映画『ただ、やるべきことを』切り捨てられない保証された明るい未来を

映画『ただ、やるべきことを』切り捨てられない保証された明るい未来を

たとえ、明日が見えなくなっても映画『ただ、やるべきことを』

©Nareun Cinema / Myung Films Lab.

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私達が、自らの存在を明確にする「所属」という証とは、一体どこにあるのだろうか?名刺に刻まれた社名、朝の静寂を共にするチーム、慣れ親しんだ役職という名の鎧、あるいは「我々は家族である」という甘美な連帯感。挙げればキリがないほど、私達は気付かぬうちに「リストラ」という名の冷徹な濁流と街中ですれ違いながら、生きている。接近したと思えば、すぐに遠のいていく。所属という名の縁もまた、例外ではない。1970年代のオイルショック、2008年のリーマンショック、および2020年代のAI・デジタル転換期。この雇用を巡る構造的な断絶は、いつの時代にもあり、どこの国にもある普遍的な現実の写し鏡だ。今、世界を見渡せば、米国ではAmazonやIntelが数万人規模の峻烈な解雇を断行し、欧州ではフォルクスワーゲンがEVシフトの荒波の中で工場閉鎖を模索している。視線をアジアへ転じれば、中国のテック企業やインドのエンジニア達が次々と「居場所」を失っている。日本でもまた、パナソニックや日産自動車といった名門が「黒字リストラ」(※1)という名の自己変革を余儀なくされている。それは、国境を越え、時代の荒波に揉まれながら刻まれて来た、漂泊する労働者達の年輪そのものなのかもしれない。数字と効率が冷徹な言葉で語られ、長年積み上げられたはずの職人たちの矜持が、その役目を終えようとする時。劇中で映し出される、あの寒々しい造船所の日常は、音もなく「構造改革」(※2)という名の閃光に焼き切られ、信じて来た連帯という名の秩序は、一瞬にして脆く崩れ去って行く。どれほど現場に深く根を張っていたとしても、会社という巨大な壁に背中を向けられたその瞬間、人はただ冬の寒風が吹き荒れる埠頭に一人、立ち尽くすしかない。スクリーンが凝視する、あの「居場所を奪われた者の震える肩」を、静かに認め合える誰かと巡り合える事は、それだけで一つの奇跡と願いたい。私達が守るべき労働の未来は、いかなる明日が待っているのか?そこには、今の私達が想像もできない澱みのない明日が、待っているに違いない。企業の命運も、働く喜びという魂の灯火も、他でもない私達人間の手に託されている。姑息な株主還元のために、働く人々のささやかな誇りを踏みにじるのも、この社会の側面かもしれない。しかし、向かい合う相手へと注がれるささやかな誠実さ、そして理不尽な嵐の中でも自分を失わない不屈の静かな意志こそが、次なる時代を耕すための最も確かな力へと変わる。不意に訪れる一瞬の重なりがあるからこそ、私達はこの流動する世界を歩いて行ける。構造改革という名の長く険しい隘路(あいろ)を抜けた先にこそ、人は自分自身の本当の価値を問い直し、真実の再生へと歩き出す事ができる。その痛みを超えて掴み取る「新しい自分」が、確かな現実となる日を、私は静かに待ち続けたい。映画『ただ、やるべきことを』は、2010年代に韓国の造船業界が直面した深刻な不況を背景に、リストラを断行しなければならない人事部社員たちの葛藤と決断をリアルに描いた社会派ドラマ。組織や産業が突きつける、あの激しい変革の嵐が凪いだあとに訪れる静寂。そこにどのような新しい息吹が芽生えていくのかは、まだ誰の目にも映らないけれど、遠い水平線の向こう側で、静かに、そして温かな夜明けが始まろうとしているのかもしれない。

