映画『ジュラシック・ワールド 復活の大地』種は、必ず繰り返される

映画『ジュラシック・ワールド 復活の大地』種は、必ず繰り返される

人類はまだ、彼らの真実を知らない映画『ジュラシック・ワールド 復活の大地』

©2025 Universal Studios. All Rights Reserved.

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種は、必ず繰り返される。一度絶滅した種の生物は、いずれまた復活する。現代の技術において、絶滅した動物を復活させるのは、可能であるという返答を世界は受けている。絶滅した動物を復活させることは技術的に可能性があり、米国企業「コロッサル・バイオサイエンシズ」は、ゲノム編集技術を用いてダイアウルフに近い「ハイブリッド種」(※1)の誕生に成功したと発表した。しかし、この手法は現存する種からDNAを操作して特徴を組み込む方法であり、本来の絶滅種そのものではないため、科学的な議論の余地がまだまだある。また、復活にはDNAの抽出やゲノム編集の技術、そして倫理的な問題や生態系への影響も考慮する必要があり、これからの近い未来において、絶滅種の動物が完全に復活するのは、まだまだ先のようでもある。それでも米国企業(※2)は、上記のように絶滅したダイアウルフの化石からDNAを分析し、ハイイロオオカミの遺伝子にゲノム編集技術で特徴を組み込み、3頭の「ダイアウルフ風のハイブリッド種」を誕生させたり、絶滅した種のDNAを現代の近縁種に導入して、特徴を持つ新しい生物を作り出す技術を生み出している。その他のアプローチにおいては、クローン技術や伝統的な復種も用いられている。現在、科学者たちが絶滅種の復活に向けてマンモス以外にも、ドードー、フクロオオカミ、リョコウバト、オーロックス、クアッガ(※3)など、6種の絶滅動物の復活に力を注いでいる。映画『ジュラシック・ワールド 復活の大地』は、前作「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」から5年後を舞台に、新章となる新たな幕が開ける。遺伝子が存在し続ける限り、種の復活は約束されている。

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絶滅したはずの動物が復活する確率(※4)は、技術的・倫理的な制約から極めて低いと考えられている。過去の事例(トキなど)から考えて、「可能性」は確かに残っている。けれど、復活の為には、個体の確保、遺伝子工学の進展、生息環境の回復などが必要で、トキのように人間の手による保護活動が成功すれば、絶滅危惧種が自然界で生き延びる事は可能となるが、絶滅種の保存はその時の環境や条件がすべて整った時、初めて成功するほど。成功例は、ごく稀に起きると考えてもいいだろう。上記で述べたように、絶滅動物を復活させる為の要素には、3つの条件や環境が必要になって来る。まず、生き残った個体や凍結保存された細胞や生殖細胞が必要となり、個体の確保が最優先だ。また、クローニングやゲノム編集などの技術が進化すれば、絶滅した種の遺伝子を復元できる可能性が示唆されており、今後の未来における遺伝子工学の進展が期待されている。最後に、復活した個体が生き延びるためには、元の生息環境が回復されているか、人間が管理する環境が整えられている事が必須条件であり、絶滅種が生きて行く為の生息環境の回復が求められている。その一方で、絶滅動物の復活の未来において必要な事は、希少種の保護への応用、生態系の回復、持続可能な未来への貢献の3つが挙げられる。私たちが期待する絶滅動物の復活(※6)は、科学技術の進歩によって将来的に現実のものとなっているその一方、復活の過程において様々な課題や倫理的な問題点を解決していく必要がある。その為に、今私達に何が求められているのか?それを考えなければならない。

