映画『More モア』前向きな人間の欲 | Tiroir du Kinéma ティロワ・デュ・キネマ

この世界にモブなんていない映画『More モア』

人は後悔を背負って、生きている。その後悔を忘れようとしながら、生きている。それでも、忘れられない過去があり、後悔があり、懺悔がある。過去を取り戻す事も、巻き戻す事も出来なければ、未来に生きる事も出来ない。未来に向かって早送る人生を過ごす事も出来ない。ただ、今という時間の中で存在し、過去と未来の狭間の今に私達は生きている。過去を背負った者と未来に生きる者。長い旅の旅程は、人生の行く末のよう。その道の先に終わりはなく、只ひたすら、長い長い一本道の道程が続く。それは、人の人生の道を表しているだけでなく、過去と未来、現在を繋ぐ連続する時間の谷間に私達は存在する。その道程を何で走るかは、その人次第。徒歩で行く者、車で走る者。人生を生きる歩幅やスピードには個人差があり、誰にもその速さを決められない。人によって、生きる速さは違う。死に急ぐ者、長生きする者。100人居たら、100通りの生き方がある。映画『More モア』は、後悔を抱えながら生きる人間の葛藤を、過去と現在を交錯させながら描くヒューマン・ロード・ムービー。誰しも過去への後悔を持っており、その後悔を胸に今を生きている。なぜ、あの時、あんな行動をしてしまったのか？なぜ、些細な事で大切な親友や恋人を傷付けてしまったのか？その時の行動を訂正する事は、できない。一度犯してしまった失敗は、二度と繰り返してはいけない。

人は、過去に生きる生き物(※1)。自身が過ごした過去を背負って、未来に向かって今を生きている。過去を後悔する行為は、感情を持つ人間なら誰もが生きている間に経験している事だ。後悔を繰り返せば、心の傷口を何度も抉り、自己肯定感を下げてしまうが、後悔を単なる反省の機会として捉え、人はそれを活かして成長できる生き物でもある。その上で、後悔の感情を理解する事が大切だ。後悔の感情は、心の防御反応であり、成長の機会にも繋がる反面、感情の悪循環にも繋がりやすい。たとえば、後悔をしてしまったその後悔を再度後悔し反省する。そのループに陥ると、なかなか這い出せない。ただ私達は過去を後悔するだけでなく、向き合う事が必要とされている。後悔は逃げずに向き合う事によって、二度同じ過ちを繰り返さない。人は、過去は過去として受け入れて欲しい。最も大切な事は、後悔を活かして前へ進む事だろう(※2)。後悔を反省の機会に、笑い話にする事が、私達が今できる事に変換する力を持っている。過去の失敗の経験を活かし、前を向いて生きる事。後悔は、人間誰でも経験する感情(※3)。しかし、後悔をただの感情として終わらせるのではなく、反省の機会として捉え、それを活かして成長する事が大事。後悔と向き合い、過去の経験から学び、未来をより良いものにする事によって、私達は明日を生きる事ができる。

過去にばかり生きるのではなく、未来をどのように生き、明るい未来をどう迎えるかが、今を生きる私達に大切な事ではないだろうか？未来を生きる私達の今が、より明るくより良い世界であるようにするには、「今」を大切にしなければならないという事だ。未来を生きる、つまり、より良い未来に向けて行動するには、まず「今」を大切に生きる事(※4)。未来の目標を明確にし、計画的に行動する事が重要。変化を恐れず、柔軟に対応する心の余裕も必要。未来を生きるための具体的なステップには、「「今」を大切にする」「未来の目標を明確にする」「計画的に行動する」「変化を恐れない」「学び続ける」「周りの人との繋がりを大切にする」の6つの心得が、より良い未来を生きるヒントとなる。私達は「今」を大切にしながら、未来を切り開ける力を持った生き物だ。「今」を大切にする事は、過去の失敗に囚われず、未来を憂えず、目の前にある今に集中し、その瞬間瞬間にある感動や喜び、喜怒哀楽を味わう事。自分の気持ちを大切にし、今の自分を喜ばせる為に生きる。未来を生きるにはまず、私達の「今」を知る事。未来の目標を明確にし、計画を実行する事。今あなたが持っているビジョンを現実化する事が、より良い未来を生きる一歩(※5)だ。未来は常に変化を起こし、予測不能な未来が訪れる事もある。柔軟に考え、新しいことに挑戦する姿勢が大切。周りの人との繋がりを大切にし、支え合う事で、より充実した未来の瞬間を築く事ができる。

最後に、映画『More モア』は、後悔を抱えながら生きる人間の葛藤を、過去と現在を交錯させながら描くヒューマン・ロード・ムービーだが、単なるロード・ムービーではない。過去で犯した失敗とどう向き合い、そして未だ見ぬ未来をどう生きるかを提示した物語だ。私達は過去を取り戻す事はできない。未来に生きる事もできない。けれど、私達に与えられた「今」をどう生きるのか、それを試されている。タイトル「More モア」には、もっと生きたい。生き続けたい。もっと明日を夢見たいという前向きな人間の欲を表現した「もっと」なのかもしれない。