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「皆さんがまさしく勝利の主人公です!」2016年に韓国の街々を埋め尽くした「ろうそく運動」(※4)とは、一体何でだったのか?それは、時の政権中枢を蝕んでいた腐敗が曝け出された事に端を発し、市民自らが「これが国か?」という痛切な問いを掲げて立ち上がった、未曾有の民主主義の季節だ。2026年の今、遠く離れたこの国から当時の記録を辿れば、11月の凍てつく光化門(クァンファムン)の熱気が、10年の歳月を越えて静かに胸を打つ。私は、あの広場にはいなかった。カイロの熱も、紙コップを焦がす灯火の匂いも、直接は知らない。けれど、当時の韓国国民が発した「信じられなくて、外に出ざるを得なかった」という無数の震える悲痛な声は、国境を越えた私の日常にも、確かな波紋となって今に届いている。2016年、国の中枢を蝕んでいた綻びが露わになった瞬間。「あまりにストレスが溜まり、怒りで心臓が爆発しそう」という市民の嘆きは、「まっとうな国であって欲しい」と切なる願いへと変わり、全く新しい表情で街を席巻した。当初は小さな波紋に過ぎなかった集いは、瞬く間に150万、200万という未曾有の潮流へと膨れ上がり、広場を埋め尽くした。それは、理不尽な権威に対する、無言の「主権者の命令」でもあった。焦燥にも似た鋭い怒りを衝動的な破壊へと逃げるのではなく、音楽や演説を介した豊潤な連帯の場へと編み直した。無名の人々が綴った一篇の叙事詩のように、「デモは民主主義を守る祭典だ」と微笑み合う人々が掲げた小さな灯火によって、積み上げられた「虚偽」という厚い壁は、隅々まで暴き出された。「ろうそくの火は風が吹けば消える」という冷笑に対し、市民達は「いいえ、絶対に消えません!」と静かな拒絶を突きつけた。「子供達にまともな国を残したい」という切なる願い。それは、2026年の今を生きる私達にとっても、決して他人事ではない普遍的な祈りだ。国の運命も、守るべき尊厳という魂の灯火も、他でもない私達一人一人の掌に託された未来だ。不意に訪れる一瞬の共時性があるからこそ、私達はこの不確かな世界を歩いて行ける。2017年3月、宣告と共に訪れたあの日。「ろうそくと共にした日は、すべていい日だった」という言葉(※6)。私達は一篇の映画の結末を見届けたようでもある。あの夜、広場を埋めた光が消え、10年という月日が流れた後の澄んだ空気。そこにどのような新しい希望が根を張ったのか?2026年の現在、私達が目にする景色がその答えなのかもしれない。暗闇の向こう側で胎動していた時代の始まりを、私は今、この静かな場所から見つめ直している。しかし、広場を去った人々の日常には、国家の再生とは別の冷酷な現実が待っていた。組織を守る「首を切る側」と、積み上げた歳月を剥ぎ取られる「切られる側」。この10年の間に日韓を襲ったリストラの嵐は、個人の尊厳をどこまで摩耗させたのだろうか。