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恐竜の大量絶滅は、およそ6600万年前の白亜紀末と言われている。有力な説では、直径10キロメートルほどの小惑星が地球に衝突し、引き起こされた環境の急激な変化が恐竜の絶滅を招いた事は周知の事実(※7)だろう。①大量の塵と太陽光の遮断、②「衝突の冬」、③食物連鎖の崩壊、④その他の影響(※8)と言った衝突による影響によって、絶滅した。唯一、恐竜のグループの一部である鳥類だけが絶滅を免れた結果、鳥類は現代まで生き残り続けている。現在、「恐竜」と呼ばれる生き物はいない。鳥類は、恐竜の直系の生き残りと考えられている。近年の恐竜研究では、鳥類は恐竜類に属する一つのグループと考えられており、約6,600万年前の絶滅事件を生き延びた恐竜の子孫だ。このため、鳥類を「恐竜の生き残り」と表現する事もでき、1万種以上の鳥類の恐竜が現在も地球上に生息している。それでは、現在における私達人類にとって、恐竜という存在はどんな立ち位置だろうか?現代の恐竜の見方は、「約6600万年前に絶滅した鳥類の共通祖先である古代の爬虫類」であり、化石を通じて、その存在を知り、過去の地球環境や生命の進化を学ぶための貴重な存在となっている。現代では、恐竜はこの地球上にはいないものの、鳥類が恐竜の子孫と認識され、生物の進化の歴史の一部として身近に存在していると言え、貴重な研究対象(※10)となっている。現代における恐竜の位置づけは、化石としての存在が最も知られているが、生命が何千万年の間に進化して来た証拠としてこの世に存在している。その一方で、私達の身近な存在としての鳥類が今も空を飛んでいるが、恐竜の鳥類から進化の過程で今の鳥達となった恐竜の足跡を辿る事(※11)ができる。映画『ジュラシック・ワールド 復活の大地』を制作したギャレス・エドワーズ監督は、あるインタビューにて本作と自身の他作の類似性と相違点について、こう話す。

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エドワーズ監督:「この映画は、私がこれまで手がけてきた作品と比べて、大きな違いがあると思います。いくつか違いがあります。一つは、脚本があったことです。映画制作に着手し、プリプロダクションを始めたのは初めてで、プロデューサー、スタジオ、脚本家、その他全員が脚本を指し示し、「これに沿って進めよう」と指示を出していました。通常であれば、この映画は一体何なのか?という綱引きになるのですが、全員が同じ認識を持っていたことが…。デヴィッド・コープとのやり取りもすごく面白かったです。脚本を読んで「わかりました。以下のことをやりたいです」と提案すると、「デヴィッドにうまく通るかな」とちょっと心配になるので、「いやいや」と思いました。彼との最初のミーティングはZoomで、Zoomが起動した途端、彼の後ろにはオリジナル版『キングコング』のポスターが貼ってありました。「あら、『キングコング』が好きなんですね?」と声をかけました。「キングコング」の話になり、それからモンスター映画の話になりました。どれくらい時間が経ったか覚えていませんが、30分か1時間くらい経ったでしょうか。映画の趣味が全く同じだということに気づきました。限られた時間の中で、それがとても役に立ったと思います。誰もが素晴らしい映画を作りたいと願っているからです。誰もがそうしたいと思っています。唯一の葛藤は、「素晴らしい映画とは何か」ということです。もしその点について意見が一致すれば、目標の半分は達成したと言えるでしょう。この映画は、最初の電話を受けてから作品を引き渡し、完成するまで、通常は2年半かかるのに、今回は1年3ヶ月かかりました。時間を無駄にする余裕などありませんでした。後から考え直すことは許されません。最初の直感に従うしかありませんでした。編集者の[ジャベス・オルセン]が編集室のドアにレナード・バーンスタインの言葉「芸術とは、計画はあるけれど時間が足りない時に生まれるものだ」を貼ってくれましたが、本当にその通りだと感じました。私たちが芸術作品を作っているわけではありませんが、時間が足りないことが実は良いことだというのは、本当にその通りだと感じました。時間が多すぎると、先延ばしにしたり、うまくいかないことを試したり、ファイルの準備を怠ったりしてしまいます。それに、私たちはスタジオに「ディレクターズカット版」を見せて、スケジュールを見て、公開日に間に合わせるために、もう手を抜くわけにはいかない、という状況でした。「メモをくれれば、2週間で映画をある程度確定させなければならない」と。彼らは私たちにあらゆるフィードバックをくれ、私たちはそれをやり遂げました。皆が満足していて、それが映画になったんです。奇妙なほどに、実にストレートな作品でした。分かります?確かに難しい時期もありましたが、今振り返ると、以前より楽観的に捉えられるようになりました。これはかなりまっすぐな道のりだったと。そして、本当に、すべてはあの脚本にかかっていたんだと思います。」(※12)と話す。この監督の話からも分かるように、映画の土台となる脚本がしっかりできていれば、作品の質が向上する事がよく分かる。それは、映画に限らず、どんな分野においても、テーマや方向性、企画となる骨組みがしっかりしていれば、その後の運びが順調に進む。何事においても何が大切かと問われれば、その全体となる骨子の部分である土台をしっかり作り上げないと、どれだけ素晴らしい思想を持っていたとしても、最終的に作品が完成に漕ぎ着けたとしても、骨となる部分の土台がぐにゃぐにゃなら、すべてが崩壊する。それは恐竜や人間の骨も同じで、大事な骨が無ければ、私達は生きる事さえできない。作品も骨が欠損していれば、作品としての価値が一つもないという事になる。

