映画『ZEDER 死霊の復活祭』未来を生きる為に今を生きる

映画『ZEDER 死霊の復活祭』未来を生きる為に今を生きる

イタリアン・ホラー、最後の傑作。映画『ZEDER 死霊の復活祭』

©1983 A.M.A. Film s.r.l.

©1983 A.M.A. Film s.r.l.

行ってはいけない、触れてはいけない、開けてはいけない禁断の邪悪な場所は、本当に実在するのか?行ってはいけない場所、触れてはいけない場所がある。その場所には、何があるのか?何が起きるのか?その先には、何が待っているのか?得体の知れない存在が、手をこまねいて待っている。一歩でもその場所に足を踏み入れれば、もう二度と戻る事はできない。元の生活に戻れると思ったら、それは大きな間違いだ。あなたは、まったく違うもう一つの世界に迷い込み、その世界での人生を送る事になる。そんな異界の扉を開ける事は、禁断の行動とされており、ひとたび開けてしまうと、怪物や魔物に取り込まれ、呪われてしまうか、取り憑かれて命までも奪われる。映画『ZEDER 死霊の復活祭』は、小説家のステファノは、妻アレッサンドラから中古のタイプライターを贈られる。中に残されたインクリボンには、「Kゾーン」という謎の言葉が刻印されていた。イタリアの名匠プピ・アバティ監督がキャリア初期に手がけ、同監督によるイタリアンホラー屈指の異色作「笑む窓のある家」と並んでカルト的人気を集めるミステリーホラー。イタリアン・ホラー、イタリアン・ミステリーの独特な雰囲気は、他のホラー作品の追随を許さない特異な作品のオンパレードだ。本作は、数あるイタリアン・ホラーの代表格の一本。

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禁断の場所「Kゾーン」のような場所は、日本にも本当に存在するのか?もしくは、世界中の至る場所に存在しているにも関わらず、私達は気付かずに、毎日を過ごしていると言うのだろうか?まず日本には、物理的・法的に立ち入りが制限されている場所や伝説や歴史的背景から「行ってはいけない(禁足地)」(※1)とされている場所が存在する。一般的に、許可なく立ち入り禁止区域に入ると、住居侵入罪などに問われる可能性がある。 物理的・法的に立ち入りが制限されている場所は数多くあり、その一部を抜粋できればと思う。これから記述する場所は、安全上の理由や所有権、政治的な理由などにより、一般人の立ち入りが厳しく制限されている点、理解して読み進めて欲しい。 東京都にある硫黄島は、現在も自衛隊の基地が存在し、一般人の観光目的での立ち入りは原則禁止されている。もう一つ東京都の南硫黄島は、小笠原諸島の一部。手つかずの自然が残る貴重な地域として、法律により一般人の立ち入りが厳しく制限されている場所の一つ。また、福島第一原発周辺の帰還困難区域の原子力発電所事故による放射線量が高い一部の地域は、現在も立ち入りが制限されている。そして、港湾エリアや自衛隊基地などの関係者以外立ち入り禁止区域は、安全保障や業務上の理由により、関係者以外の立ち入りが制限されている。 意外と、物理的にも法的にも制限されている場所が日本には存在する。何よりも、巨大施設や飲食店の「Staff Only」のような、ある種の一般人が入り込めない立ち入り禁止区域がたくさんあるかもしれない。日本に残る伝説・伝承による「禁足地」は都市伝説として今も口承として残る。これら禁忌の場所は、古くからの言い伝えや神話に基づき、立ち入ると「祟りがある」「二度と戻って来られない」と強く信じられている場所。多くは、私有地や神聖な場所であり、立ち入りが制限されている場合がある。 最も都市伝説として有名な地名は、青森県の杉沢村だ。犬鳴村と同様に「地図にない村」「一度入ったら生きて帰れない」といった都市伝説や心霊スポットとして語られる場所で、カジュアルな噂話として今でも言い伝えられている。次に千葉県市川市の八幡の藪知らずは、「足を踏み入れると二度と出てこられなくなる」という神隠しの伝承が残る森として有名だ。随分と昔から禁足地とされている。最後に、福岡県宗像市の沖ノ島は「神宿る島」として世界遺産にも登録されている。島全体が宗像大社の境内であり、古代からの信仰に基づき、女性の入島が禁じられているほか、男性も上陸には厳しい制限を課せられ、島での出来事を口外してはいけない禁忌のルールがある。日本の多くの場所には、単なる好奇心で立ち入るべき土地や地名が数多く存在する。なぜなら、物理的な危険が伴う場合や法的な問題、または地元の文化や信仰への配慮が必要だからだ。今ここで挙げた場所は歴史的に知名度のある場所かもしれないが、実際、触れてはいけない場所が日本各地にゴロゴロ存在しているかもしれないと仮定できる。