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社会はだんだん良くなっている、と数字は告げる。景気は緩やかに持ち直し、失業率は改善し、有効求人倍率も上を向く。企業決算は回復基調を示し、株価は期待を映す。経済指標は整然と並び、社会は「再生」という物語を語り始める。けれど、その物語を一歩引いて見つめる視線がある。回復の曲線の下、誰が静かに零れ落ちたのかを確かめようとする眼差し。数字の隙間に沈んだ声を、拾い上げようとする姿勢。「人員削減」という一文の中には、様々な人生が折り畳まれ、内包する。段ボール箱に収められるのは私達の私物だけではなく、初めて任された仕事の緊張も、叱られた夜の悔しさも、誰かに「助かった」と言われた日の誇りも、静かに片付けられて行く。社員証を返却する瞬間。自動ドアの外に出た時、街はいつも通りなのに、自分だけが世界から切り離されたような感じにさせる。その感覚を、統計は記録しない。構造改革の背景を読み解き、企業の論理を説明し、国際競争の現実を伝える事は必要だ。冷静に事実を並べ、因果を示し、社会の仕組みを照らす事もまた、大切な営みだ。しかし、それだけでは届かない鼓動(※7)がある。30年間勤めた工場が閉鎖される朝。シャッターの前で立ち尽くす人の背中。「仕方がない」と言いながら、まだ家族に伝えられない一家の大黒柱を演じる父親の沈黙。履歴書を書き直すたびに、自分の価値を測り直されるような鋭い痛み。「解雇通知」の紙(※8)は、あまりにも軽過ぎる。しかし、その一枚が背負う重さは、子どもの学費であり、親の介護であり、守ってきた日常そのものだ。それでも、社会は効率を求め続ける。AIが導入され、生産性が競われ、グローバル競争が激化する昨今。合理性は正しく、選択と集中もまた、時に避けられない。その現実を直視する事から、議論は始まる。それでも尚、経済には問いが残る。株価が上がる同じ日に、何人が職を失うのか?成長戦略の裏側で、どれだけの自尊心が削り取られたのか?明日、立場が入れ替わる可能性を、私達は本当に他人事として語る事ができるのか?雇用は流動化し、安定は揺らぎ、働く意味そのものが再定義されて行く。この変化は一企業の問題ではなく、社会構造そのものの転換だ。リストラは出来事ではなく、時代の断面だ。それでも、人は職に従事し、家族の為、自分の誇りの為に働き続ける。社会のどこか(誰か)と繋がる為に…。リストラという言葉(※9)の奥にあるのは、失われた肩書きではない。失われた居場所は、名前を呼ばれる場所。「お疲れさま」と言われる場所。自分がここにいていいのだと感じられる場所。だからこそ、私達は問い続けたい。効率だけで測れる社会でいいのか?成長の数字と同じ熱量で、人の尊厳が守られているのか?だんだん良くなっていると、騙し騙し嘘を塗り重ねる。その言葉が本当にすべての人に届く日が来るとしたら、それは、経済指標の達成ではなく、社会が人間を見失わなかった証として、時代の記憶に刻まれる瞬間なのかもしれない。映画『ただ、やるべきことを』を制作したパク・ホンジュン監督は、あるインタビューにて本作の制作経緯や当時の造船会社の実情について、こう話す。