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最後に、映画『ジュラシック・ワールド 復活の大地』は、前作「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」から5年後を舞台に、新章となる新たな幕が開けるシリーズの最新章となる作品だが、単なる冒険スペクタクルな物語ではなく、そこには約30年前に誕生した1作目のテーマ「種と人類の共存」が、この作品にも横たわっている。人類は、どの時代においても、他の生物と命を分かち合わないといけない。他の生き物と共に生きる事を忘れてしまった人間が辿る未来は、人類そのもの滅亡だ。その未来予想図のカウントダウンが始まった今、私達に課せられた課題が何かを、その答えやヒントを探さないといけない。その一方で、映画の世界の中だけにあった「ジュラシック・パーク」の存在が、現実世界でも実現している。今年7月末に、日本の沖縄県北部で観光誘致の一環として、映画『ジュラシック・パーク』を模した新テーマパーク「JUNGLIA OKINAWA」(※13)が新たに誕生した。7月に開業してから、開業後の評判は今一つ芳しくないが、それでも、映画の世界の恐竜のビジュアルを現実世界に誕生させた心意気には興味を惹かれるが、世間の声に耳を傾ける限り、まだまだ課題は山積みだ。私達が、実際に本物の恐竜と出会える日は来るのだろか?先に述べてしまえば、イエスともノーとも言いにくい。現実問題、太古の昔の恐竜のDNAから生み出すことは不可能と現代の研究結果から割り出されているが、その一方で、遺伝子操作によって恐竜に近い動物を生み出す事は可能であると結論付けている。興味深い記述を見つけたので、ここで共有したい。

「大昔の恐竜を再生することは不可能でも、遺伝子操作で限りなく恐竜に近い動物による「ジュラシック・パーク」は実現可能であるということだ。遠くない未来、あなたはティラノサウルスやヴェロキラプトル(に限りなく近い動物)と触れ合う機会が訪れるかもしれない。」(※14)

種は、必ず繰り返される。いつか近い将来、私達は何万年前に生きていたであろう恐竜と出会える日が訪れるかもしれない。それは、もしかしたら、明日かも知れない。

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映画『ジュラシック・ワールド 復活の大地』は現在、全国の劇場にて公開中。

(※1)絶滅のダイアウルフ “ゲノム編集で復活” 米バイオ企業が発表https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250408/k10014773251000.html#:~:text=%E9%81%BA%E4%BC%9D%E5%AD%90%E3%82%92%E6%93%8D%E4%BD%9C%E3%81%99%E3%82%8B%E3%82%B2%E3%83%8E%E3%83%A0,%E3%81%82%E3%82%8B%E3%81%A8%E4%BC%9D%E3%81%88%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82(2025年8月24日)