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その禁足地や廃屋で起きる超常現象は、その土地を訪れた人々を恐怖に陥れる。その場所で何が起き、何を見て、何に怯えてしまうのか、そこに訪れた者しか経験し得ない出来事。開けてはいけない扉を開けたら最後、その者は目には見えない何かに取り憑かれる。呪われたら最後、その者は元の世界にも戻れず、正気を取り戻す事もできず、この世の世界とあの世の世界の狭間に取り残される。廃屋や何か事件が起きた場所、禁足の地に足を踏み入れた者が体験する恐怖の出来事には、一体何があるだろうか?実際、福岡には女の鬼の魂が幽閉されている「千曵の岩」という禁足地(※3)があるそうだが、100年も200年も前にその地で不思議な出来事が起きたという。村に住む一人の男がある日突然、姿を消した。そしてある時、発見されて村に戻ると、独り言のようにあの「千曵の岩」と言っている。保護をした翌日、男は消えた。村人は山もすべて探し見つからず、最後にその男が言っていたあの場所の捜索を行う事に。大きな岩の奥にある洞窟から男の声が聞こえ、力自慢の男6人がやっとの事、その大岩を移動させると、洞窟の中で行方不明の男が息絶えていたという口承。そのさいごには、ある一つの謎が残る。それは一人の村人が放った言葉「六人がかりでやっと動いた大岩をこの男はどうやって開けたんだろう?」この謎は深まるばかりで、結局最後まで誰もこの謎に触れる者はいなかったとされる。また、世界には世界七大禁断の地(※4)があり、日本から2箇所の禁断地が選出されている。韓国には昆池岩(コンジアム)精神病院、ウクライナにはチェルノブイリ遊園地、チェコにはセドレツ納骨堂、日本には青木ヶ原樹海、軍艦島、トーゴにはブードゥー崇拝市場、メキシコには人形島の7箇所が挙げられる。様々な場所で言い伝えや恐怖伝説が囁かれているだろうが、メキシコの人形島は、メキシコシティで水路の多い地域にあるソチミルコ島で、1949年から2001年の間、この島に住んでいた1人の男性の行為が、作ったもの。 彼は水路で水死していた少女に接して以来、水路に流れ漂う人形を集め、島の樹木に取り付けたり吊るしたりして、1000体以上に及ぶ。この地には様々な伝承が伝えられ、小屋の片隅には少女の骸骨、人形島と古代アステカの生贄の儀式の関係など、様々な事が言い伝えられているが、一番は人形島は水子供養の為に使われている事。死んだ子ども達の魂を鎮める為の人形であり、人形はあるべき場所に必要とされて、そこに存在する。禁足地は、足を踏み入れてはいけない場所ではあるが、ただそれだけでなく、死んだ者の魂を鎮める為の神聖な場所であり、死者の為の聖域なのだ。映画『ZEDER 死霊の復活祭』を制作したプピ・アヴァティ監督は、あるインタビューにて本作について、こう話す。

©1983 A.M.A. Film s.r.l.

アヴァティ監督:「『ゼダー』では、同じような視点、同じ不安感を描き出そうとしましたが、より都市的な文脈、より技術的な要求を伴っていました。棺桶の中にカメラがあり、映像を記録するコントロールルームがあります。この映画を現代に回帰させたいという願望がありました。当時、電気タイプライターは既にその象徴でした。『笑う窓のある家』では、むしろ過去を見つめていました。」(※6)と話す。映画『笑う窓のある家』が過去を映す物語であるなら、本作『ZEDER 死霊の復活祭』は死者の蘇りという観点から未来を象徴する物語であり、生者である私達は今を生きているようで、未来に生きている。未来を作る為に、今を生きている生き物だろう。

©1983 A.M.A. Film s.r.l.

最後に、映画『ZEDER 死霊の復活祭』は、小説家のステファノは、妻アレッサンドラから中古のタイプライターを贈られる。中に残されたインクリボンには、「Kゾーン」という謎の言葉が刻印されていた。イタリアの名匠プピ・アバティ監督がキャリア初期に手がけ、同監督によるイタリアンホラー屈指の異色作「笑む窓のある家」と並んでカルト的人気を集めるミステリーホラーとして名高い評価を得ているが、これは単なるイタリアン・ホラーではなく、作品の主軸に生と死の哲学的構造を纏った作品である。死者の蘇りと生者の行いは、生きた者と死んだ者とが交錯する場所「Kゾーン」を生み出した。この禁断の場所には、人の生と死が絡み、人の過去と未来の時間の行く末が禁足地で渦巻く。未来を生きる為には今を生きなければならないが、その今を生きるには過去を大切にしなければならない。

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映画『ZEDER 死霊の復活祭』は現在、公開中。

(※1)絶対に入ってはいけない?日本の「禁足地」6選https://10mtv.jp/pc/column/article.php?column_article_id=3976(2026年1月8日)

(※2)【禁足地】絶対に入れない!日本で「立入禁止」の場所10選とその理由https://www.kyoushi1.net/column/history-trivia/japans-forbidden-places/?slid=7bb2850b39594fe9ad7a55e40f38ce43(2026年1月8日)

(※3)【ゾクッとする実話怪談】「千曳の岩」─封印された禁足地で起きた、消えた男の謎https://fanfun.jp/267685/#google_vignette(2026年1月10日)

(※4)「世界七大禁断の地」に日本から2カ所ランクイン「青木ケ原樹海」「軍艦島」https://woman.mynavi.jp/article/130719-022/(2026年1月10日)

(※5)メキシコの心霊スポット!知られざる人形島の実態とはhttps://www.savag.net/doll-island-mexico/(2026年1月10日)

(※6)Il terrore padano e i terreni K., intervista a Pupi Avatihttps://re-movies.com/2021/02/03/pupi-avati-regista/(2026年1月10日)