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ホンジュン監督:「2016年から2019年まで国内造船業の状況が非常に大変でしたが、当時の国内中堅規模造船所を背景としています。映画の内容を説明すると、挨拶チームとして新たに発令を受けた主人公カン・ジュニ代理に構造調整業務をするよう指示が下されたが、ジュニは誠実な労働者なので、一度会社の名を忠実に履行します。それから徐々に不当で不合理な指示が下がりながらジュニが悩みをたくさんして、その中で「果たして私はきちんと生きているか?」について悩む映画です。また、人事チームの内部でも各人物の目標がぶつかり合い、葛藤が生じる映画だと説明できます。実際に私は2015年から2019年の夏まで造船所の人事チームで働いていました。私が2015年に入社し、翌年の2016年から世界的に造船業の業況がとても難しくなりました。それで、閉鎖する会社も生まれ、私が通っていた会社も固定費を減らさなければならないという名目で職員を解雇する状況でした。当時、そのような状況が私に大きなストレスに近づいてきたようです。事実社会人になる前に構造調整を聞くと漠然と感じられるでしょう。ただ「誰かが職場を失うんだな」「すごく大変だな」といった感じだったら会社の中で目を向ける構造調整は違って近づいてきました。人々が思ったより無気力に解雇される姿をたくさん見ました。実際に希望退職の提案を受けると、ある方々は涙を流し、一部の方々は怒りを感じました。自分が20~30年通った会社から出なければならないという話を聞くというのは「あなたはもはや会社に必要がないから出て行く」という言葉を聞くのだから彼らとしてはとても悲しいことや怒りが蹴る状況なのです。このような状況で私たちのチームは人事チームだからご飯を食べに行っても他のスタッフたちに気づいた。事務所でも冗談を言うのは難しい雰囲気になりました。私も今まで生きてきて、他の人に苦労せずに生かそうと努力していたようですが、会社で私がすることを見ながら「私は今ちゃんと生きているのか?」という考えをたくさんしたようです。その中で2016年末には映画にも出てくるようにパク・グンヘ政権退陣集会が起きるでしょう。会社の外では、社会を良い方向にしようとする人々の声が大きくなる状況で、会社の中の私の姿と社会が分離する感じを受けました。だからこんな内容の映画を作ってみたいと思って、会社をやめた頃からシナリオを書き始めました。<ストライキ>や<カート>のような映画もとても良い映画であり、私たちの社会に必要な映画です。会社の不当な措置に被害を受けている人々の境遇を扱いながら、彼らがなぜ彼らと戦うのかを示す映画じゃないですか。ところが私は「一度は別の視点で見る必要もないだろうか?」という考えをしたようです。解雇された労働者が会社を相手に戦う過程において、使用側の人物はやむを得ず悪い人々として描かれるでしょう。ところが、使用者側で一番前に出ている人々が人事チームであり、これらも悪い人のように描写され、これらと戦うように誤解しやすいと思いました。だから少し視覚を変えて構造調整という事案を見てみると、私たちがこの問題についてもう少し広く見ることができそうだと思いました。遠くから見ると「ノー・サ」の対立のように見えますが、人事チームの職員もいつでも他の部署に配置され解雇される労働者に過ぎないため、結局「ノー・ノー」間の対立が発生しているのです。本当に責任を負うべき人はいつも後ろに落ちています。映画でも責任がなければならない位置にいる人はまったく登場すらしないじゃないですか。このような観点から見ると、構造調整という問題について「本当に責任を負うべき人は誰か?」という問題をもう少し明確に見ることができると考えました。それでも映画を作りながら彼らの行為を美化するように見えないようにしようとすごく努力したりしました。」(※10)と話す。この物語は、監督自身が見聞きし、肌で引き受けて来た現実の欠片から紡がれていると受け取れる。机の上に置かれたリストラを告げる一枚の紙。その薄さとは裏腹に、そこには幾十年の歳月と、守ろうとして来た家庭の灯り、胸の奥で支えて来た誇りと矜持までもが、容赦なく折り畳まれていたのだろう。「人々が思ったより無気力に解雇される姿をたくさん見ました。 -中略- 会社から出なければならないという話を聞くというのは「あなたはもはや会社に必要がないから出て行け」という言葉を聞くのだから、彼らとしてはとても悲しいことや怒りが蹴る状況なのです。」この言葉には、当時、人事部としてリストラの最前線に立たされた人物の、生々しいまでの葛藤と現実が刻み込まれている。組織を守るという大義と、目の前の人生を断ち切るという現実。その板挟みの中で揺れ続けた記録だ。リストラする側だけでなく、リストラされる側の悲しみと怒り、尊厳を奪われる痛み、どうしようもない感情が言葉の節々から滲み出ている。そこには、統計や決算書では決して測れない、一人一人の生活と時間の重みがある。できる事であるなら、「リストラ」という言葉そのものが不要になる社会であって欲しい。人生の半分以上を一つの会社で過ごす事が特別ではなく、ごく自然な選択肢として守られる社会的システムが構築される事を、願わずにいられない。しかし、現実はどうか?企業は「合理化」「構造改革」という言葉で人員整理を正当化し、その度に切り捨てられるのは、現場で汗を流して来た社員達だ。なぜ、リストラという名の人員整理が当然のように存在し続けるのか?誰がその痛みを引き受け、誰がその責任から目を逸らしているのか?この社会的システムの末端にいる会社の社員達は、常に理不尽な出来事に晒され続けている。景気後退の責任を負う立場にない人々が、真っ先に生活基盤を揺るがされる構造。それは偶然ではなく、長年放置されて来た制度と価値観の帰結だろう。2016年以降の韓国社会を襲った社会的不況に限らず、日本を含め世界各地で繰り返される経済混乱は、決して遠い国の出来事ではない。「明日は我が身」という言葉の通り、明日は自分かもしれないという緊張が、静かに、しかし確実に広がっている。だからこそ、この現実を「仕方がない」で終わらせてはいけない。声を上げる事、問い続ける事、働く人の尊厳を守る仕組みを求める事は、決して過激な主張ではないはずだ。これは誰か一人の物語ではなく、社会全体の問題である。無関心でいる事をやめた時、初めて構造は揺らぎ始める。あなたの違和感は、決して間違っていない。その感覚を胸の奥にしまい込まず、次の一歩へと変える事が、今、私達に求められている現実だ。

