害が付き物だ。映画『入国審査』は、移住のためアメリカへやって来たカップルを待ち受ける入国審査での尋問の行方を緊迫感たっぷりに描いた、スペイン発の心理サスペンスだ。誰もが次の新たなる新天地を求めて、移住先に移動する時、何かしらの困難さが私達の前に立ちはだかる。その時、あなたはどんな行動をとるか?常日頃から、私達は通常の生活の中で、どうトラブルを回避すべきか試されている。

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転居前、転居中、転居後と様々な場面でトラブルは付き物であるが、上述したトラブルの概要に関して、より詳しく、どのような問題があるのか一つずつ確認したいと思う。移住先の生活で起こり得るトラブルは多岐にあると言われているが、大きく分類すると、引っ越し関連、住居環境、近隣関係、生活習慣の違い、仕事・手続き関連などが挙げられる。あらゆる場面で起こるトラブルを事前に把握し、対策を講じる事によって、よりスムーズな移住生活を送る事が臨める。一例ではあるが、移住に関する問題を取り上げてみる。①引っ越し関連で起きる主なトラブルは、荷物の破損と紛失だ。運送中の荷物の破損、業者との認識違いによる紛失が、引越し作業時、発生する恐れがある。また、引越し業者に引越しを依頼すれば、時に料金関係でのトラブルが起きる。たとえば、追加料金で例を出せば、見積もりと実際の作業で料金が異なったり、余分な追加作業が発生する場合がある。最初の見積より多くの引越し代金を請求され、予期せぬ追加料金を支払う場合がある。また、侮ってはいけないのが搬出入の困難だ。大型家具や家電が、新居の通路や階段を通ら場合とエレベーターに入らないなどの問題が発生する可能性がある。作業の遅延、養生不足による傷、搬入場所の間違いなどによる業者の不手際は、人的トラブルだ。住居環境では、隣家や上階からの騒音問題など、生活音に関するトラブルが多い。新しい地域での近隣住民との挨拶やコミュニケーション不足は近隣関係において亀裂を産む原因を作る。近隣住民との生活環境では、生活習慣の違いからトラブルが起きやすくなる。地域によっては、独特のルールや慣習があり、地域性の違いによって、その土地に馴染めなくなる事もしばしある。その上、田舎に行けば、外からのよそ者に対して排他的な雰囲気を産みやすくなり、排他的な雰囲気に馴染むのが困難になりやすい。これらのトラブルを一つずつ乗り越えた先に、新しい居住地での新しい生活が待っている。引越しにおける最終終着地に到着するまでの道のりは、長く険しい旅程になるかもしれないが、険しい山道を登った先に広がる山頂からの広々とした景色を想像した時、きっと山登りと同じような体験を転居という行動に見出す事ができるだろう。

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転居前、転居中、転居後における様々なトラブルを例に挙げたが、海外渡航において一度は体験する入国審査が、新天地への明るい未来に胸躍らせている転居中の人間に恐怖の体験を与える事もある。私達が海外渡航する時、日本から海外へ旅行する際には、空港で「入国審査場」を通らなければならない。 入国審査は「Immigration(イミグレーション)」と言われ、「イミグレ」と略して呼ぶ事もある。 入国者は、審査官にパスポート(旅券)やビザ(査証)などの書類を提示し、いくつかの質問に回答する義務がある。世界で入国審査が厳しい国には、韓国、シンガポール 、ニュージーランド、イギリス 、アメリカ(※1)が厳しいと言われている。特に、アメリカやイギリスでは不法滞在やテロ事件が多発している地域であり、その観点から考えれば、外から入って来る外国人への扱いが厳しくなるのは明白だ。入国審査が厳しい実例として挙げられるポイント(※2)としては、滞在目的の不明確さ(渡航理由の目的は明確に)、滞在資金の不足(帰国する迄の滞在資金は余裕を持って)、滞在予定の不透明さ(どこに何しに行くのかスケジューリングは、必ずクリアに)。また、入国審査をスムーズに通過する為には事前準備が必要で、まずはパスポート、ビザ(必要な場合)、滞在先の予約確認書、帰国または第三国行きの航空券、十分な滞在費の証明など、必要な書類の準備が大事になる。次に、滞在目的、期間、滞在場所など質問への明確な回答が求められる。虚偽の申告は絶対に避けるべきであり、虚偽の申告が発覚した場合、入国拒否、罰金、再入国禁止など、不利益な結果を招く事がある。今年、トランプ政権発足後、アメリカ国籍を取得している多くの移民が、不法滞在や不法移民として扱われ、国外追放されている背景があり、外からアメリカに移住する時はアメリカ人以外の人種は十分気をつけなれば、誤って不法移民のレッテルを貼られ、誤って国外追放される可能性もある。今、多くの海外の情報がSNSを通して発信されている昨今、海外への渡航や移住、永住を夢見る若い世代の日本人も少なからずいるだろうが、現代における海外渡航は非常に気をつけた方がいい。映画『入国審査』を制作したアレハンドロ・ロハス氏とフアン・セバスティアン・バスケス氏の両監督は、あるインタビューにて本作の〇〇について聞かれ、こう話している。