(※2)ニュース「絶滅から復活」と話題のダイアウルフ、どんな動物だったのか 1万3000年前の絶滅種を復活と米民間企業が発表、専門家の見解はhttps://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/25/041600201/?ST=m_news(2025年8月24日)

(※3)マンモスだけじゃない科学者が復活に挑戦している6種の絶滅動物https://gigazine.net/news/20240902-extinct-species-scientists-bring-back/(2025年8月24日)

(※4)生物を絶滅から守ろう!絶滅危惧種の現状と守るための世界の取り組みhttps://green-note.life/1272/(2025年8月24日)

(※5)絶滅した特別天然記念物トキはなぜ佐渡島で復活したのかhttps://www.nippon.com/ja/japan-topics/g02153/#:~:text=%E4%B8%80%E5%BA%A6%E3%81%AF%E7%B5%B6%E6%BB%85%E3%81%97%E3%81%9F%E7%89%B9%E5%88%A5,%E8%88%9E%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E4%BD%90%E6%B8%A1%E5%B3%B6%E3%81%A0%E3%80%82&text=%E9%AE%AE%E3%82%84%E3%81%8B%E3%81%AA%E7%B4%85%E8%89%B2%E3%81%AE%E7%BF%BC,%E3%81%AE%E7%8A%B6%E6%85%8B%E3%81%AB%E9%99%A5%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%80%82(2025年8月24日)

(※6)Colossal Biosciences社CEOが語る、絶滅動物復活と人類の未来https://timewell.jp/timewell-media/contents/ColossalBiosciences(2025年8月24日)

(※7)恐竜から宇宙へhttps://www.hij.airport.jp/special/dinosaur2020/space.html#:~:text=%E6%81%90%E7%AB%9C%E7%B5%B6%E6%BB%85%E3%81%AE%E5%8E%9F%E5%9B%A0%E3%81%AF,%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%9B%E3%82%93%E3%81%A7%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82(2025年8月25日)

(※8)6600万年前、恐竜を絶滅させた小惑星は「最悪の角度」で衝突していたhttps://www.businessinsider.jp/article/213770/(2025年8月25日)

(※9)恐竜は絶滅していない!? 研究者らが「恐竜は今も身近に生きている」と主張する科学的な証って?https://cocreco.kodansha.co.jp/move/news/4BzBR(2025年8月25日)

(※10)「ふしぎ」な生き物 どこまで わかってきている?「恐竜きょうりゅう」の最新のふしぎとナゾhttps://www.honda.co.jp/kids/explore/dinosaur/#:~:text=%E6%81%90%E7%AB%9C%20%E3%81%8D%E3%82%87%E3%81%86%E3%82%8A%E3%82%85%E3%81%86%20%E3%81%8C%E3%81%84%E3%81%9F,%E3%82%93%E3%81%88%E3%81%84%20%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%9F%E3%82%88%E3%80%82(2025年8月25日)

(※11)『生物とSDGs4』現代に恐竜が復活することはできる?https://losszero.jp/blogs/column/news_634#:~:text=%E3%81%84%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%82%93%E3%81%A7%E3%81%99%E3%81%AD%E3%80%82-,%E6%81%90%E7%AB%9C%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%9C%E7%B5%B6%E6%BB%85%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%AE%EF%BC%9F,%E3%81%A8%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82(2025年8月25日)

(※12)One Thing Makes Jurassic World Rebirth Different From Star Wars And Godzilla, According To Gareth Edwards [Exclusive Interview]https://www.slashfilm.com/1901847/gareth-edwards-jurassic-world-rebirth-star-wars-godzilla-difference/(2025年8月25日)

(※13)恐竜は追ってこなかったが…「ジャングリア沖縄」開業1カ月。沖縄記者の台湾インバウンドへの影響の考察と、「刀」に対する“率直な本音”https://toyokeizai.net/articles/-/899570?display=b(2025年8月25日)

(※14)今の技術で本物の「ジュラシック・パーク」を作ることは可能…ただし大昔の恐竜の再生は不可能https://www.discoveryjapan.jp/news/fw34wmpma73/(2025年8月25日)