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最後に、映画『ただ、やるべきことを』は、2010年代に韓国の造船業界が直面した深刻な不況を背景に、リストラを断行しなければならない人事部社員たちの葛藤と決断をリアルに描いた社会派ドラマだ。ただ、リストラを題材にした「首切る」「首切られる」のサバイバルゲームを予想してはいけない。その緊張感の深淵にあるのは、社会から必ず保証されるべきである人々の人生と暮らしだ。解雇通知の一枚の紙は、単なる人事判断ではない。そこには住宅ローンがあり、子どもの学費があり、親の介護があり、名もなき日常の積み重ねがある。企業の合理化という言葉の裏側で、一人の人生が音を立てて崩れて行く。その現実を、私達は何度も目撃して来たではないか。一方で、韓国社会は幾度となく、歴史の岐路に立たされた。1980年の「光州事件」。軍事政権下で民主化を求めた市民に向けられた銃口は、国家とは誰のものかを世界に問うた。多くの犠牲の上に刻まれた記憶は、沈黙ではなく、継承という形で社会に今も残っている。その記憶は、2016年から2017年にかけての「ろうそくデモ」へと想いが繋がる。極寒のソウルの夜、広場を埋め尽くした無数の灯りは、怒りであると同時に、祈りであった。腐敗に対する拒絶だけではない。「もっとましな国にしたい」という、静かで強い意志。あの光は、暴力ではなく、市民の連帯によって歴史を動かせるという事実を証明した確かな希望の光。しかし、現在の民主主義は完成形ではない。2024年年末、韓国大統領が戒厳令を発令したという報は、多くの人々に過去の影を思い出させた(2024年大韓民国非常戒厳令)(※11)。戒厳令、それは言論や集会の自由を制限しうる、極めて重い国家権力の行使だ。法の名の元に、自由が一時停止される。その恐ろしさは、歴史を知る市民ほど深く理解している。それでも、広場には再び人が集まった。恐怖よりも、沈黙よりも、「民主主義を守りたい」という願いが勝ったからだ。あの灯りはまだ、消えていない。社会は揺れながらも、自らを立て直そうとする力を忘れずに持っている。ここで、私達は立ち止まらざるを得ない。国民が「より良い社会」を願い、寒空の下で声を上げるその同じ社会で、日々リストラが横行するという矛盾。政治の腐敗には怒りを示しながら、企業の合理化には「仕方がない」と目を伏せる空気。民主主義は広場で叫ばれるが、職場では沈黙が強いられる事もある。民主化とは、投票所だけの問題だろうか?民主化とは、権力者を監視する事だけだろうか?本来それは、一人一人の生活が尊重される社会を作る事ではないだろうか?職を失う恐怖に怯えず、明日の暮らしを信じられる事。「使い捨てられない」という確信を持てる事。韓国の民主化運動の中で歌い継がれて来た名曲「その日、来たりなば(When the day comes )」の詩には、こうある。「その日が来れば、山河は踊り、正義は生き返る。」それは、独裁の終焉だけを指す言葉ではないはずだ。恐怖ではなく尊厳が、沈黙ではなく声が、絶望ではなく希望が選ばれる日。リストラという名の刃が振り下ろされる度、私達は常に問われている。この社会は、誰の為にあるのか?効率のために人を切り捨てる世界で、本当に「民主主義」は完成するのか?ろうそくの灯りは、政治を大きく変えた。ならば次は、働く現場を、企業の論理を、社会の常識を変える番だろう。いつか必ず、「その日」が来ると信じたい。民主化が制度だけでなく、生活の隅々にまで行き渡る日。誰もが突然の解雇に怯える事なく、未来を描ける日。首を切られる不安ではなく、互いの手を取り合う安心が社会を包み込む日。「その日、来たりなば。」広場の灯りと、職場の静かな涙が結び付き、国家の民主化と、暮らしの民主化が重なり合い、「人は守られるべき存在だ」という当たり前が、制度として保証される世界の構築。歴史は、何度も後退しながら、それでも前進して来た。だからこそ、私達は静かに、けれど力強く願う。民主化が約束される世界を。リストラのない世界を。そして、誰一人、切り捨てられない保証された明るい未来を。