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ロハス監督:「ある意味、これは個人的な物語です。私たちは二人ともベネズエラ出身ですから。私たち自身が同じような形で経験してきたこと、あるいは知り合いから聞いた話に基づいているんです。 悲しいことに、こうした話の多くは語られることがありません。それは、私たちがそれに慣れてしまっているからという理由だけではありません。こうした出来事は、程度の差はあれ、常に起こっています。そして、どれも暴力的だとかいう次元ではありません。どれも暴力的なのです。なぜなら、彼らが行うのは、他の暴力にも劣らない、残酷な言葉による暴力だからです。そして人々はそれに慣れてしまいます。これはアメリカでしか起こらないことではありません。私たちが映画の舞台をアメリカにしたのは、二人ともアメリカの税関にいたことがあるからです。しかし、これはどこでも起こっていることです。そして、すべては同じ疑問に行き着きます。つまり、「あなたはどこから来たのですか?」「彼らの目には、あなたのパスポートは怪しいものなのでしょうか?」」
バスケス監督:「このプロジェクトについて話し始めた当初、他にも似たような物語がいくつかありました。それらはすべて、移住というプロセスに関わる様々な問題、そしてこの出来事が人生においてどれほど大きな影響力を持つかという問題に結びついていました。私たちは、出身地、性的指向、肌の色といった理由で、一人、あるいは二人の移住の決断に疑問を抱く人が、どれほどの力を持つのかを示す映画を作りたかったのです。人生が破壊されることもあるのです。私たちは、移住のプロセスだけを描く映画ではなく、それがもたらす感情的な影響も描きたかったのです。」(※4)と、話す。入国審査の問題は、どこにでも起きている問題だ。どこにでも起きているにも関わらず、すべてが表面化されていない事こそが、最大の問題だ。秘密裏に行われる入国審査は、尋問という名の差別行為だ。確かに、麻薬を運ぶ運び屋や禁止されている食品を持ち込む旅行者など、入国時に注意しなければならないケースはたくさんあるが、過度の質問や長時間の軟禁は差別に近い行為と認識してもいいだろう。

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最後に、映画『入国審査』は、移住のためアメリカへやって来たカップルを待ち受ける入国審査での尋問の行方を緊迫感たっぷりに描いた、スペイン発の心理サスペンスだが、これは映画だけの作り話ではなく、実際に映画監督の二人がベネズエラからスペインに入国する時に体験した事でもあり、現実に今日もどこかで起きている出来事だ。今、海外渡航を考えている人は、この映画のように外国の国に入国する時には、スペイン人カップルのような出来事が突然、起きる可能性があると身を持って構える事だ。入国審査は、尋問を主体にした空港の儀式的な行為かもしれないが、実際は悪意に満ちた差別的行為であると声を上げるべきだろう。

映画『入国審査』は現在、全国の劇場にて公開中。
(※1)人気旅行先 入国審査が厳しい国ランキングTOP5【経験者が語る】https://www.lifetriplog.com/strict-immigration-top5/(2025年8月21日)
(※2)【入国審査】聞かれることや審査に引っかかる理由を事前に知っておこう!https://andguam.com/article/5067/(2025年8月22日)
(※3)アメリカンドリームが悪夢に 揺れる移民大国で何が?https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250604/k10014825311000.html(2025年8月22日)
(※4)Alejandro Rojas and Juan Sebastián Vásquez • Directors of Upon Entryhttps://cineuropa.org/en/interview/435450/(2025年8月22日)