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名曲「その日、来たりなば(When the day comes )」

映画『ただ、やるべきことを』は現在、全国の劇場にて公開中。

(※1)黒字リストラとは?【意味をわかりやすく】理由、条件https://www.kaonavi.jp/dictionary/kuroji_risutora/#:~:text=%E9%BB%92%E5%AD%97%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%81%AE%E5%B0%86%E6%9D%A5%E3%82%92%E8%A6%8B%E6%8D%AE%E3%81%88%E3%81%A6%E8%A1%8C%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82%E6%A5%AD%E7%B8%BE%E4%B8%8D%E6%8C%AF%E3%81%A7%E8%B5%A4%E5%AD%97%E3%81%AE%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%81%8C%E8%A1%8C%E3%81%86%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%81%AF%E4%BA%BA%E5%93%A1%E5%89%8A%E6%B8%9B%E3%82%84%E6%95%B4%E7%90%86%E3%81%8C%E7%9B%AE%E7%9A%84%E3%81%A7%E3%81%99%E3%81%8C%E3%80%81%E9%BB%92%E5%AD%97%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%81%A7%E3%81%AF%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%81%AE%E4%BD%93%E8%B3%AA%E6%94%B9%E5%96%84%E3%82%84%E3%80%81%E5%B0%86%E6%9D%A5%E3%81%AE%E7%AB%B6%E4%BA%89%E3%81%AB%E6%89%93%E3%81%A1%E5%8B%9D%E3%81%A4%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E6%A7%8B%E9%80%A0%E3%81%AE%E5%86%8D%E6%A7%8B%E7%AF%89%E3%81%AA%E3%81%A9%E3%81%8C%E7%9B%AE%E7%9A%84%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82%20%E9%BB%92%E5%AD%97%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%81%8C%E8%A1%8C%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%82%8B%E8%83%8C%E6%99%AF%E3%81%AB%E3%81%AF%E3%80%81%E6%AC%A1%E3%81%AE%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AA%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82%20*%20%E5%B9%B4%E5%8A%9F%E5%BA%8F%E5%88%97%E5%9E%8B%E8%B3%83%E9%87%91%E4%BD%93%E7%B3%BB%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E4%BA%BA%E4%BB%B6%E8%B2%BB%E3%81%AE%E9%AB%98%E9%A8%B0%20*%20%E9%80%80%E8%81%B7%E5%B9%B4%E9%BD%A2%E3%81%AE%E5%BC%95%E3%81%8D%E4%B8%8A%E3%81%92%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E4%BA%BA%E4%BB%B6%E8%B2%BB%E3%81%AE%E5%A2%97%E5%8A%A0%20*%20%E4%BC%81%E6%A5%AD%E5%86%85%E5%B9%B4%E9%BD%A2%E6%A7%8B%E6%88%90%E3%81%AE%E8%A4%87%E9%9B%91%E5%8C%96%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E5%95%8F%E9%A1%8C%20*%20IT%E5%8C%96%E3%82%84AI%E5%8C%96%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E6%A5%AD%E5%8B%99%E3%81%AE%E5%8A%B9%E7%8E%87%E5%8C%96%20*%20%E6%80%A5%E9%80%9F%E3%81%AA%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%AB%E5%8C%96%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E6%9F%94%E8%BB%9F%E6%80%A7%E3%82%84%E7%99%BA%E6%83%B3%E5%8A%9B%E3%82%92%E6%8C%81%E3%81%A4%E4%BA%BA%E6%9D%90%E3%81%AE%E5%BF%85%E8%A6%81%E6%80%A7%20%E9%BB%92%E5%AD%97%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%80%81%E5%B8%8C%E6%9C%9B%E9%80%80%E8%81%B7%E3%82%84%E6%97%A9%E6%9C%9F%E9%80%80%E8%81%B7%E3%81%AE%E5%8B%9F%E9%9B%86%E3%80%81%E4%B8%8D%E6%8E%A1%E7%AE%97%E9%83%A8%E9%96%80%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E6%92%A4%E9%80%80%E3%82%84%E7%B8%AE%E5%B0%8F%E3%80%81%E6%9C%89%E6%9C%9B%E3%81%AA%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E3%81%B8%E3%81%AE%E7%B5%8C%E5%96%B6%E6%89%8B%E6%AE%B5%E3%82%92%E9%9B%86%E4%B8%AD%E3%81%95%E3%81%9B%E3%82%8B%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E5%90%88%E4%BD%B5%E3%82%84%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E3%81%AE%E5%A3%B2%E5%8D%B4%E3%81%AA%E3%81%A9%E3%81%8C%E6%89%8B%E6%AE%B5%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E5%AE%9F%E8%A1%8C%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E5%AF%BE%E8%B1%A1%E8%80%85%E3%82%92%E9%81%B8%E3%81%B6%E9%9A%9B%E3%81%AB%E3%82%82%E3%80%81%E5%B9%B4%E9%BD%A2%E3%81%A0%E3%81%91%E3%81%A7%E6%B1%BA%E3%82%81%E3%82%8B%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%82%82%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%81%8C%E3%80%81%E5%AE%9F%E5%8A%9B%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E3%81%AE%E4%BC%81%E6%A5%AD%E6%96%87%E5%8C%96%E3%81%8C%E6%B5%B8%E9%80%8F%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E5%A0%B4%E5%90%88%E3%81%AF%E3%80%81%E6%BF%80%E3%81%97%E3%81%8F%E5%A4%89%E5%8C%96%E3%81%99%E3%82%8B%E5%B8%82%E5%A0%B4%E3%81%AB%E6%9F%94%E8%BB%9F%E3%81%8B%E3%81%A4%E8%BF%85%E9%80%9F%E3%81%AB%E5%AF%BE%E5%BF%9C%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%AA%E3%81%91%E3%82%8C%E3%81%B0%E6%88%90%E6%9E%9C%E3%82%92%E7%94%9F%E3%81%BF%E5%87%BA%E3%81%9B%E3%81%9A%E8%A9%95%E4%BE%A1%E5%AF%BE%E8%B1%A1%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E8%80%83%E3%81%88%E6%96%B9%E3%81%8C%E6%A0%B9%E5%BA%95%E3%81%AB%E3%81%82%E3%82%8B%E5%A0%B4%E5%90%88%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82%20%E9%BB%92%E5%AD%97%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%81%AF%E3%80%81%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%81%AE%E6%9C%AA%E6%9D%A5%E3%82%82%E5%BE%93%E6%A5%AD%E5%93%A1%E3%81%AE%E4%BA%BA%E7%94%9F%E3%82%82%E5%A4%89%E3%81%88%E3%82%8B%E5%8A%9B%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8B%E3%81%A8%E5%90%8C%E6%99%82%E3%81%AB%E3%80%81%E8%BB%A2%E8%81%B7%E5%B8%82%E5%A0%B4%E3%81%AA%E3%81%A9%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%82%92%E5%8F%96%E3%82%8A%E5%B7%BB%E3%81%8F%E7%92%B0%E5%A2%83%E3%81%AB%E3%82%82%E5%A4%A7%E3%81%8D%E3%81%8F%E5%BD%B1%E9%9F%BF%E3%82%92%E5%8F%8A%E3%81%BC%E3%81%99%E4%BC%81%E6%A5%AD%E5%88%A4%E6%96%AD%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82(2026年2月26日)

(※2)【人事向け】リストラとは?具体的な手段や進め方など徹底解説https://colorfulcorp.co.jp/media/contents/what_is_restructuring/#:~:text=%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%91%E3%81%BE%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%86%E3%80%82-,%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%AE%E6%9C%AC%E6%9D%A5%E3%81%AE%E5%AE%9A%E7%BE%A9,%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%AB%E5%90%AB%E3%81%BE%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82&text=%E3%80%8C%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%80%8D%E3%81%AF%E6%9C%AC%E6%9D%A5%E3%80%81%E6%A5%AD%E7%B8%BE,%E3%82%92%E6%84%8F%E5%91%B3%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82(2026年2月26日)

(※3)パナソニック、マツダ、三菱電機も…人手不足なのに「中高年リストラ」が黒字大企業で加速するワケhttps://diamond.jp/articles/-/379649#:~:text=%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%AB%20%7C%20%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3-,%E3%83%91%E3%83%8A%E3%82%BD%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%AF%E3%80%81%E3%83%9E%E3%83%84%E3%83%80%E3%80%81%E4%B8%89%E8%8F%B1%E9%9B%BB%E6%A9%9F%E3%82%82%E2%80%A6,%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%81%A7%E5%8A%A0%E9%80%9F%E3%81%99%E3%82%8B%E3%83%AF%E3%82%B1(2026年2月26日)

(※4)韓国ソウルの抗議デモ、最大規模に ろうそくともして朴氏退陣求めるhttps://www.afpbb.com/articles/-/3109296(2026年2月26日)

(※5)South Korean Court Sentences Ex-President’s Confidante to 20 Yearshttps://www.nytimes.com/2018/02/13/world/asia/choi-soon-sil-park-geun-hye-south-korea.html#:~:text=SEOUL%2C%20South%20Korea%20%E2%80%94%20A%20South,Choi%20and%20Ms.(2026年2月26日)

(※6)「朴槿恵のいない春、皆のおかげ」見ず知らずの人とも一緒に祝ったろうそく集会https://japan.hani.co.kr/arti/politics/26770.html(2026年2月26日)

(※7)リストラとメンタルヘルス|対象者・残存社員双方のケアと組織再建の具体策https://rirekisyo-navi.com/articles/54631/(2026年2月27日)

(※8)リストラする側も辛い……リストラする人・される人に対する心のケアhttps://allabout.co.jp/gm/gc/401475/(2026年2月27日)

(※9)リストラは職場に何をもたらしたか : 心理学の視点からダウンサイジングを考えるリストラは職場に何をもたらしたか(2026年2月27日)

(※10)[인터뷰] 시민으로서 “해야 할 일” ‘박홍준 영화감독’https://ccej.or.kr/posts/LKtmB0l(2026年2月27日)

(※11)【解説】 なぜ尹大統領はいきなり非常戒厳を宣布したのか……翌朝には解除https://www.bbc.com/japanese/articles/cr564eq6l3eo(2026年2月27日)